セールスイネーブルメントで活用するセールスコンテンツの種類とは?作成方法やポイントを伝授

営業組織改革や強化のための取り組みとして、セールスイネーブルメントが注目されています。amptalk株式会社がおこなった「大企業におけるセールスイネーブルメントの浸透とアフターコロナの営業スタイルに関する調査」によると、セールスイネーブルメントの認知度はコロナ禍以降の2021年から急激に伸び、セールスイネーブルメントを知っていると答えた回答者は2022年調査で37.3%、2023年調査では50.7%となりました。この結果より多くの企業がセールスイネーブルメントへの取り組みを検討していることが分かります。
 
セールスイネーブルメントに取り組むためには、営業スキルの向上、顧客との効果的な商談実施を目的としたコンテンツが必要です。「セールスイネーブルメントの取り組みに必要なコンテンツが分からない」「コンテンツの作成方法が分からない」といった課題から、セールスイネーブルメントに取り組めない企業や組織もあるかもしれません。

今回の記事では、セールスイネーブルメントのセールスコンテンツの種類や作成方法、作成のポイントについて解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.セールスイネーブルメントとは
  2. 2.セールスイネーブルメントのために必要なコンテンツ
    1. 2.1.セールスコンテンツ
    2. 2.2.営業支援システム(販売資産管理システム)
  3. 3.セールスコンテンツとは
    1. 3.1.セールスコンテンツとマーケティングコンテンツの違い
    2. 3.2.セールスコンテンツの重要性
    3. 3.3.セールスコンテンツの種類
  4. 4.セールスコンテンツを作成する方法やポイント
    1. 4.1.① 常に最新の情報にする
    2. 4.2.② 営業部門の声を活用する
    3. 4.3.③ 定期的な見直しをする
    4. 4.4.④ 社内の情報・ナレッジの連携
  5. 5.まとめ:セールスイネーブルメントを実現するための手法
    1. 5.1.経験豊富な推進者を採用する
    2. 5.2.外部のコンサルタントに依頼する

セールスイネーブルメントとは

セールスイネーブルメントとは、営業活動において中長期的かつ継続的に成果を挙げることを目的とした、営業組織の強化や改善ための総括的な取り組みのことです。セールスイネーブルメントの取り組みにより、営業担当者の知識やスキルを向上させ、営業活動の効率化や売上の向上などのメリットが得られます。


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セールスイネーブルメントのために必要なコンテンツ

営業スキルや知識向上のためのトレーニングや顧客への効果的な商談の実施など、セールスイネーブルメントでの取り組みではさまざまなコンテンツが用いられます。セールスイネーブルメントのために必要となるコンテンツを順に紹介します。


セールスコンテンツ

セールスコンテンツとは、商談において顧客へ資料として提示したり有益な情報として提供するもので、営業活動やセールスプロセスをサポートするためのコンテンツです。セールスコンテンツを作成することで、顧客のニーズや課題に適した提案につながり、成約率の向上が期待できます。
 
商材やサービスに対して顧客から寄せられた意見や声を元に作成します。セールスコンテンツには多くの種類があり、セールスイネーブルメントによる効果を出すためには、営業活動の目的やセールスプロセスに合うものを選び活用することが重要です。セールスコンテンツの種類や作成方法、作成のポイントについては後ほど詳しく解説します。


営業支援システム(販売資産管理システム)

営業支援システムとは、営業担当者や営業部門が適切なコンテンツ(販売資産)を適切なタイミングで見つけ、利用できるように設計されたソフトウェア・プラットフォームのことです。営業支援システムを導入することで、セールスコンテンツの蓄積や検索、必要に応じた取り出しなどの管理が効率化するメリットがあります。
 
営業支援システムには、コンテンツを整理するための機能や検索機能、またコンテンツ自体を評価するレポーティング機能、カスタマイズ機能などが搭載されています。セールスイネーブルメントの取り組み時はこれらの機能を活用し、営業担当者やマーケティング部門が作成したコンテンツの蓄積や、効果的なコンテンツが何かなどを分析などに役立てます。


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セールスコンテンツとは

セールスイネーブルメントの取り組みでは、営業活動やセールスプロセスのサポートのためにセールスコンテンツが用いられます。セールスコンテンツとマーケティングコンテンツとの違いやセールスコンテンツの重要性、種類を順に解説します。

