カスタマーサクセス内製化を成功させるには。内製化のメリット・デメリット・必要なステップを紹介
昨今は「顧客の成功を支援して、継続的な関係を築くことが重要」であるという認識が広がり、顧客満足度向上やビジネス成長のカギとしてカスタマーサクセスが注目を集めています。自社にカスタマーサクセス部門を設立し、自社人材を活用した「内製化」を検討中の企業も多いでしょう。
▼カスタマーサクセスの概要から具体的な業務内容については、こちらで解説しています!
→カスタマーサクセスとは?具体的な業務と成功のポイントについて解説
内製化を成功させるには、必ず押さえておくべきポイントがあります。本記事では、「カスタマーサクセス内製化の課題」や「内製化のメリット・デメリット」「内製化に必要なステップ」について解説します。カスタマーサクセス内製化を成功させて、ビジネス成長を目指したい企業の担当者さま、ぜひご覧になってください。
■あわせてよく読まれている資料
→カスタマーサクセス代行会社の比較資料「カスタマーサクセス代行会社比較10選」
目次[非表示]
- 1.カスタマーサクセス内製化の課題
- 2.カスタマーサクセス内製化のメリット
- 2.1.① 業務ノウハウの蓄積と顧客理解の向上
- 2.2.② スムーズな情報連携と製品開発への活用
- 2.3.③ 顧客情報やサービス情報の保護
- 3.カスタマーサクセス内製化のデメリット
- 4.カスタマーサクセス内製化の成功に向けた4つのステップ
- 4.1.ステップ①目標設定と戦略策定
- 4.2.ステップ②組織体制の構築(チーム編成と役割分担)
- 4.3.ステップ③業務プロセスの構築とツール導入、KPIの設定
- 4.4.ステップ④PDCAサイクルを廻し、継続的な評価と改善をおこなう
- 5.内製化を成功させるためには?「外部コンサル活用でノウハウを取り込む」
- 6.カスタマーサクセス内製化はキューアンドエーのコンサルティングサービスにお任せください
カスタマーサクセス内製化の課題
カスタマーサクセスは企業の成長に貢献する取り組みですが、内製化をおこなう際に直面する課題があります。もっとも大きな課題は、「専門的なカスタマーサクセスチームの構築が難しい」という点です。
よくある例として、自社内の「カスタマーサポートチーム」をそのままカスタマーサクセス業務に移行させるケースがありますが、本ケースはなかなか上手くいきません。理由として、カスタマーサポートとカスタマーサクセスでは「役割や業務の内容が大きく異なる」からです。新たにカスタマーサクセス部門を設立する際には、人材採用や教育にコストと時間が掛かる点を考慮する必要があります。
また、カスタマーサクセスには「顧客データの適切な管理と活用」が欠かせません。効果的にデータを活用するには「適切な分析手法やツールの導入」と、データに基づいた施策を実行できる体制が不可欠です。また、情報管理に関する法規制やプライバシー保護を考慮して、データ管理をおこなわなければなりません。カスタマーサクセス内製化に取り組む際は、これらの課題を意識して「適切な戦略とノウハウ」を持って取り組みを進める必要があります。
▼カスタマーサクセス導入ステップと成功ポイントについては、こちらで解説しています!
