インサイドセールスのKPI|正しい目標設定と改善ポイントとは?
電話やメールなどで顧客へアプローチするインサイドセールスは、やみくもに実践するのではなく、指標となるKPIを設定することが大切です。的確なKPIを設計することによって、営業活動の進捗や成果などを把握でき、売上最大化に向けた改善を行えるようになります。
この記事では、インサイドセールスのKPIに着目して、主なKPI項目や設計のポイント、定期的な見直しの必要性などを詳しく解説します。
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目次[非表示]
- 1.インサイドセールスの役割
- 1.1.見込み顧客へのアプローチ・育成
- 1.2.新規顧客の開拓
- 1.3.失注した顧客の案件化
- 2.インサイドセールスにおけるKPI項目
- 2.1.商談化数・商談化率
- 2.2.受注数・受注率
- 2.3.受注金額
- 2.4.架電数・架電率
- 2.5.メール開封数・開封率
- 3.インサイドセールスのKPIを設計するポイント
- 3.1.「SMART」を満たしているか確認する
- 3.2.あらかじめ期間を設定して運用する
- 3.3.フィールドセールスのKPIと連動させる
- 4.インサイドセールスではKPIの定期的な見直しが重要
- 5.KPIを正しく設計してインサイドセールスを成功させよう
インサイドセールスの役割
KPIについて見ていく前に、インサイドセールスの役割を整理しましょう。主な役割は、以下の3つです。
・見込み顧客へのアプローチ・育成
・新規顧客の開拓
・失注した顧客の案件化
それぞれの役割を理解して、インサイドセールスの知識を深めましょう。
(参考記事:インサイドセールスとは?基礎知識やメリット、やり方をご紹介)
見込み顧客へのアプローチ・育成
リードと呼ばれる見込み顧客に対するアプローチ・育成は、インサイドセールスの大切な役割です。商品・サービスへの興味や必要性を感じてもらえるように、インサイドセールス担当者がリードに電話やメールなどで関係性を構築します。
顧客の育成はリードナーチャリングとも呼ばれ、継続的なコミュニケーションを取ることによって、企業への信頼や商品・サービスへの興味・関心を引き出し、アポイントや商談につなげることが求められます。
また、既存顧客へのアプローチによって、上位のサービスへの移行を促したり発注ボリュームを増やしてもらう「アップセル」、自社の関連商品を購入してもらう「クロスセル」を目指すのも、インサイドセールスの役割のひとつです。
新規顧客の開拓
インサイドセールス部門やチームが新規開拓を行うケースもあります。見込み顧客へのアプローチ・育成を担当する場合は、事前に収集した情報やフィールドセールスのヒアリング情報などがありますが、新規顧客開拓の場合は事前の顧客情報がありません。
そのため、コンタクトを取る顧客の企業情報や業界、競合、ニーズなどを調査し、戦略を立てる役割もインサイドセールス担当者が担う場合があります。戦略が立案されたら、電話やメールなどでアプローチし、新規顧客の獲得を目指すまでがインサイドセールスの役割です。
失注した顧客の案件化
営業活動は常に成功するとは限らず、受注に至らない案件も多く発生します。受注できなかった案件には多くの場合理由があるため、インサイドセールスによって再び案件化できる可能性があるのです。
なぜ失注したのかを分析し、改善案を元に顧客へのアプローチを続けることによって、商品・サービスに必要性を感じ、案件を獲得できるチャンスが出てきます。
(参考記事:インサイドセールスを導入するには?導入方法から運用まですべてご紹介)
インサイドセールスにおけるKPI項目
インサイドセールスにおける主なKPI項目は、以下の5つです。
・商談化数・商談化率
・受注数・受注率
・受注金額
・架電数・架電率
・メール開封数・開封率
なぜ上記の項目が多くの企業のインサイドセールスで指標になっているのか、どのようなデータがわかるのかなどを詳しく見ていきましょう。
商談化数・商談化率
商談化数・商談化率は、新規や育成中の顧客から商談化した案件数、アプローチ対象顧客を母数に対して商談化した案件率を計測する項目です。商談は、案件の受注における重要なステップなので、インサイドセールスでも欠かせないKPI項目と言えます。
この項目が達成されていると、効果的なアポイントができていること、商談につながっていることがわかります。
受注数・受注率
受注数・受注率は、受注のステップをフィールドセールスが行う場合にも必要なKPI項目です。フィールドセールスが受注数・受注率が上がらなかった場合、クロージングの質が良くないということ以外に、インサイドセールスが確度を十分に高められなかったことが原因かもしれません。
受注数・受注率をKPIに設定していると、確度を意識した顧客へのアプローチを意識できるようになります。
インサイドセールスが受注まで行う際も、受注数・受注率は重要です。数値を参考にして、ヒアリング精度の向上、顧客のセグメントなどを行い、KPIを改善できます。
受注金額