セールスコンテンツとマーケティングコンテンツの違い

セールスコンテンツとマーケティングコンテンツは、コンテンツを提供する対象が異なります。セールスコンテンツの提供先は主には顧客全般であり、購買意欲の有無にかかわらず全顧客へのアプローチをおこなうために作成するものです。
 
一方で、マーケティングコンテンツは、興味関心や購買意欲のある層や顧客などに対象を限定したアプローチをおこなうために作成するコンテンツです。


セールスコンテンツの重要性

近年、IT技術やインターネットの発展、コロナ禍などの影響でオンライン商談の機会が増えました。オンライン商談時では、パソコン画面などで情報の確認をおこなうことから、オフラインで活用されやすい紙や現品を見せておこなう商談時よりも情報の読み取りが困難という特徴があります。そのため、オンライン商談時には、顧客に情報を明確に提示する工夫が必要です。
 
非対面で顧客のニーズを発掘したり、よりわかりやすく明確な情報を提示し、顧客へピンポイントで商材をアピールする必要性が増し、その役割としてセールスコンテンツが重要視されるようになりました。


セールスコンテンツの種類

セールスイネーブルメントで活用するセールスコンテンツには、複数あります。参考となるセールスコンテンツの種類と活用方法を以下に挙げます。


コンテンツの種類

活用方法

カタログ

商品やサービスの営業

セールスシート

商品やサービスの営業

企画書

営業トレーニングのコンテンツ

成功事例

特定の顧客への商品やサービスの営業

営業担当者のトーク内容

営業トレーニングのコンテンツ

ホワイトペーパー

特定の顧客への商品やサービスの営業

FAQ

商品やサービスの営業

ウェビナー

特定の顧客への商品やサービスの営業

ハウツー記事

商品やサービスの営業

ブログ記事

商品やサービスの営業


セールスコンテンツを作成する際は、上記を参考に、目的に応じたコンテンツを選んで作成しましょう。また、コンテンツによってターゲットとなる顧客も異なるため、ターゲットに合うコンテンツを作成することも重要です。

たとえば商品やサービスの営業を目的にしたものでも、カタログやセールスシートのように顧客全体を対象としたものから、成功事例のように特定の顧客をターゲットにしたものもあります。自社の商談や営業活動に見合ったもので目的に沿うコンテンツ作成を進めましょう。


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セールスコンテンツを作成する方法やポイント

セールスコンテンツは、営業担当者が得た顧客からの意見や声などを参考に作成します。次に、具体的なセールスコンテンツを制作する方法やポイントを順に解説します。



① 常に最新の情報にする

自社で既に作成済みのセールスコンテンツの中で作成後年数が経っているものがあれば、見直しをしましょう。まず、営業担当者がヒアリングにより得た顧客からの質問や問題点、最新の社内資料などからの情報を元にコンテンツを精査します。それによって情報が古い、情報が足りないなど従来のコンテンツの隠れていた課題が発見されることがあります。
 
課題を発見することで、商談がうまくいかない原因が把握でき、成約率の向上につながります。また、コンテンツの見直しをおこなわないと、顧客に古い情報を提供してしまうなどで不信感が出たり、商材の効果的なアピールができなかったりする可能性があります。必要に応じて足りない情報やコンテンツの追加、不必要な情報の削除や変更をおこない、より有益なコンテンツへの作り直しをおこないましょう。


② 営業部門の声を活用する

セールスコンテンツ作成の重要なポイントが、営業部門からの声を活用することです。たとえば顧客の興味のある分野の情報や、業界別の担当者への効果的なアプローチ方法など、現場の声を取り入れることで、営業活動の効果を上げるための具体的な情報やコンテンツの把握につながります。
 
営業部門からの声を取り入れる上で注意すべきポイントが、マーケティング部門と営業部門の連携です。マーケティング部門と営業部門で綿密に連絡を取ったり、情報を共有したりなどの連携をおこなうことでそれぞれの活動内容の理解や把握につながるため、共通のコンテンツを元に効果的な営業活動が実現できます。
 
一般的には、コンテンツ作成はマーケティング部門の役割と考えられがちですが、セールスコンテンツは営業担当者に作成を依頼してみるのも良いでしょう。顧客の課題に寄り添ったコンテンツ作成につながるだけでなく、セールスコンテンツ作成に対する営業部門の意識を高めることにもつながり、より良いコンテンツが創出しやすくなります。


