中小企業のDX成功に必要な業務アセスメントとは?管理部門の体制を整備し、DXを推進
近年、企業を取り巻く「人材不足」や「働き方改革」などの課題に対して、デジタル技術で業務を変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の重要性が高まっています。(参考:DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するには?DX推進を阻む「IT人材不足」の課題と解決策)
DXの推進には、事業環境の変化に合わせた「管理部門の体制整備」が必要ですが、急成長を遂げる中小企業では、体制整備がなかなか追いつきません。DX推進にあたり、「何から手をつければ良いのか」「どこに向かって進めれば良いか」と、悩みを抱える中小企業の経営者さまは多いでしょう。(参考:中小企業のDX推進状況は?中小企業がDXを成功させる3つのポイントを紹介)
DX成功の鍵を握るのが、「業務アセスメント」です。本記事では、中小企業がDXを推進するための「業務アセスメントから始める3つのステップ」を紹介します。
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STEP 1:業務アセスメントの実施
前回の記事でご説明した通り、中小企業のDX推進の課題として、「IT人材・IT投資の不足」「ビジョン策定やロードマップが描けていない」「成長する企業スピードに体制が追い付かない」などが挙げられます。
業務アセスメントとは、現状把握と課題を技術面・体制面の双方から確認し、課題箇所を明確にすることです。その課題に対して、経営陣・事業部門・IT部門などの関係者がで共有し、対策を講じることが必要です。DX 推進取り組みの第一歩として、まず自社が直面している状況を整理する「業務アセスメント」を実施します。
業務アセスメントによって、「業務とITをシームレスにつなげる」ための現状調査と分析を行います。DX実現には「既存業務の見直し」と、見直しに伴う「オペレーションの再構築」が必要です。業務アセスメントによって適切な施策を導き出すことで、業務効率化を推進し、経営効率の最大化を図ります。
業務アセスメントは、経済産業省が公開している「DX推進指標」と「PFデジタル化指標」に基づき実施するのが有効です。評価には「アセスメントシート」と呼ばれる、自社を評価するためのシートを使用します。
DX推進の指標となる「システム全般」や「セキュリティ」などに関する、詳細な質問項目が用意されています。回答内容をもとに自社の状況を可視化し、結果を分析します。
STEP 2:取り組み課題の明確化
次に、「取り組み課題の明確化」を行います。アセスメントの結果を踏まえ、「経営・管理部門の仕組みをどう作り変えるか」「なぜ、その改革が必要か」などを協議し、自社が優先的に取り組む課題を定義します。中小企業が取り組むべき課題の例として、以下が挙げられます。
① 業務プロセスの見直し
真っ先に取り組みたいのが、事業拡大や人員増加に伴う「業務プロセスの見直し」です。企業のガバナンス強化や業務効率化の観点から、「業務プロセスの標準化や効率化」は最優先で取り組みましょう。
少ない従業員数であれば、経営者の目が満遍なく行き届くかもしれませんが、次々と新たな社員やビジネスパートナーが加わると、1つ1つの問題が見えづらくなります。また、非効率な作業が積み重なると、企業の生産性は低下していきます。管理部門全体の業務改善を視野に入れ、業務プロセスの見直しを行いましょう。
② 属人化の解消
多くの中小企業で解決したい課題が「属人化の解消」です。大手企業と比べて人員が不足がちな中小企業では、会社の重要な業務を特定の人が長年担当し、「その人しかやり方が分からない」「あの人しか情報を持っていない」ケースが散見されます。
属人化が進んだ結果、「担当者の不在時に業務が滞る」「業務改善点が発見しにくい」「退職時に情報とノウハウが消失する」など、さまざまリスクを抱えることになります。業務プロセスを可視化し、「重要業務の手順を明確化する」「情報共有の仕組みを作る」ことで、これらリスクを軽減できるでしょう。
③ 情報システムの脆弱性対策やセキュリティ意識の向上
中小企業が抱える課題に「情報システムの脆弱性問題」があります。脆弱性の代表例が、レガシーシステムの存在です。古くから利用するシステムがブラックボックス化していることで、適切なセキュリティ対策を施せず、データ流出や情報漏洩の危険性が高まります。
また中小企業の場合、サイバー攻撃やSNSトラブルに対する教育が、十分に実施されていないことも多いでしょう。昨今は、セキュリティレベルの低い中小企業を狙いうちしたサイバー攻撃や、従業員による情報漏洩の事故が頻発しています。これらセキュリティ問題から身を守るため、「自社のセキュリティレベル」や「ITリテラシー」を向上させる取り組みが必要です。
STEP 3:あるべき姿の明確化とソリューションの検討
業務アセスメントで自社状況を分析し、取り組み課題を明確にしたら、「あるべき姿」を描いて有効なソリューションやツールを検討します。効率的にDXや業務改善を推進するには、「現在位置」と「あるべき姿」の設定が重要です。「3~5年後にどのような状態になっていたいか」といった、目標から逆算して考えます。
あるべき姿の目標として、たとえば働き方改革を推進するために「テレワーク環境を整える」ことを目指すのも良いでしょう。もし余裕があれば、並行して「全社的なペーパーレス化」を進めるなど、同時に進められる業務改善案も取り入れます。自社の状況やリソースに応じて、実現可能なあるべき姿を描いていきましょう。
また、あるべき姿の実現に向け「新たに取り組むべきこと」を決めるのと同時に、「生産性の低い業務をやめる」ことがポイントです。「自社の有限なリソース」を集中投下する対象を定めつつ、従来の慣習で続けていた「生産性の低い業務」を、このタイミングで取り止めましょう。
最後に、目標を実現するための「具体的な手段」を検討します。たとえばテレワーク推進を検討したい場合、「ツールは何を使うのか」「運用ルールはどうするか」「予算はいくらかかるのか」を具体的にしていきます。ツール導入に加えて、同時に「運用定着化の施策」も考えていきましょう。
従業員が積極的にシステムを活用し、効果を発揮できる体制の整備を目指します。「あるべき姿」の実現に向けて具体的なソリューションを検討し、成功のロードマップを描きましょう。
DX成功に必要な「業務アセスメント」はキューアンドエーにお任せください
DXを成功させるには、業務アセスメントで課題を洗い出し、分析結果をもとに「あるべき姿の明確化」と「必要なツールやソリューションの検討」が必要です。注意点として、さまざまなツールを導入すればDXが成功するわけではありません。
多様なITツール導入を繰り返した結果、運用が煩雑化してしまい「非効率なオペレーション」や「高コスト体制」を招き、無駄が発生している企業は多いです。そのため自社の特徴や実態を踏まえて、自社の状況に合った「目標設定」や「適切なツール選定」「効率的な施策」を行うための目利きが重要となります。
キューアンドエーは、経験豊富な専門スタッフがプロの視点から客観的に評価を行い、中小企業の皆さまのビジネスを理解し「お客さまに合わせたDX」をご提案いたします。キューアンドエーの業務アセスメントサービスと運用定着サービスをご利用頂くことで、お客さまと共にロードマップを描き、「最大限に効果を発揮できる体制」を整備します。
DXを推進したい中小企業の経営者さまや担当者さまは、ぜひキューアンドエーにご相談ください。ツール導入から運用定着までサポートし、お客さまの事業成長に貢献します。
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