→何から始めたらいい?カスタマーサクセス導入の4つのステップと立ち上げ成功のポイント
カスタマーサクセス内製化のメリット
カスタマーサクセスを内製化することで、企業にとってさまざまなメリットをもたらします。内製化のメリットは以下の3つです。
① 業務ノウハウの蓄積と顧客理解の向上
自社でカスタマーサクセス業務をおこなうことで、顧客対応やサービス改善に関する知識や経験が自社内に蓄積されます。顧客ニーズや課題に対する理解が深まるため、適切なカスタマーサクセス支援が可能となり、顧客満足度の向上につながります。活動を通じて自社にノウハウを蓄積でき、企業全体の競争力が向上する点がメリットです。
② スムーズな情報連携と製品開発への活用
自社内にカスタマーサクセス部門を設置することで、自社の営業部門や開発部門、マーケティング部門との情報連携がスムーズになります。顧客からのフィードバックを直接受け取ることができるため、製品開発やマーケティング戦略に素早く反映させることが可能です。顧客からのフィードバックをもとにサービスの改善点を迅速に把握し、効果的に品質改善やサービス向上に取り組むことができます。
③ 顧客情報やサービス情報の保護
カスタマーサクセス業務は、顧客の個人情報や商品・サービス情報など、数多くの機密情報を取り扱わなければなりません。外部委託する場合、十分なセキュリティ対策をおこなった上で運用していく必要があります。内製化の場合、機密情報の管理を自社内でおこなうため情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。情報管理に関するポリシーやプロセスを、自社でコントロールできる点が内製化のメリットです。
カスタマーサクセス内製化のデメリット
カスタマーサクセスの内製化はメリットがある一方で、デメリットもあります。内製化のデメリットは以下の3つです。
① 人材採用や育成に「コスト」と「時間」が掛かる
カスタマーサクセスを内製化するには、人件費や設備への投資、研修費用などのコストが発生します。カスタマーサクセスに必要な業務知識や商材知識が不足していると、顧客に対して製品特長やメリットの説明が難しくなり、顧客と信頼関係を構築できません。そのため、メンバーへの事前教育や経験者の採用が必要です。カスタマーサクセス業務を担う人材の採用や育成に、時間と費用が掛かる点に注意しましょう。
② カスタマーサクセス業務の「マニュアル」や「プロセス」の整備が大変
カスタマーサクセスの業務は、顧客対応やアフターサポート、アップセル・クロスセルの提案など業務範囲は多岐に渡ります。組織内で顧客対応の方針やルールを統一し、一貫性のあるサービスを提供するには「明確なマニュアル」や「業務フローの整備」が重要です。マニュアル作成や業務プロセスの整備は負担が大きく、これらの作業をすべて自社でおこなわなければならない点が内製化のデメリットです。
③ 適切なKPI設定と業務改善の取り組みが難しい
カスタマーサクセスを成功させるには、適切なKPI設定と効果測定が欠かせません。設定したKPIをもとにトライ&エラーを繰り返しながら、効果を測定します。測定した数値結果を踏まえて、業務の改善をおこないます。自社のノウハウが乏しい場合、「どのようにKPIを設定したらいいか」「効果をどう測定すればいいか」「改善施策はどのように打てばいいか」など判断が難しいでしょう。これら一連の取り組みが難しい点が、内製化のデメリットです。
▼カスタマーサクセスのKPIについては、こちらで解説しています!
→カスタマーサクセスのKPI設定手順|目標ごとのKPIを解説
カスタマーサクセス内製化の成功に向けた4つのステップ
カスタマーサクセス内製化を成功させるには、適切なステップを踏む必要があります。以下4つのステップに沿って、内製化の取り組みを進めましょう。
ステップ①目標設定と戦略策定
始めにカスタマーサクセスチームが達成すべき目標を明確にし、具体的な数値目標を設定します。目標とは、「顧客満足度の向上」や「継続利用率の増加」「アップセル率の向上」などです。設定した目標に基づいて戦略を策定し、組織全体で戦略の方向性を共有します。
ステップ②組織体制の構築(チーム編成と役割分担)
次に、カスタマーサクセスチームのメンバーを選定して、役割や責任を明確にします。過去のキャリアを踏まえて、それぞれの専門性を活かして役割分担を決めると良いでしょう。
カスタマーサクセスには営業的な視点や活動が必要となるので、営業経験者をチーム内に配置することをおすすめします。また他部署との連携を円滑におこなえるよう、社内のコミュニケーション体制を整備します。各部門がどのような役割を担うのかを明確にし、部門間の連携方法を事前に決めておくことで、情報連携がスムーズになります。
▼カスタマーサクセスと営業の違いや連携がもたらすメリットについて解説しています!
