情報システム部門の業務効率化:直面する課題と具体的な解決方法を紹介【情シス必見】
情報システム部門(情シス)は企業のデジタル基盤を維持し、社員をサポートする極めて重要な組織です。ところが多くの企業の情シスは「非効率な業務の対応」に追われ、慢性的な業務過多に陥っています。情シスの効率的な運営は企業の成長に欠かせない要素で、最優先で取り組むべき課題です。
本記事では、「情シスが直面する課題」と「解決するための具体的な方法」を掘り下げて紹介します。情シス業務の改善に向けて、解決策をお探しの方はぜひ最後までご一読ください。
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目次[非表示]
- 1.情シス業務が非効率になってしまう5つの原因
- 1.1.① ひとり情シスや複数業務の並行運営
- 1.2.② 情シスが多様な業務を一手に引き受ける現状
- 1.3.③ 業界全体の慢性的な人材不足・スキル不足
- 1.4.④ 緊急の問い合わせに迅速な対応が求められる
- 1.5.⑤ 簡単に解決できる問題の問い合わせが多い
- 2.情シス業務を効率化させる6つの方法
- 2.1.① マニュアルと社内FAQの強化
- 2.2.② 定期的な業務の見直し
- 2.3.③ トラブル対応の手引きの共有
- 2.4.④ チャットボットの導入:効果的なヘルプデスクの支援
- 2.5.⑤ 定型業務の効率化:標準化とRPAの活用
- 2.6.⑥ アウトソーシングの活用:情シスの効率的な運営を支援
- 3.情シス業務をアウトソーシングして、業務効率化を実現しよう!
情シス業務が非効率になってしまう5つの原因
近年、ビジネスのIT化が進む中で、情シスの役割や重要性が増しています。その一方で、さまざまな理由によって「情シス業務が非効率な状態」に陥っている企業は少なくありません。原因として、以下5つの理由が挙げられます。
① ひとり情シスや複数業務の並行運営
「ひとり情シス」とは、情シスの業務を1〜3名の少人数で運営する現象のことです。ひとり情シスの問題は中小企業を中心に顕在化しており、多くの情シス担当者が「複数業務の兼任」を余儀なくされています。
情シス担当者が少数の場合、1人が抱える業務量が増え、結果として「早期離職」の問題につながることも少なくありません。新たな人材の採用後も業務量が変わらず、一向に業務効率が上がらないのです。この悪循環を断ち切るためにも、情シスの効率化に取り組む必要があります。
② 情シスが多様な業務を一手に引き受ける現状
多くの企業で、情シスがさまざまな業務を引き受けるシチュエーションが見受けられます。特に、情シスが総務部等の下位に位置する場合、情シス専門の業務だけでなく「本来は自部署や他部署がおこなうべき業務」がたびたび持ち込まれることもあるでしょう。
情シス業務は成果が可視化しにくいため、経営層や他部門が「情シス業務の実態」や「負荷状況」を正しく把握できてないケースが多々あります。その結果、情シスがおこなうべき本来の役割が埋もれてしまい、次々と雑務が舞いこみ業務増加につながっているのです。
③ 業界全体の慢性的な人材不足・スキル不足
情シスの業務は高度なITスキルを必要としますが、対応できるIT人材が慢性的に不足しています。2022年に経済産業省が公表した報告によれば、IT人材の不足は約35万人に達し、2030年には59万人に増加すると予測が出ています。
さらに情シスの業務は、基幹システムの運用からDX推進、RPA移行など高度化する一方です。これらに対応できる専門性の高いIT人材は、高報酬を求める「売り手市場」になっており、優秀な人材獲得が難しい状況が続いてます。人材不足やスキル不足によって、既存業務の対応で手一杯となり、業務効率化が進まない要因となっています。
■情シスの「IT人材不足の原因」と「人材不足によって起きる課題」については、こちらで解説しています!
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④ 緊急の問い合わせに迅速な対応が求められる
情シスは計画的に業務を進めていても、突然のシステムトラブルに頭を悩ませることが多い部門です。単一のトラブルは迅速に対処可能ですが、複数のトラブルが同時に発生した場合、効果的な対応は難しいものです。また、トラブル対応が「自社ビジネス」や「顧客満足度」に影響を及ぼす可能性もあり、慎重かつ迅速な対応が求められます。
トラブル時の対応がうまくいかないと、「情シス担当者の能力不足」と判断されてしまうこともあり、情シス業務の環境改善につながりにくい問題も潜んでいます。
⑤ 簡単に解決できる問題の問い合わせが多い
情シスに対する問い合わせの中には、「自力で解決可能なもの」が数多く含まれています。情シスの本来の役割は、高度な技術的なサポートや複雑な問題の解決ですが、情シスがITの専門家として「何でも解決してくれる」という風潮が強いです。自身で解決可能な簡単な問題でも問合せを受けるケースが多く、情シスの非効率な業務の一因となっています。
情シス業務を効率化させる6つの方法
IT業界全体の人材不足が叫ばれる中で、情シス担当者の離職や退職を防ぐためにも業務効率化は最優先で取り組むべき事項です。危機的な状況を解決するため、情シス業務を効率化する6つの方法を紹介します。
① マニュアルと社内FAQの強化
情シス業務の中で「ヘルプデスクへの問合せ対応」に多くのリソースを割いている企業は多いでしょう。この業務を効率化する手段として、社内マニュアルとFAQの整備が重要です。マニュアルを整備することで、社員が自らの手で問題解決する能力を向上させ、情シスへの依存度を減らすことができます。
しかし、単にマニュアルを作成するだけでは十分ではありません。社員が簡単に情報を見つけられる場所に配置し、さまざまな場所からアクセスできるようクラウドサービスや共有ストレージを活用しましょう。
■FAQを整備し社内ヘルプデスク対応を効率化した事例は、こちらで紹介しています!
