「TheModel型」分業体制の落とし穴。インサイドセールス導入企業が陥る課題と効果的な解決策を紹介

デジタル時代における顧客獲得競争は日に日に激化しており、潜在顧客への迅速なアプローチが企業の成功に不可欠となっています。多くの企業が効率化と効果の最大化を目指して「TheModel」型のインサイドセールス戦略を取り入れていますが、導入後に成果が伸び悩む企業も少なくありません。
 
TheModel型の分業体制は、Webや電話を通じて得られた顧客情報から、成約につながる高確度のリードを特定し、受注率と収益の向上を目的としています。しかし、この目標を達成するには、分業の効果的な運用とデータの活用が欠かせません。本記事では、TheModel型分業体制が直面する課題と、課題を克服するための実践的な解決策を紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.TheModel型インサイドセールスの課題
    1. 1.1.① 分業による視野の狭まり
    2. 1.2.② チーム間での顧客情報の断絶
    3. 1.3.③ 確度の低いリードによる負担増とLTVの機会損失
  2. 2.TheModel型インサイドセールスを効果的に機能させるには
    1. 2.1.① 顧客データの統合と分析
    2. 2.2.② 専門家による継続的なスキルアップトレーニングの実施
      1. 2.2.1. 【定期的なトレーニングプログラム】
      2. 2.2.2.【ロールプレイとケーススタディ】
      3. 2.2.3. 【フィードバックとコーチング】
    3. 2.3.③ アセスメントによるオペレーションと体制の見直し
      1. 2.3.1.【STEP① 共通の目標設定とマネジメント体制の構築】
      2. 2.3.2.【STEP② 業務プロセスの見直し】
      3. 2.3.3. 【STEP③ データに基づく戦略・戦術の策定】
  3. 3.インサイドセールスの成果を向上させるためにキューアンドエーのアセスメントを利用しよう

TheModel型インサイドセールスの課題

(出典:The Model(ザ・モデル)とは?用語と営業プロセスをSalesforceが解説 /株式会社セールスフォース・ジャパン ) 


多くの企業がTheModel型インサイドセールスを導入していますが、この分業体制には注意が必要です。業務の分割が専門性と生産性を向上させる一方で、分業による落とし穴も存在します。TheModel型のインサイドセールスが直面する、主な課題は以下の通りです。


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① 分業による視野の狭まり

分業体制は、担当者が自分のタスクに集中できることで、専門領域の生産性が向上するメリットがあります。一方でこの体制の下では、担当者が自分自身の達成指標(KPI)にのみ注力する傾向があるため、個々の成果は追求されるものの、組織全体としての最適化がおろそかになる場合があります

その結果、顧客獲得プロセス全体の効率が低下し、インサイドセールス投資の費用対効果が損なわれる可能性が高くなります。この課題を解決するには、各担当者がチーム全体の目標達成に向けてより広い視野を持つことが必要です。


② チーム間での顧客情報の断絶

TheModel型を採用する企業では、チーム間で「顧客情報が断絶する」という問題がしばしば発生します。従来の営業モデルでは、営業担当者一人が顧客獲得プロセス全体を一貫して担当するため、顧客情報の断絶は比較的少ない状態でした。一方でTheModel型の分業体制は、顧客対応のフェーズごとに担当者が変わるため、顧客情報の一元管理が難しくなり情報の断絶が生じやすくなります
 
たとえCRMやマーケティングオートメーション(MA)などのツールを利用していても、顧客情報の適切な管理体制が整っていない場合、情報断絶の問題は解決できません。この問題により顧客体験が低下し、一貫したデータ分析が難しくなり、成果が出にくくなります。


③ 確度の低いリードによる負担増とLTVの機会損失

インサイドセールスからフィールドセールスに確度の低いリードが渡された場合、受注の確率は著しく低下します。リードの確度自体が低ければ、フィールドセールスが多くのリソースを費やしても収益増加につなげるのは難しいです。加えて、非効率なリード対応が原因で、本来獲得可能だった高い生涯顧客価値(LTV)を持つ潜在顧客を逃してしまい、大きな機会損失になります
 
既存顧客からの利益が事業収益の大部分を占める多くの企業にとって、顧客獲得プロセスの効率化は非常に重要です。確度の高いリードへの適切なアプローチが不足している状況が続くと、コストが増加し収益は伸び悩むリスクがあります。このような状況に直面している企業は、インサイドセールスの分業体制を見直し、改善策を講じることが必要です。


TheModel型インサイドセールスを効果的に機能させるには

分業体制で生じる課題を解決し、効果的にインサイドセールスを運用するには、次のアプローチが有効です。以下の3つの施策に取り組むことで、成果の改善が図れるでしょう。



① 顧客データの統合と分析

効果的なインサイドセールス運用のためには、分散している顧客データを一か所に集め、総合的な分析を実施することが必要です。インサイドセールスの成功は、フィールドセールスに「いかに成約可能性の高いリードを提供できるか」にかかっています。これを実現するためには、成約に至る顧客の特性や行動パターンを理解しなければなりません。
 