カスタマーサクセスと営業の違いとは?KPIの違いや連携メリットについて解説
ステップ③業務プロセスの構築とツール導入、KPIの設定
続いて、効果的なカスタマーサクセス活動をおこなうために「業務プロセスの構築」と「必要なツールやシステムの導入」をおこないます。ツールやシステムとは、顧客管理システム(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)などです。そして、活動指標となる「KPIを設定」します。カスタマーサクセスチーム内で営業部門とカスタマーサポート部門を設置する場合、営業部門では継続率やアップセル・クロスセル率、カスタマーサポート部門では顧客満足度などがKPIとなり得るでしょう。ツールを使ってKPIを測定できるよう、運用体制を整えます。
▼カスタマーサクセスツールの種類や選び方は、こちらで解説しています!
→【2023年版】カスタマーサクセスツール5選!機能や効果をわかりやすく解説
▼MAツールの選び方やおすすめMAツールを紹介しています!
→マーケティングオートメーションツールおすすめ3選! 選び方から導入の流れまで解説
ステップ④PDCAサイクルを廻し、継続的な評価と改善をおこなう
設定したKPIをもとに、実際にカスタマーサクセス活動に取り組みPDCAサイクルを廻します。顧客からのフィードバックをチーム内で共有し、サービス改善点や顧客ニーズへの迅速な対応を目指します。また、定期的にチームのパフォーマンスを評価し、目標達成に向けて改善を繰り返しながらチームの成長を促します。社内や顧客の状況に応じて、運用方法を改善していくことが重要です。
内製化を成功させるためには?「外部コンサル活用でノウハウを取り込む」
カスタマーサクセスを内製化するには、4つのステップで挙げた「目標設定」や「体制構築」「運用設計」「効果測定」などが上手く進まないと、カスタマーサクセス活動が失敗する可能性が高まります。これらのノウハウが不足しており、活動に不安がある場合、外部のコンサルタントを利用することで失敗の可能性を軽減できます。
外部コンサルタントの利用メリットは、外部コンサルタントが持つ「体制構築ノウハウや運用ノウハウを自社に取り込める」点です。体制の構築や運用設計、改善施策など、もっとも難しい部分を外部コンサルタントに委託することで、カスタマーサクセス内製化をより確実に進めることができます。また自社の人材リソースが不足している場合、委託会社より「人材提供」を請けることも選択肢に入れると良いでしょう。
外部のノウハウを有効活用し、自社リソースと外部リソースを効果的に組み合わせることで、カスタマーサクセス部門の迅速な立ち上げと運用の成功につながります。
カスタマーサクセス内製化はキューアンドエーのコンサルティングサービスにお任せください
カスタマーサクセス内製化を進めることで、自社に運用ノウハウを蓄積でき、長期的な視点で顧客の成功を支援することが可能です。一方で内製化の注意点として、自社で適切な体制構築や運用設計、業務改善の取り組みが求められます。自社のリソースだけに捉われず、外部のノウハウや人材活用も視野に入れて、内製化を成功させましょう。
▼カスタマーサクセスの代行会社をお探しの方は、こちらを参考にしてください!
→【10社比較】2023年最新版カスタマーサクセス代行会社比較10選!失敗しない選び方のポイントを紹介
カスタマーサクセスを内製化して、早期に組織を立ち上げたい場合、キューアンドエーのコンサルティングサービスがおすすめです。キューアンドエーは、カスタマーサクセスに精通したプロフェッショナルが「運用体制の構築」や「業務の設計」「最適なツール選定や改善施策の支援」まで、お客さまを伴走支援します。
▼カスタマーサクセス支援サービス
→キューアンドエーのカスタマーサクセス支援サービスはこちら
▼カスタマーサクセスの事例は下記でもご紹介しています。ぜひご覧ください!
→顧客の成功体験に貢献!カスタマーサクセスに外部企業の知見を取り入れて応対品質を向上(NTTビジネスソリューションズ様)