今日から始める情シス改革:ノンコア業務と業務属人化の短期・中長期の解消法
情報システム(情シス)部門は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の最前線に立ち、企業を成長に導く中核的な存在です。テクノロジーの急速な進化と企業が求めるニーズの多様化に伴い、情シスの業務は日々複雑化しています。
このような環境の中で、情シス部門は「増え続けるノンコア業務」と「業務の属人化」という2つの課題に直面することになっています。この2つの課題が未解決のまま放置されると、企業のDX推進や迅速なビジネス対応が阻害され、企業の競争力低下を招く可能性があります。
そこで本記事では、「ノンコア業務の増加」と「業務の属人化」の課題を解消するための「短期的な解決策」と「中長期的な解決策」を紹介します。本課題の解決に向け、即効性のある解決策や抜本的な改善策をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次[非表示]
- 1.情シス部門を取り巻く「急速な環境変化」と「直面する新たな課題」
- 1.1.① テレワークの全面普及と情シスの新たな役割
- 1.2.② 技術サポートの終了と影響の拡大
- 1.3.③ 「2025年の崖」に伴うレガシーシステムの対応
- 1.4.④ 情シスの「ノンコア業務」と「業務属人化」が引き起こす企業リスク
- 1.5.⑤ 主要業務の遅れや担当者の離職
- 1.6.⑥ 業務属人化によるノウハウの消失
- 1.7.⑦ DX推進の障害
- 2.「ノンコア業務」と「業務属人化」の解消に向けた短期・中長期の解決策
- 3.短期的な解決策:アウトソーシングの活用
- 3.1.① ノンコア業務の効率化
- 3.2.② 業務属人化の解消
- 3.3.③ 効果的なコスト管理と業務の最適化
- 4.中期的な解決策:RPA・チャットボットの活用とクロストレーニングの推進
- 4.1.① RPAとチャットボットの導入
- 4.2.② クロストレーニングの推進
- 5.長期的な解決策:業務の洗い出し・標準化・再設計の3つのステップ
- 5.1.ステップ①:業務の洗い出し
- 5.2.ステップ②:標準化とマニュアル作成
- 5.3.ステップ③:業務プロセスの再設計
- 6.アウトソーシングの活用で「ノンコア業務」と「業務属人化」の問題を解消しよう
情シス部門を取り巻く「急速な環境変化」と「直面する新たな課題」
近年、企業を取り巻くビジネス環境は、これまでに前例のないスピードで変化しています。この変動の中心に立つ情シス部門は、「企業の成長」と「変革の推進」を担う重要な役割を果たしてきました。その背後で、情シス部門が直面するさまざまな課題と環境変化が存在します。昨今の情シス部門を取り巻く状況は、以下の通りです。
① テレワークの全面普及と情シスの新たな役割
新型コロナウイルスの影響で、2020年に企業の業務環境が劇的に変化しました。テレワークの急激な普及に伴い、情シス部門は「リモートワーク環境の構築」と「安全なセキュリティ確保」の重要な役割を担うことになります。このテレワークのトレンドは今後も継続すると予想されるため、情シス部門は「リモートワーク環境の維持・更新」を継続的におこなう必要があります。
② 技術サポートの終了と影響の拡大
2020年をもって、多くの企業で利用されていた「Windows 7のサポート」が終了しました。本終了に伴い「OSの移行」や「システムの大規模な更新」が急務となっています。さらに近い将来、「IEのサポート」も終了予定です。情シス部門はこれらの技術サポート終了に対応しながら、新技術への移行を迅速に進めなければなりません。
③ 「2025年の崖」に伴うレガシーシステムの対応
近年の情シス業務の主要ミッションとなるのが、「2025年の崖」の問題に伴う「レガシーシステム」の対応です。経済産業省が指摘するこの問題は、DXを推進するすべての企業が避けて通れません。2025年が間近に迫る中で、「レガシーシステムからの脱却」と「新しい技術への移行」が情シス部門の大きな負担となっています。
④ 情シスの「ノンコア業務」と「業務属人化」が引き起こす企業リスク
昨今の技術的な変化と要求の中で、情シス部門は更なる負担と課題に直面しています。特に多くの企業が抱える「ノンコア業務の増加」と「業務属人化」の問題は、企業全体に大きなリスクをもたらします。この2つの問題で、企業が抱えるリスクは以下の通りです。
⑤ 主要業務の遅れや担当者の離職
「ノンコア業務」とは、企業の主要業務から離れた補助的な業務を指します。ノンコア業務に多くのリソースを割かれることで、情シス部門は本来注力すべき業務が遂行できません。結果として、企業全体の生産性や業務効率が低下していきます。
⑥ 業務属人化によるノウハウの消失
業務の属人化は、一部の担当者に業務やノウハウが集中し、その担当者が退職や異動の際に「情報や経験が失われるリスク」を含んでいます。業務属人化の問題は、企業の業務効率やサービス品質に直接影響し、組織全体にダメージを与える危険があります。
⑦ DX推進の障害
ノンコア業務の増加や業務の属人化によって、情シス部門が効果的に機能しなくなると、「DX推進の遅延」や「企業全体の競争力の低下」を招きます。市場での競争力を維持し続けるためにも、この2つの問題を迅速に改善しなければなりません。
■企業DX推進の鍵を握る情シスの役割については、こちらで解説しています!
