現場の声を活かすコールセンターの業務委託管理|委託先を1社に限定するリスクとは?
コールセンターは直にお客さまの声を聞けるチャネルです。しかし、外部委託の場合は現場の声がクライアントにあまり届かないケースもあります。
本記事では、数値だけでは読み取れない現場の声を聞く方法や、委託先を1社に限定するリスクと、分散するメリットについて解説します。また、外部委託の場合であっても現場の声を施策やマーケティングに活かしてくれる委託先を選ぶことの重要性についても解説します。
目次[非表示]
- 1.委託先ベンダーの管理方法
- 1.1.定例会 / 報告書
- 1.2.センター訪問
- 1.3.現場の声をクライアントに伝えるパイプ役
- 1.4.VOCの分析
- 2.委託先を1社に集中させるリスクと分散するメリット
- 3.まとめ
委託先ベンダーの管理方法
クライアントの立場から、委託先のコールセンターの状況を知りたいと思った時に、どのようにすれば知ることができるでしょうか。委託先のコールセンターの状況を知る手段として、下記のような方法があります。
定例会 / 報告書
定例会や、そこで提出される報告書も、コールセンターの状況を知るための方法の1つです。しかしながら、定例会や報告書によるクライアントへの報告は委託先のマネージャークラスがおこなうため、現場の声はあまり届かず、クライアント担当者が現場の状況を明確に把握できない場合があります。そのため、数値だけでは読み取れない現場の声をどうやって汲み上げるかが課題です。
センター訪問
現場がどうなっているのか知りたいときは、センターを訪問してコミュニケーションをとるなどすると、改善点が見つけられる可能性があります。現場のオペレーターは、自身が関わるコールセンターにおける業務のフローや、効率を妨げている問題点・課題を最もよく知っています。ですから、現場の声を聞くことは改善点を見つけるヒントになるでしょう。施策や運用の見直しをするにあたって、現場の声を汲み上げることは、効果的な方法のひとつです。
オペレーターは、お客さまの声を直接聞いています。商品・サービスに対するご意見やクレームには、今後のマーケティングに活かせる価値あるヒントが隠れているかもしれません。コールセンターは、お客さまの鮮度の高いリアルな反応を聞き出せるチャネルなのです。
現場の声をクライアントに伝えるパイプ役
センタ―訪問をせず現場の声を聞くには、現場の声をクライアントに伝えるパイプ役が必要です。多くの場合は、SVがこの役割を担っているでしょう。パイプ役となってくれるSVは、普段から現場の動向を把握することに加え、オペレーター視点での意見をキャッチアップして施策に活かしたり、クライアントが現場の声を把握できるような行動を心掛けています。このように現場の声を反映してくれるSVはクライアントにとっても有用な存在でしょう。
VOCの分析
応対履歴から問い合わせの傾向を分析することも重要です。CRMシステムにデータは溜まっていても、なぜそのような傾向にあるのか、背景や経緯を知るには分析が求められます。本当のお客さまの声を知るには、録音された応対や応対履歴を分析してインサイトを深める必要があるでしょう。
中には誤解であったり、取扱説明書に記載されている使用方法を守っていなかったりして、お客さまの主張が妥当性を欠いている場合もあるため、何でも報告すればよいというわけではありません。VOC(Voice of Customer)を検証して、報告すべき事案を振り分ける必要があります。さらに、お客さまの声を単に報告するだけでなくデータを分析して現場視点での提案を含めて報告すれば、その重要度を理解しやすくなるでしょう。例えば、新サービスに対するクレームの件数や応対時間、全体に対しての割合を数値化して示すなどです。このようにすると、単なる個人の意見ではなく、クライアントとして注目すべきVOCを際立たせることができます。
委託先を1社に集中させるリスクと分散するメリット
次に、委託先を1社に集中させるリスクについて解説していきます。委託先を1社に集中するリスクとしては、下記のような点が挙げられるでしょう。
委託先が1社の場合、拠点拡大やサービス拡大に対応できない可能性が高くなります。システムやブース数、適正なスキルを持った人材の確保など、多くの課題があるからです。また、競合がいないために、競合相手がいる他のクライアントと比べ緊張感を持てず馴れ合いになったり、優先順位を下げられてしまうリスクもあるでしょう。
何かしらの要因によりサービス品質が低下した時にも、改善までに時間がかかってしまうリスクもあるでしょう。次に、委託先を分散するメリットについて、解説します。
委託先を分散するメリットは上記の通りです。複数のベンダーに委託すると、閑散期と繁忙期の業務量に応じて柔軟にブース数等を調整しやすくなります。そして、コストと生産性を競わせることで効率的な運営が可能です。
また、近年は自然災害が頻繁に起きていますが、コールセンターの拠点を分散しておくことで、災害時にセンター業務が停止してしまうリスクを回避できます。(BCP対策:事業継続計画)
まとめ
「委託先が1社の方が楽に管理できて効率的だ」と思われるかもしれません。しかし、前述のように、それにはリスクがあるということと、他の委託先との接点を増やすことで緊張感が増し、パフォーマンスの向上に繋がるかもしれないというメリットもあります。
もし、他部署で他のコールセンター委託会社に依頼している場合などは、担当者に意見を聞いてみることもよいかもれしれません。また、Webで他の委託先の情報を調べて、実際に会って話を聞いてみるのも1つの方法です。
キューアンドエーには、VOCの分析を行い、現場の声を活かすパイプ役になってくれるSVが多数在籍しています。コールセンターを運営しておられるクライアント様は、複数の委託先を検討し、より高品質で効率的な運営ができないか検討してみてはいかがでしょうか?(参考:【失敗できない】コールセンターの委託先を切り替える時のポイントとは?)
【コールセンター ベンダー切替】
【導入事例はこちら】