③ 定期的な見直しをする

セールスコンテンツを作成した後は、定期的に見直しをおこないましょう。時間の経過や社会情勢の変化に伴い、セールスコンテンツの内容が市場にそぐわないことがあり、間違った情報を顧客に提供する危険性があるためです。また、新しい商材を販売するときにも、商材の特徴や仕様、活用方法が異なるため従来の商材と同じセールスコンテンツでは効果が得られません。新しい商材に対する顧客の意見や現場の声などを導入し、効果的な営業活動につながるコンテンツへ見直しをおこないましょう。
 
商談獲得率や成約率、継続率などのKPIからセールスコンテンツでの営業成果を分析した上で、必要に応じた改善や見直しも重要です。セールスコンテンツに期待される成果が出せていない場合は、営業担当者のコンテンツの使用方法や使用シーン、アプローチ方法を確認し、改善点の洗い出しをしてみましょう。たとえばセールスコンテンツの活用頻度が営業担当者毎に異なる場合、営業部門全体で同じ頻度やシーンで活用ができるようにする仕組み作りなどが必要になります。何が問題点なのかを洗い出し、問題に対する必要な対策をおこなうことで、セールスコンテンツの効果をより向上させることができるでしょう。


④ 社内の情報・ナレッジの連携

セールスコンテンツの作成部門が営業部門かマーケティング部門かによって、作成のポイントが異なります
 
営業部門がセールスコンテンツを作成する場合は、まず営業活動における課題を軸にテーマを決めます。資料や他の営業担当者からの声など、コンテンツ作成に必要なものをあらかじめ準備しておきましょう。また作成時は、普段の業務とコンテンツ作成を両立できるようにするために、定期的な作成時間を設けて作成しましょう。たとえば1ヶ月に1回コンテンツ作成の時間を業務時間内に設けるなどです。コンテンツ作成が通常業務の負担や営業活動の時間の圧迫とならないようにしましょう。
 
マーケティング部門がセールスコンテンツを作成する場合は、営業課題の聞き込みをおこない、顧客のニーズや課題を踏まえてコンテンツのテーマを決めます。定期的にコンテンツ作成をおこなう場合は、営業担当者とのヒアリングの場を定期的に設けてみるのも良いでしょう。社内資料に含まれる情報を取り入れることでより有益なセールスコンテンツの作成につながります。


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まとめ:セールスイネーブルメントを実現するための手法

セールスイネーブルメントを実現するには、セールスコンテンツの作成以外にも準備事項が多数あります。これからセールスイネーブルメントを実現するのに有効な手法を紹介します。


経験豊富な推進者を採用する

セールスイネーブルメントの実現には、経験豊富な推進者を採用するのも有効な手段のひとつです。セールスイネーブルメントの経験者を採用することで、専門的なスキルが必要な組織構築や運用の仕組み化などスムーズに進められる可能性が高まります。
 
セールスイネーブルメントの立ち上げには、前述のセールスコンテンツの作成をはじめ、新しいツールの導入や業務内容の共有、KPIの設定や評価精度の整備、ノウハウの共有など実行内容が複数です。さらに、セールスイネーブルメントの理解や周知を促すための研修も必要です。セールスイネーブルメントのノウハウを持つ経験者を採用すれば、立ち上げに必要な手順や方法を踏まえているため、スムーズな立ち上げや研修の実施につながるでしょう。                           


外部のコンサルタントに依頼する

社内でセールスイネーブルメント構築が難しい場合、またはセールスイネーブルメント経験者が見つからず採用に至らない場合は、外部のコンサルタントに依頼する方法があります。たとえばキューアンドエーでは、セールスイネーブルメント導入サポートも含めた、各種営業DX支援サービスをご提供しております。セールスイネーブルメントの仕組みづくりのためのSFAMAツールを導入したデジタル基盤の構築などの支援サービスをご用意しました。将来的にセールスイネーブルメントを内製化したいときの支援も可能です。ぜひお気軽にご相談ください




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キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
複数のコンタクトセンター責任者を経て、キューアンドエーに2018年中途入社。 ICT(「情報通信技術」)に特化したコンタクトセンターとオンサイトサポートをメインに、大手クライアントのインサイドセールスプロジェクト責任者としてデジタル基盤から体制までを一から立ち上げる。 中期計画にて自社事業、提供サービスの展望を望み、 セールス領域で他企業と差別化できるデジタルマーケティング、 インサイドセールス確立を見据えプロジェクトを推進している。