カスタマーサクセスの秘訣はオンボーディングにあり!?重要な理由と進め方のポイントについて解説
様々な業界でSaaSサービスやサブスクリプションサービスを提供する企業が増え、カスタマーサクセスに注力する企業も増えてきました。
カスタマーサクセスを導入しようと思っても、どのように進めることが顧客に満足いただけることになるのかは、導入前にはなかなか判断がつかないものです。そこで本記事ではカスタマーサクセスにおけるオンボーディングの重要性や進め方のポイントを紹介します。カスタマーサクセス導入を検討中の担当者さま、ぜひご覧になってください。
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目次[非表示]
- 1.カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは
- 2.カスタマーサクセスでオンボーディングが重要な理由
- 2.1.LTV(顧客生涯価値)の最大化に繋がる
- 2.2.アップセル、クロスセルの促進
- 2.3.解約率の低下
- 2.4.カスタマーサクセス全体への影響
- 3.オンボーディングの実施ステップ
- 3.1.導入してから活用までの流れを整理する
- 3.2.ゴールとKPIを設定する
- 3.3.伝える情報とその手法を決める
- 3.4.PDCAを回す
- 4.カスタマーサクセスにおけるオンボーディングの3つの手法
- 5.カスタマーサクセスにおけるオンボーディングのKPI
- 5.1.オンボーディング完了率
- 5.2.解約率
- 5.3.顧客生涯価値(LTV)
- 6.カスタマーサクセスでオンボーディングをおこなう際の成功のポイント
- 7.カスタマーサクセス成功の秘訣はオンボーディングにあり!
カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは
カスタマーサクセスで使われる「オンボーディング」という言葉は、顧客が商品やサービスを使いこなせるまでの取り組み全般のことを言います。「使いこなせる」という状態は、製品の仕様や使い方、操作方法などをサポートの力なしに使えるようなレベルを指しています。
もともと「オンボーディング」という言葉は「船や飛行機の新しい乗務員などが早く環境に馴染めるようにサポートをおこなうプロセス」のことを指していました。次第に人事業界で「新入社員を定着させ、戦力になってもらうまでのプロセス」として使われるようになりました。その後、カスタマーサクセスの世界でも派生して使われています。
似たような言葉に「アダプション」があります。オンボーディングが導入して使いこなせるまでのフェーズであるのに対して、アダプションは使いこなせるようになってから定着するまでのフェーズを意味しています。
カスタマーサクセスでオンボーディングが重要な理由
次にオンボーディングが重要と言われる理由を解説します。
LTV(顧客生涯価値)の最大化に繋がる
SaaSサービスのような月額課金型のビジネスの場合には、契約が継続することがLTVの向上とほぼ同義です。そのため、オンボーディングで商品やサービスの導入に対して、ストレス無く、サービスを利用した価値をすぐに感じてもらい、製品に対して良い印象をもってもらえれば、継続してもらいやすくなります。
アップセル、クロスセルの促進
オンボーディングで継続して製品を利用してもらえる関係性が構築できれば、製品や提供企業に対して、良い関係性を築くことができます。関係性ができれば、現在利用中のプランよりも上位のプランの提案や他の製品の提案を聞き入れてもらいやすくなります。
解約率の低下
さらに、製品に対して満足感を感じてもらうことで、解約率を下げられるようになります。なお、オンボーディングが顧客にとって満足行く結果にならなければ解約に繋がってしまいます。
カスタマーサクセス全体への影響
カスタマーサクセスは製品を導入してから、継続利用し続けてもらい、解約されるまでずっと続くものです。カスタマーサクセスの担当者が最初に顧客と接するフェーズがオンボーディングであるため、オンボーディングの善し悪しによって、その後の顧客のフェーズでも影響が出てしまいます。
例えば、導入、運用、定着の3フェーズがあるとすると、導入でつまづいてしまうとそれよりも後ろの運用や定着フェーズに顧客が移行することはありません。顧客満足度を左右する重要なキーと言っても過言ではありません。
オンボーディングの実施ステップ
次にオンボーディングを実施する際の流れを解説します。
導入してから活用までの流れを整理する
まずは顧客が製品を導入して、活用できるまでに想定されることを整理します。導入する際に顧客のビジネスに活かすためにはどのような手順を踏む必要があるかなどを整理します。また、営業から引き継ぎがあれば、顧客情報や購入に至った背景などを確認しておきます。
ゴールとKPIを設定する
オンボーディングをおこなった際に、どのような状態になればオンボーディングが成功したか判断するゴールを設定します。ゴールは企業によって変わります。また、そのゴールが達成されたと判断できるKPIの設定も必要です。
例えば、初期設定が完了したことをオンボーディングのゴールとするなら、KPIとなるのは初期設定完了率や初期設定が完了するまでの時間などになります。
