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【失敗できない】コールセンターの委託先を切り替える時のポイントとは?

前回の記事では、問題の種となるSVと、クライアントに付加価値を提供できる理想的なSVについてお話ししました。委託先によっては、その対照的なSVがコールセンターの明暗を分ける場合もあり、状況によっては、委託先を変えることを検討する必要があるとご説明いたしました。

では、どのような場合にコールセンターの委託先の切り替えを検討したらよいでしょうか。今回は委託先の選定基準、切り替えのリスク、リスクを最小限に抑えた委託先の移行方法について解説いたします。

(参考)
SVの光と影~クライアントに付加価値を提供するSVとモンスターSV

あなたのコールセンターに、こんなSVいませんか?~ SVのモンスター化とは~


目次[非表示]

  1. 1.委託先の切り替えを検討するタイミング
  2. 2.委託先の問題点を確認
    1. 2.1.① SVのスキル・モチベーション
    2. 2.2.② センターの管理体制
    3. 2.3.③ クライアントへの対応
  3. 3.委託先の切り替えの検討
  4. 4.委託先の切り替え方法
    1. 4.1.切り替えリスク
    2. 4.2.リスクの少ない移行方法


委託先の切り替えを検討するタイミング

コールセンターの委託先の切り替えを検討する要因ですが、大きく分けると2つの考え方があるでしょう。1つ目は現在の委託先の問題が解決されない場合、2つ目は委託先を変更することで、KPI/KGIの向上が見込める場合です。この2つの考え方は異なりますが、課題を解決し、業績を向上させる目的の点では同じです。

コールセンターの委託先の切り替えを検討するタイミングとしては、下記のような深刻な問題が起きそうな時(起きた時)でしょう。



上記のような問題が起きてから委託先を探したのでは遅いため、予め委託先の切り替えを視野に入れた準備をしておいた方がよいでしょう。


委託先の問題点を確認

では、具体的に上記のような深刻な問題を抱えているセンタ―(委託先)の問題点を、以下3つの観点から確認してみましょう。



① SVのスキル・モチベーション

スキルやモチベーションの低いSVには、下記のような傾向があります。



KPI/KGIを達成できないのには様々な要因が考えられますが、長期間達成できない場合は「SVの課題解決能力が不足している」と考えられます。数値を報告するだけの中身が薄い形式的な定例会やレポートでは、具体的な解決策は期待できないでしょう。

クライアントからの指示待ちで、言われたことしかしないSVは、仕事量が増えたり失敗したりするのが嫌なのかもしれません。しかし、そのような状態では「SVの役割を果たしていない」と言わざるを得ません。


② センターの管理体制

次に、センターの管理体制の問題についてです。管理体制に問題があると、下記のような問題が起きる可能性があります。



定められた稼働数を遵守できていないと、顧客満足度の低下に直結してしまいます。特にSVの稼働が確保できないと、新サービスに伴う研修や応対品質向上のためのトレーニングに時間を取ることができません。そして、研修時間を確保できないと、顧客からの問い合わせに適切に対応できずにクレームが増え、離職に繋がる一因ともなり得ます。


③ クライアントへの対応

委託先によっては、マネージャーやSVの入れ替わりが激しく、引継ぎが不十分になっていたりする合などがあります。この背景には、委託先が他のクライアントを優先している可能性があるでしょう。そのような状況ではクライアントへの情報共有も疎かになりがちで、問い合わせの傾向や、今後の方針に役立つような顧客からの声を把握するのは難しいでしょうし、KPIの達成も期待でないでしょう


委託先の切り替えの検討

現在の委託先に問題があり改善もされない中、委託先の切り替えを検討するとなった場合に、どのような基準で次の委託先を選んだらよいのか、お悩みになる方もいらっしゃるかとおもいます。以下に参考となる選定基準をご紹介いたしますので、ぜひチェックしてみてください。



委託先の切り替え方法

切り替えリスク

一方、実際に委託先を切り替えるには、リスクもあります。具体的には、以下のようなリスクが考えられるでしょう。



必要な人材・ブースを確保し、研修して実際に受電を開始するまでには一定の期間が必要ですし、費用もかかります。優秀な人材であっても、新しい業務に慣れるまでは一時的に応対品質が低下するでしょう。

複雑な業務フローは、ある程度マニュアルが整備されていないと、移行の段階でつまずいて失敗してしまう事例もあるため、業務委託の内容・要件・権限を明確に決めておく必要があります。テキスト化されたマニュアルがないのであれば、マニュアル作成から協力してくれるかどうかも重要なポイントです。ただし、マニュアル作成には時間と費用がかかる点には留意しておきましょう。

また、必要に応じて柔軟に座席数を確保できないと、ピーク時に取りこぼしが発生してしまうため、委託先の切り替えの際には委託先がしっかり期日までに準備できるかも重要です。


リスクの少ない移行方法

委託会社の全面的な変更は時間と労力がかかり、決して失敗できないプロジェクトです。数値が急激に下がるリスクもありますから「できるなら避けたい」と思われるでしょう。それでも、深刻な状態が長く続いてしまうと望ましくないですよね。そこでおすすめなのがスモールスタートで始めることです。



委託先切り替えのリスクを最小限に抑えるためには、スモールスタートで始めるのがおすすめです。現在1社だけに委託しているのであれば、新しい委託先をもう1社増やし、最初は数席から始めたりするとよいでしょう。

これは、委託先間で公正な競争をさせることになるわけですが、クライアントの期待に応えられた方がより多くのシェアを獲得していくでしょう。新規参入の委託先にとって、然るべき期間の間に妥当な基準をクリアできなければ、「それ以上のシェア拡大はない」となるでしょう。長期間、同じ委託先だった場合には、センターの数値が標準的なものだったのか、それとも改善が必要だったのかを見極められます。また、委託先はライバルが生まれたことにより緊張感をもって業務に取り組むことになり、結果的にKPI等のパフォーマンスの向上を見込めます

新規参入する委託先は、初期研修を受けて新たな業務に取り組むわけですから、最初のうちは数値が下がるかもしれませんが、スモールスタートで始めることにより、応対品質やKPIが急激に下がるリスクを回避できます。

まずは先述した問題点をチェックして現在の委託先に相談し、それでも改善できない場合は委託先の切り替えを検討されてみてはいかがでしょうか。



■キューアンドエーのコールセンターサービス(ベンダー切替)

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次回は、委託先の管理方法のポイントについて解説します。ご担当者の方などは、次回の記事もぜひお読みいただければとおもいます。

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キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
複数のコンタクトセンター責任者を経て、キューアンドエーに2018年中途入社。 ICT(「情報通信技術」)に特化したコンタクトセンターとオンサイトサポートをメインに、大手クライアントのインサイドセールスプロジェクト責任者としてデジタル基盤から体制までを一から立ち上げる。 中期計画にて自社事業、提供サービスの展望を望み、 セールス領域で他企業と差別化できるデジタルマーケティング、 インサイドセールス確立を見据えプロジェクトを推進している。