インサイドセールスとテレアポの違いは?運用方法と成功させるポイントについても解説
インサイドセールスやカスタマーサクセスといった営業手法を耳にしたことがあるのではないでしょうか?社内から電話やメールで顧客にアプローチするという点において、インサイドセールスはテレアポと混同されることが少なくありません。この記事ではインサイドセールスとテレアポの違いやインサイドセールスの運用を成功させるポイントを解説します。
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目次[非表示]
- 1.インサイドセールスとは
- 2.インサイドセールス≠テレアポ
- 2.1.目的
- 2.2.成果指標
- 2.3.成果を得るまでの時間
- 2.4.他部署との連携
- 2.5.アプローチ対象
- 3.インサイドセールスの導入を成功させるポイント
- 3.1.① クイックレスポンス
- 3.2.② 顧客情報の蓄積と更新
- 3.3.③ 商談化数以外の KPI の設定
- 3.4.④ 他部門と連携の流れを決める
- 3.5.⑤ 顧客の状況に応じた情報を提供
- 3.6.⑥ セグメンテーションとデータクレンジング
- 4.まとめ
インサイドセールスとは
インサイドセールスは社内(インサイド)で営業活動をおこなう手法や役割のことを言います。電話やEメール、ダイレクトメールなどを用いて顧客にアプローチをしていきます。購入をまだ考えていない顧客に対してコミュニケーションをおこない、購入する必要性やメリットなどを伝え、需要を高めていきます。なお、会社によってインサイドセールスが担う営業活動が変わるため、ビデオ会議による商談までインサイドセールスでおこなう場合があります。
例えば、マーケティング部門が獲得した見込み客へ状況のヒアリングをおこなって、成約確度の高い顧客になるようにしていきます。その他にもお役立ち情報を提供することで、顧客にとっての自分ごと化を促します。
インサイドセールス≠テレアポ
内勤で顧客と接点を持つことにおいては共通点があるインサイドセールスとテレアポですが、同じものではありません。インサイドセールスがテレアポを業務の中でおこなうことはあるものの、目的や成果の指標などが異なります。ここではインサイドセールスとテレアポの違いを解説します。
テレアポ |
インサイドセールス |
|
目的 |
アポイント獲得 |
見込み客の育成 |
成果指標 |
アポイント獲得件数
アポイント獲得率
|
潜在ニーズの掘り起こし
課題のヒアリング
|
成果を得るまでの時間 |
短期 |
長期 |
他部署との連携 |
フィールドセールス |
マーケティング
フィールドセールス
|
アプローチ対象 |
リストなどの対象者 |
見込み客 |
目的
テレアポとの違いの中でも特に大きな違いは目的です。テレアポはアポの獲得が目的であり、何件取れたかを重視します。一方でインサイドセールスは、見込み客の育成が目的です。
いかに見込み客の育成をして、質の良い状態の見込み客をフィールドセールスの商談に繋げられるかがインサイドセールスの役割になります。
成果指標
テレアポはアポの獲得件数や獲得率など具体的でわかりやすい指標が使われます。一方で、インサイドセールスはアポ獲得数も指標の一つではあるものの、受注数やメール開封率など見込み度合いの変化や、顧客のニーズや課題を聞き出せたか、解決策を提示できたかなどの長期的な指標を使うことが多いです。
成果を得るまでの時間
テレアポは架電リストに対して電話をかけて、リストの中で何件アポが取れたのかで成果の具合が明らかになります。そのため、テレアポは短期的なものです。インサイドセールスの場合は、リストとして顧客情報が得られてから、半年後や1年後に課題の顕在化をする見込み客がいるため、長期での信頼関係構築が必要になります。
他部署との連携
テレアポはアポが獲得できた際には商談を担当するフィールドセールスとやり取りがありますが、それ以外には特にありません。しかし、インサイドセールスの場合は、他部署との連携が必須です。
マーケティング部門からは見込み客の獲得はどのような接点で生まれたのか、フィールドセールスへは顧客が現在どのような課題があるかなどの連携をおこないます。また、フィールドセールスの商談後のフィードバックも連携の一部です。
最初はコミュニケーションにリソースを割く必要がありますが、連携する仕組みが出来上がれば、徐々にコミュニケーションコストは下がり、成果が出やすくなっていきます。
アプローチ対象
インサイドセールスは見込み客に対して、何度もアプローチして、興味度合いを探ります。最初は興味がないような場合でも、長期に渡って育成をしていきます。なお、テレアポの場合は一度電話をして興味がない場合には再度連絡することはありません。