伝える情報とその手法を決める
ゴールが設定できたら、顧客の状況に合わせて伝える手法を決めていきます。例えば、大口顧客にあたるような場合は、1対1で個別のサポートをおこなったり、導入費用が高くない場合はセミナーなどの1対多の手法を使います。
PDCAを回す
オンボーディングの流れが決まった後は、実践して改善をしていきます。正解は無いものであるため、実際にやってみて、顧客からフィードバックを受けることが最短で成果に繋げる方法です。
カスタマーサクセスにおけるオンボーディングの3つの手法
次にオンボーディングを3つの顧客層に分けた手法を紹介します。
ハイタッチ
ハイタッチは大口の取引先、大口顧客に対しておこなうオンボーディング手法です。顧客一社ごとに担当者を付けて、訪問や直接相談などをします。提案する内容も顧客に合わせてオリジナルの提案をします。
ロータッチ
ロータッチは小口顧客向けの手法です。小口顧客へのアプローチとしてセミナーや勉強会などで一斉に伝えられる方法を用います。
テックタッチ
ロータッチで対応できないほどの数のLTVの低い顧客に対しては、テックタッチとしてメルマガやチャットボットなどのシステムでアプローチします。
▼テックタッチの仕組みやメリットについては、こちらで解説しています
→テックタッチはカスタマーサクセスにおける重要なタッチモデル!具体的な手法や導入手順を解説
カスタマーサクセスにおけるオンボーディングのKPI
自社でゴールを設定したとして、KPIはどのようにしたら良いのか悩むことがあるかもしれません。ここではオンボーディングのKPIについて解説します。
オンボーディング完了率
ユーザーがサービスを使えるようになったことを指す指標のことをオンボーディング完了率といいます。例としてはサービス導入後3ヶ月を経過したことや、サービス利用率が50%を超えたことなどがあります。
解約率
解約率もユーザーが定着しているかどうかの指標として使用できます。サブスクリプションサービスの情報を発信しているRecurly Researchによれば、SaaS業界では解約率は4.75%が平均的な割合です。そのため、平均的な割合で推移していくことをKPIとして設定することがあります。
顧客生涯価値(LTV)
顧客生涯価値(Life Time Value)は顧客一人当たりの契約終了までに支払う金額の総額を意味しており、「購入単価×購入頻度×契約期間」で計算されます。SaaSの場合、「LTVが高い=継続率が高い」であるため、オンボーディングのKPIになります。
▼カスタマーサクセスのKPIについては、こちらで解説しています!
→カスタマーサクセスのKPI設定手順|目標ごとのKPIを解説
カスタマーサクセスでオンボーディングをおこなう際の成功のポイント
次に、オンボーディングをおこなう上でのポイントを解説します。
顧客が抱える問題や悩み、つまづいている部分を把握する
製品を利用するにあたって、きっかけとなった悩みや不安、問題が顧客の中にあります。その問題や悩みを製品で解決できることが顧客満足に繋がる部分です。顧客と接する中で、顧客が「この製品なら解決できそう」と感じたことから導入が決まっています。そのため、問題や悩みはマーケティング担当者やフィールドセールス担当者が詳しく知っている可能性が高いです。役割を超えて、情報交換をできるようにしておきましょう。
サービスの利用方法だけでなく、メリットを伝える
サービスの利用を考えた際には、なんらかの問題や悩みを解決した状態になりたいと顧客は考えています。そのため、製品の利用方法を教えるだけではオンボーディングの成功とは言えません。利用方法を教える際には、その機能を使うことでどのように顧客が変化するかを伝えるようにしましょう。
継続的にコミュニケーションを取る
顧客からの問い合わせを待つだけでなく、カスタマーサクセス側からも継続的なコミュニケーションを取ることで、放置されてると感じさせること無く良好な関係を築くことができます。
会話の中で製品を利用した際の要望などがあれば、改善や新製品のアイデアとしてブラッシュアップしていくことができます。
カスタマーサクセス成功の秘訣はオンボーディングにあり!
カスタマーサクセスにおけるオンボーディングは顧客が商品やサービスを使いこなせるまでの取り組みのことです。機能や活用方法の案内はもちろん、どのようなメリットがあるかを顧客に合わせた手法でおこなっていく必要があります。実施していくことで、顧客満足度が上がり、LTVの向上、解約率の低減につながります。
しかし、自社でカスタマーサクセスの導入ができたとしてもオンボーディングをおろそかにしてしまうと、顧客に満足いただけなくなり、大口取引先になる可能性のある顧客を逃してしまう可能性があります。
キューアンドエーとカスタマーサクセスの成功に取り組むことで、カスタマーサクセスに精通したプロフェッショナルが「業務の設計」や「運用体制の構築」「最適なツール選定と使い方の支援」まで支援します。そのため、一人で悩むことなく、顧客満足度は上がり、アップセル・クロスセル、収益拡大を目指していけます。今すぐカスタマーサクセスについてご相談ください。
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