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② 定期的な業務の見直し
情シス業務を効率化するには、定期的な業務の棚卸しが重要です。その際、「本当にこの業務は情シスがおこなうべきものなのか?」という視点での検討が必要です。本視点を持つことで、他部署への業務移管や改善点を発見でき、情シス業務の効率化につながります。
■「情シスが抱える課題」と「内製化すべきコア業務」「アウトソーシングすべきノンコア業務」については、こちらで解説しています
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③ トラブル対応の手引きの共有
ITトラブル対応の手引きを整備し、全社員と共有することが情シス業務効率化のポイントです。初歩的なトラブルの自己解決を促すことで、情シスへの問い合わせを減らすことができるでしょう。トラブル対応の手引きを最大限活用するには、以下の点を意識してみてください。
- 内容を明確にし、全てのスタッフが容易に理解できること
- イラストや図表を活用し、情報の伝達効果を最大化すること
- 情報を常に最新の状態に保つこと
- マニュアルの置き場所やアクセス方法を社内全体で共有し、利用の障壁を低くすること
④ チャットボットの導入:効果的なヘルプデスクの支援
社内ヘルプデスク業務の負担を軽減したい場合、チャットボットの活用が有効です。チャットボットはユーザーからの質問に対して、自動的に回答を提供するシステムです。社内FAQや他のデータベースと連携させれば、より効果を発揮します。また、AI搭載のチャットボットは自身で学習をおこなうため、AIを使いこなすことで精度の高い回答をユーザーに提供できます。
⑤ 定型業務の効率化:標準化とRPAの活用
近年は人手による定型業務が、徐々に効率化されつつあります。定型業務の流れや内容を標準化することで、効率的な情シス運営が可能です。さらに、この標準化された業務をRPA(Robotic Process Automation)で自動化することで、情シス社員の負担を著しく軽減できます。
情シス業務のRPA活用方法として、「障害検知」や「システム設定作業」「レポーティング」などの分野で利用するのが良いでしょう。これらの作業でRPAを活用することで、従来の人手の作業と比べて生産性を大きく向上できます。さらに、データ入力や集計作業にRPAを適用することで、作業時間の短縮やヒューマンエラーの減少が見込めます。
⑥ アウトソーシングの活用:情シスの効率的な運営を支援
情シス業務の効率化を素早く実現したい場合、アウトソーシングの活用が有効です。情シスの保守やヘルプデスク業務をアウトソーシングすることで、人員不足やスキル不足の問題を解決できます。
外部の専門家にルーティン作業を委託し、社内のリソースはコア業務に集中。本体制を構築することで、情シス部門の負担を軽減し、合理的かつバランス良く効果的な運営が期待できます。情シス社員の労力とコストを抑えて、情シス業務の効率化を実現できる点がアウトソーシングのメリットです。
■情シスの代行会社を探している方は、こちらを参考にしてください!
→【2023年版】情シスの業務はアウトソーシングが可能?各社サービス比較3選!委託先の選び方をわかりやすく解説
情シス業務をアウトソーシングして、業務効率化を実現しよう!
多くの企業の情シスの現場では、ひとり情シスの問題や人材不足に伴う業務過多の課題を抱えています。また、経営層や他部署からの「情シス業務の重要性の認識不足」に悩まされていることでしょう。今の状態のままでは、先進的なシステムの運営やセキュリティ対策などの重要な業務について、十分な時間を割いて遂行するのは難しいといえます。
非効率な情シス業務を改善するには、マニュアルや社内FAQの整備、業務の見直しやアウトソーシングの活用など、負担を軽減する仕組みを構築することが不可欠です。
業務効率化を実現する手段の中で、最も即効性が高いのがアウトソーシングの活用です。情シス業務のアウトソーシングは「部分的なスモールスタート」が可能なため、取り組みやすいのが特徴です。自社の情シス担当者が不得意な分野を任せたり、専門化のアドバイスが欲しい分野を依頼したり、自社の弱みを補完する部分から始めるのが良いでしょう。
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