インサイドセールスの導入を成功させるポイント
次にインサイドセールスを導入して成功させるためのポイントを解説します。
① クイックレスポンス
問い合わせや相談への返答が早いとそれだけで信頼感の形成に繋がります。シチズン社の調査「ビジネスパーソンの 「待ち時間」 意識」によると、相手の携帯電話にメールを送信してから返信があるまでに1時間超時間が空いてしまうと半数以上がイライラしてしまうという結果になっています。
相手が企業の担当者である場合は、個人同士よりも猶予はあるものの、遅くても1日以内には返信することが望ましいです。
② 顧客情報の蓄積と更新
インサイドセールスで顧客の育成を進めていく上では、顧客の情報が重要になります。会社名や規模などの属性、課題や使用しているツール、これまで顧客と接した接点の情報など必要になる情報は多岐にわたります。
これらの情報を常に蓄積して、管理していくことで最適な提案やコミュニケーションに繋がります。
また、電話をかけてみると、以前までと担当者が変わっていたり、社名が変わっていたりと顧客側に変化があることがあります。課題も部署や決済者、担当者が変われば変化するため、できるだけリアルタイムに更新することが望ましいです。
③ 商談化数以外の KPI の設定
テレアポとインサイドセールスの違いを理解しているにも関わらず、インサイドセールスのKPIをアポ獲得件数や架電数、商談数にしてしまう場合があります。これがインサイドセールスの失敗に繋がる要素の一つです。
行動に対するKPIを設定すると、KPIの達成のために、質の低い見込み客に対してもアポを取りに行くようになってしまい、フィールドセールスが商談したときにはまだ検討フェーズではなく、時間が無駄になってしまうことになります。また、見込み度合いが低い状態でアポを取りに行くと、迷惑電話となってしまい、会社の評判を落とすことになってしまいます。
行動ではなく、育成度合いを測る指標としては以下のような指標があります。
● 商談化数、商談化率
● 受注数、受注率
● メール開封数、メール開封率
▼インサイドセールスのKPIについては、こちらで解説しています!
→インサイドセールスのKPI|正しい目標設定と改善ポイントとは?
④ 他部門と連携の流れを決める
前述のように、インサイドセールスは他部署との連携が必須です。定期的にマーケティング部門、フィールドセールス部門とやり取りがおこなわれます。そのため、連携をする際の引き継ぎ条件やそれぞれの部署でどこまで担当するかの範囲を決定しておくと、スムーズにコミュニケーションが取れます。
⑤ 顧客の状況に応じた情報を提供
見込み客の興味度合いを高めていくためには、課題が明確化してきたタイミングを見極めて、適切な情報を提供することが求められます。常にヒアリングをしていくというスタンスで売り込むことを意識せずに並走していくことで信頼の獲得に繋がります。
また、潜在的な課題感に対しても、自社商品がどのように解決できるかを模索して、提示することも重要です。
⑥ セグメンテーションとデータクレンジング
インサイドセールスには見込み客がどの程度の興味度合い、成約に近いかを評価する役割と見込み客を育成する役割があります。このとき、顧客の情報が管理されていなければ、正確に役割をまっとうすることはできません。
セグメンテーションは共通点や特徴などに合わせてグループ分けをします。セグメンテーションをしたグループごとに指標を設定したり、効果の高いアプローチをすることで効率的にインサイドセールスは機能します。
また、データクレンジングは膨大な顧客データの中にある誤りや重複などを取り除くことです。データの誤りによって、データの修正や削除、確認作業などで担当者のコストが掛かってしまいます。Gartner社の調査(How to Stop Data Quality Undermining Your Business)によると、2017年のアメリカの企業はデータクレンジングをしていないことによって、1500万ドル(約21億円)のコストがかかっていることがわかっています。
そのため、定期的に顧客データを整理することが良いでしょう。
まとめ
インサイドセールスとテレアポは社内から顧客にアプローチするという1点において共通していますが、目的や指標、成果が出るまでの時間など多くの違いがあります。特にインサイドセールスでは他部署との連携が必須である特徴があります。
自社内でインサイドセールス部隊を構築しようと考えている場合、指標や目標の設定をテレアポと混同してしまう可能性があります。どのような設定にしていくかについてはすでに知見のあるプロに相談することがおすすめです。
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