→コロナ禍のDX推進で情シスは多忙?情シスの働き方の課題と解決方法について解説
「ノンコア業務」と「業務属人化」の解消に向けた短期・中長期の解決策
情シス部門が抱える「ノンコア業務の増加」と「業務属人化」を解決するには、複数の取り組みを進めることが重要です。以下に即効性のある短期的な解決策と、中長期で計画的に取り組む解決策を紹介します。
短期的な解決策:アウトソーシングの活用
もっとも即効性のある解決策は、アウトソーシングの活用です。アウトソーシングには以下のメリットがあります。
① ノンコア業務の効率化
ノンコア業務の増加は、情シス部門のリソースを分散させ、主要業務に集中できなくなります。これらの補助的な業務を外部の専門家に委託することで、内部リソースを主要業務に集中し、より価値のある業務遂行が可能です。アウトソーシングの活用により、DXを始めとするコア業務を推進できるでしょう。
■「情シスが抱える課題」と「内製化すべきコア業務」「アウトソーシングすべきノンコア業務」については、こちらで解説しています
→【情シス部門必見】情シスが内製化すべきコア業務とアウトソーシングすべきノンコア業務とは
② 業務属人化の解消
アウトソーシングを利用することで、業務知識やスキル・ノウハウを外部の専門家と共有し、業務属人化の解消が可能です。特定の担当者の退職や異動によって起こる、「ノウハウの消失」や「業務進行の停滞」リスクを未然に防げます。業務の継続性を保つことができ、企業の持続的な成長につながるでしょう。
③ 効果的なコスト管理と業務の最適化
アウトソーシングの活用は、企業の「固定費削減」に役立ちます。自社業務に合わせて、必要な分だけ外部サービスを利用することで、社内の運営コストを大きく削減できます。市場の変動に対して柔軟にリソースを調整でき、効果的なコスト管理が可能です。コストの効率化を図りつつ、経営の安定性をもたらす点がアウトソーシングのメリットです。
■情シスの「IT人材不足の原因」と「人材不足によって起きる課題」については、こちらで解説しています!
→情シス人材不足が深刻化。情シス業務の人材不足の解決策にアウトソーシングを活用しよう
中期的な解決策:RPA・チャットボットの活用とクロストレーニングの推進
中期的に「ノンコア業務の改善」と「属人化の解消」に取り組む場合、ツールの導入や社内のスキル共有を進めるのが良いでしょう。業務改善に役立つ取り組みとして、以下の2つがおすすめです。
① RPAとチャットボットの導入
情シス業務にRPAを活用することで、定型的で繰り返しの多い業務を自動化できます。人間の作業によるエラーが減少し、生産性が向上します。さらにチャットボットを利用することで、問い合わせ対応を迅速かつ正確に実施できます。これらツールを導入することで、顧客満足度の向上とオペレーションコストを削減できるでしょう。
② クロストレーニングの推進
情シス担当者が持つスキルやノウハウを、部門内で共有する「クロストレーニング」の取り組みが有効です。メンバー間のスキルや知識の共有が進み、一人ひとりが多様な業務に対応できるようになります。クロストレーニングを推進することで、属人化が解消され、組織の柔軟性やレジリエンス(回復力・耐久力)が向上できるでしょう。
長期的な解決策:業務の洗い出し・標準化・再設計の3つのステップ
情シス部門の業務を根本的に改善したい場合、「業務の標準化と再設計」が有効です。取り組む順番として、「①業務の洗い出し」「②標準化」「③再設計」の3つのステップを踏むと良いでしょう。進め方は以下の通りです。
ステップ①:業務の洗い出し
まず業務内容、頻度、担当者、必要なスキル、難易度等をすべて明確にします。詳細な業務の洗い出しにより、どの業務がもっとも効果的に改善できるかを判断できます。
ステップ②:標準化とマニュアル作成
洗い出した情報に基づき、業務手順を標準化し、全社員が利用可能なマニュアルを作成します。マニュアルを作成することで、新メンバーのトレーニング時間が大幅に短縮され、業務に一貫性を保つことが可能です
ステップ③:業務プロセスの再設計
標準化した手順をもとに、業務の無駄を削減・統合し、情シス部門の役割や負荷を最適化します。業務プロセスの見直しと再設計をおこなうことで、業務の効率化と品質向上が実現できます。これらの取り組みで生産性が高まり、企業の競争力を強化できるでしょう。
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アウトソーシングの活用で「ノンコア業務」と「業務属人化」の問題を解消しよう
情シス部門は、企業の業務効率化と生産性向上に不可欠な部門であり、現代ビジネスの成功の鍵を握っています。多くの企業が抱える「ノンコア業務の増加」や「業務属人化」の問題は、企業全体の生産性に大きな影響を与えることになります。
本記事ではこの2つの課題解決に向け、即効性のある解決策から、根本的な改善に向けた中長期的なアプローチ方法を紹介しました。紹介内容をもとに、自社に適した取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。もっとも即効性のある「アウトソーシングの活用」を検討する場合、キューアンドエーのまるごと情シスBPOサービスがおすすめです。
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