インサイドセールスが関わった案件の受注金額は、営業活動の参考になるKPI項目です。受注金額が目標に達していれば、質の高い商談によって十分な契約を結べていると言えるでしょう。一方で、受注金額が思うように伸びていないならば、商談でのもう一押しが足りなかったり、商談での提案が首尾よく運ばず良い条件での受注を逃している可能性があります。
架電数・架電率
インサイドセールスを成功させるためには、どれだけアプローチしたのかという行動量を測るKPI項目も必要になります。その一つが、電話でのアプローチ数や率を計測する架電数・架電率です。架電数が不足すると、そもそもの行動量が足りないことになるので、掲げていた商談数に到達しないケースがあります。架電数は目標を達成しているのにアポイントや商談につながっていないなら、会話の内容や対応などに改善点があるでしょう。
改善するためには、ツールを用いて録音した会話内容を聞き直したり、対応履歴からヒアリングに不足がないか等を確認して、分析する方法があります。
メール開封数・開封率
メールをインサイドセールスに活用している場合は、メール開封数・開封率をKPIに設定しましょう。開封数も計測の対象ですが、メールの件名や送信した時間帯、ターゲットなどによってブレがあるので、開封率に注目するのが基本です。
メール開封率が思わしくない場合は、メールの内容を改善する必要があります。ここでは、開封が目的なので、目を惹く件名や送信する曜日・時間、ターゲットなどを検討すると良いでしょう。
インサイドセールスのKPIを設計するポイント
インサイドセールスのKPIを設計する際は、どのように設定するかが重要です。意図のないKPIは効果的ではなく、インサイドセールスに良い影響を与えることが難しくなります。インサイドセールスにおいて、KPIを設計するときに意識したいのは、3つのポイントです。
・「SMART」を満たしているか確認する
・あらかじめ期間を設定して運用する
・フィールドセールスのKPIと連動させる
それぞれのポイントを理解して、一つひとつ実践してみましょう。
「SMART」を満たしているか確認する
「SMART」とは、以下の頭文字を取った考え方です。
・Specific:明確性
・Measurable:計量性
・Achievable:達成可能性
・Relevant:関連性
・Time-bound:適時性
これらに当てはまるKPI項目を設定することが大切です。例えば、「架電数を増やす」というKPIは曖昧で明確性に欠けるため、どのくらい架電すべきかがわかりません。「1ヶ月で架電数〇件以上」であれば、基準がわかるので、インサイドセールスに取り組みやすく、評価・分析もしやすくなります。
この時、達成できるか、取り組む期間はいつまでか、他のKPIと関連しているかといった部分もしっかり反映したKPI項目を設定しましょう。
あらかじめ期間を設定して運用する
KPI項目を設定する際に、あらかじめ運用する期間を設定することが大切です。一度設計したKPIが正しいとは限らず、適切なKPIが変わることもあります。
期間を設定しておけば、定期的に見直す機会をつくることが可能です。期間が長すぎると、見直しするまでに時間がかかるため、四半期や半期で期間を設定すると良いでしょう。
フィールドセールスのKPIと連動させる
フィールドセールスと分業している場合は、両者のKPIを連動させる手法があります。この考え方はセールスフォースドットコムが実践する「The Model(ザ・モデル)」と呼ばれています。
各部門のKPIにつながりを持たせることによって、目標を統一したり、全行程の活動を記録したり、部門間の衝突を防いだりすることが可能です。
インサイドセールスではKPIの定期的な見直しが重要
インサイドセールスのKPIは、一度設定して終わりになってはいけません。ビジネスモデルや業界の動き、社会の変化などによって適切なKPI項目は変わっていきます。変化に対応したKPIを設定できていないと、目標達成ができず、成果やモチベーションを下げる原因になるでしょう。
また、当初設計したKPIが経営目標とずれていたり、ハードルが高すぎたり低すぎたりするケースもあります。なぜKPIを設計するかを意識して、正しい項目や達成度を設定することが大切です。KPIを運用する期間をあらかじめ定めておくと、定期的に練り直すことができます。一定の期間での見直しと合わせて、こまめに軌道修正ができると、より効果的です。日々、KPI項目の数値を確認・分析し、振り返りを行う機会を作り、適切なKPIを維持しながらインサイドセールスに取り組みましょう。
KPIを正しく設計してインサイドセールスを成功させよう
インサイドセールスにおいて、KPIを設計することによって、数値の分析や振り返りを通して、質を向上するきっかけを見つけられます。商談数や受注数などを計測し、目標を達成できていなければ、商談内容やクロージングを見直すことが可能です。
効果的なKPIを設計するためには、「SMART」を意識したり、フィールドセールスのKPIと連動させると良いでしょう。
適切なKPIは様々な要因で変化するので、日々の改善や定期的な見直しを繰り返して、インサイドセールスに取り組んでいきましょう。
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