顧客データを一元化する実践的な方法としては、Marketo、HubSpot、Salesforceなどのマーケティングオートメーション(MA)や顧客関係管理システム(CRM)、販売支援(SFA)ツールをAPIで連携し、顧客情報を一元管理するシステムの構築が有効です。この方法により、顧客の属性や行動データを集約し、顧客理解を深めることができます。
 
特にMAツールは、オンライン行動に基づいてリードを分析しますが、CRMやSFAとの統合により、より広範囲の情報が得られます。この情報を有効活用することで、インサイドセールスのターゲティングの精度を高めることが可能です。


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② 専門家による継続的なスキルアップトレーニングの実施

インサイドセールスチームが持続的に高い成果を出し続けるためには、チームメンバーのスキルアップと定期的なトレーニングが欠かせません。インサイドセールスの活動は、時間の経過と共にチーム内の活動がマンネリ化して、問題が見えにくくなることがあります。
 
このような状況を改善するには、外部の専門家から新たな視点でフィードバックを受け取り、最新のセールス手法を学ぶことが有効です。トレーニングには、次のような内容があります。


 
【定期的なトレーニングプログラム】

セールススキル、製品知識、顧客対応の方法に至るまで、広範囲にわたるトピックのトレーニングプログラムを定期的に実施します。この取り組みにより、チームメンバーは最新のセールス技術を習得し、顧客サービスの質を高めることが可能です。

【ロールプレイとケーススタディ】

実際のセールスシナリオを想定したロールプレイや、成功や失敗の事例を分析するケーススタディを実施します。この取り組みによって、チームメンバーは問題解決能力を高め、実践的な状況で即座に対応できるスキルを習得します。実際の現場に近い学習をおこなうことで、現場で直面するさまざまな課題への対応力を養うことが可能です。


 
【フィードバックとコーチング】

定期的なフィードバックと個別コーチングを実施し、各メンバーが自身の強みと改善が必要なポイントを認識できるよう支援します。この取り組みによって、個人の成長を促し、チーム全体のパフォーマンスの向上につながります。


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③ アセスメントによるオペレーションと体制の見直し

TheModel型インサイドセールスの成功には、オペレーション全体と組織体制の定期的な見直しが欠かせません。チーム間の隔たりをなくし、目標の再確認と組織全体の最適化をおこなうため、アセスメントが重要な役割を担います。効果的なアセスメントのステップは、以下の通りです。


【STEP① 共通の目標設定とマネジメント体制の構築】

インサイドセールスを成功させるための第一歩は、組織全体で一致する明確な目標を設定することです。全メンバーが一致団結し、共通の成果に向けて協力しながら戦略を策定することが重要です。この目標達成を支援するため、組織全体を統括するマネジメント体制の構築が欠かせません


【STEP② 業務プロセスの見直し】

次に、各チームは自身の業務プロセスを見直し、効率化を図るための改善点を特定します。この見直しを通じて、組織全体の視点から各チームの生産性と効率を最大化することが求められます。


 
【STEP③ データに基づく戦略・戦術の策定】

続いて、収集したデータを詳細に分析し、得られた洞察を基に戦略や戦術を策定します。市場や顧客の動向へ迅速に対応できる具体的なアクションプランの立案が、インサイドセールス成功のカギを握ります。


インサイドセールスの成果を向上させるためにキューアンドエーのアセスメントを利用しよう

「TheModel」型の分業体制を採用している企業は多くありますが、単に体制を模倣するだけでは成功は保証されません。また、インサイドセールスを導入して時間が経つと、潜在的な課題が見えづらくなることがあります。このような状況に陥った場合、定期的な業務の見直しと効果的な改善策の導入が必要です。外部の専門家の意見を取り入れることで、運用の問題点を特定し、成果の検証と改善策を効率的に策定できます。



​​​​​​​キューアンドエーのコンサルティングサービスは、インサイドセールスの運用改善やデータ統合の最適化、チーム間連携の強化を通じて、企業の収益向上を実現するための実践的な解決策を提供します。当社が持つ深い専門知識と豊富な経験を活用し、戦略的なデータ活用と効果的なチームワークにより、お客さまのインサイドセールスの取り組みを成功に導きます。インサイドセールスの効果を向上させたいお客さまは、ぜひキューアンドエーへご相談ください。お客さまの持続可能な成長を目指し、キューアンドエーが全力でサポートします。


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キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
複数のコンタクトセンター責任者を経て、キューアンドエーに2018年中途入社。 ICT(「情報通信技術」)に特化したコンタクトセンターとオンサイトサポートをメインに、大手クライアントのインサイドセールスプロジェクト責任者としてデジタル基盤から体制までを一から立ち上げる。 中期計画にて自社事業、提供サービスの展望を望み、 セールス領域で他企業と差別化できるデジタルマーケティング、 インサイドセールス確立を見据えプロジェクトを推進している。

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