カスタマーサクセスの「アダプション」とは?重要フェーズである理由と成功のポイントについて解説
カスタマーサクセスはオンボーディングが重要だと言われます。たしかに、それは事実です。しかし、オンボーディングを完了したら後は力を抜いてもいいのか?というとそうではありません。
本記事ではオンボーディングの後に控えている「アダプション」が重要な理由や成功ポイントを解説します。
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目次[非表示]
- 1.アダプションとは
- 2.カスタマーサクセスのフェーズと流れ
- 2.1.① オンボーディング
- 2.2.② アダプション
- 2.3.③ エクスパンション
- 2.4.④ チャーン
- 3.アダプションの重要性
- 4.アダプションがタイムトゥバリュー(TTV)に与える影響
- 5.アダプションを成功させる4つのポイント
- 5.1.① 顧客の組織構成を常に把握する(担当者の変更・決裁者の変更など)
- 5.2.② 効果が出やすいところから始める
- 5.3.③ 商品やサービスへのフィードバック
- 5.4.④ お客様の声(VoC)を集める
- 6.まとめ
アダプションとは
アダプションとは、顧客がサービス導入後に本格的に運用・活用し、定着をおこなっていくフェーズを指します。カスタマーサクセスはアダプションフェーズの顧客へ利用状況などのデータ収集やヒアリングなどをおこないます。
■顧客が自社のサービスの利用状況や継続利用をしてくれるかを数値化した指標「ヘルススコア」については、こちらで解説しています!
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カスタマーサクセスのフェーズと流れ
アダプションを理解するためには前後のフェーズも知るとより理解が深まります。
① オンボーディング
オンボーディングとはサービスを契約してから、使用方法などを理解して、実際に顧客の社内で使い始めるまでのフェーズを言います。初期段階の「どのように使ったら良いのかわからない」などの不満や悩みを解決し、熱量の高いうちにビジネス活用をしてもらうことがポイントです。
■カスタマーサクセスにおけるオンボーディングの重要性や進め方のポイントを紹介しています
→カスタマーサクセスの秘訣はオンボーディングにあり!?重要な理由と進め方のポイントについて解説
② アダプション
アダプションは、サービスの使い方を習得した顧客が、本格的に業務で活用していき定着化させていくフェーズです。定着に向けて顧客へヒアリングやデータ収集をおこない、より満足度を上げてもらうように進めます。
アダプションで満足度を上げて、顧客のビジネスに定着すれば、継続利用が見込め、売上の安定化に繋がります。
③ エクスパンション
エクスパンションとは、サービスの運用が定着した顧客に対して、さらにサービスの利用を拡張していくフェーズです。契約の更新、利用人数に応じた上位プランへの変更、追加オプションの購入などの、アップセル・クロスセルが発生します。そのため、定着した時点でどのような課題や要望があるかなどをヒアリングしていく必要があります。
自社の売上に直結するフェーズであるため、オンボーディングでの顧客のゴールや実現したい状態の把握が提案時に活きてきます。
④ チャーン
顧客がサービスを解約するフェーズです。解約する手続きを滞り無く進めることはもちろんですが、その上で改善点がないかを知るために、解約理由や要望をヒアリングします。もし、解約理由になっている部分を解消するサービスを持っている場合は提案をするとよいでしょう。
アダプションの重要性
オンボーディングが無事に使い始められることがゴールに対して、アダプションでのゴールは顧客によって異なります。下記は一例ですが、このようにゴール設定は変わってきます。
多種多様なゴールに対して、ヒアリングや分析を通して提案できることを探していくことがアダプションフェーズでの業務になります。顧客が求めていることを探し当てることで、契約の継続、上位プランの購入などといったビジネス的に良い方向に繋げられる重要なフェーズとなっています。
アダプションがタイムトゥバリュー(TTV)に与える影響
料理を食べて「美味しい」と感じれば、また来たいという思いが出てくるでしょう。SaaSのようなサービスの場合も、価値を感じてもらうスピードは重要です。ここではアダプションがタイムトゥバリュー(TTV)に与える影響について解説します。
タイムトゥバリュー(TTV)とはサービスの価値を感じるまでの時間
タイムトゥバリュー(TTV)は、新規の顧客がサービスや商品の価値を感じるまでにかかる時間のことを言います。TTVが早ければ早いほど、サービスや自社への信頼感や満足度が向上しやすくなります。そのため、ビジネスにおいてはTTVが早いほうが良いと言われています。
価値の最大化のためのアダプション
アダプションフェーズでTTVを短くして、顧客が感じる価値を最大化するためには、オンボーディングからアダプションに至るまでに、どのような場面でつまづいたか、障害があったのかを分析して、把握する必要があります。そして、小さな障害だけでなく、大きな障害まで解決に導くことができれば、顧客が感じる価値はどんどん大きくなっていきます。
アダプションを成功させる4つのポイント
次にアダプションフェーズを成功させるポイントを解説します。
① 顧客の組織構成を常に把握する(担当者の変更・決裁者の変更など)
長期に渡って取引を続けていると、顧客側の担当者や部署などが変わることがあります。そのような際に、顧客内でスムーズに引き継ぎができるようにマニュアルなどの資料を用意しておくと良いです。
また、決裁権限がある人が変わる場合もあります。顧客の関係者の動向を普段の会話などから知っておくと有利に進みます。
② 効果が出やすいところから始める
顧客ごとのゴールに対して、複数のマイルストーン(小さな目標)があります。マイルストーンの中でも、小さく達成しやすいものから手を付けて、まずは効果を実感してもらうことで、信頼感や満足感は向上していきます。
信頼を得られたあとに大きな目標へ向けて成功体験を重ねていきます。
③ 商品やサービスへのフィードバック
アダプションフェーズでは、顧客の利用状況についてデータやヒアリングを用いて分析していきます。その上で適切なサポートや提案をおこないます。他の顧客では上手くいっている事例や、他の顧客も同様な課題を抱えている部分なども参考にし、精査して、商品やサービスの改善を進めます。
④ お客様の声(VoC)を集める
お客様の声(Voice of Customer)として、サービスを利用する上での悩みや困ったこと、不満や要望を集めていくことが成功へ繋がります。月に1度程度のアンケート、更新や半年利用のタイミングでの面談など定期的に顧客の声を聞いて、対応や製品開発へ反映していくとよいでしょう。
■カスタマーサクセスの成功事例は下記でもご紹介しています。
→顧客の成功体験に貢献!カスタマーサクセスに外部企業の知見を取り入れて応対品質を向上(NTTビジネスソリューションズ様)
まとめ
アダプションは顧客の業務やビジネスで本格的に利用していくうえで、重要なフェーズです。うまく進めば、トライアルとして限定的な利用だったものを会社全体で利用するなど変化が出てくる可能性もあります。顧客ごとに異なるゴールに向けて、タイムトゥバリュー(TTV)を短くして、効果を実感してもらえるように進めます。
顧客のゴールがそれぞれ異なり、自社サービスがどこまで貢献できるのかを見定める必要があります。しかし、時間をかける価値はあるものの、かなりのコストがかかる部分でもあります。どのように進めていけばよいかを相談できる専門家がいれば、効率的に進めていけます。
キューアンドエーにはカスタマーサクセスに精通したプロフェッショナルが全てのフェーズにおいて支援します。そのため、一人で悩むことなく、顧客満足度は上がり、契約の更新、アップセル・クロスセル、収益拡大を目指していけます。お気軽にカスタマーサクセスについてご相談ください。
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