カスタマーサクセスのKPI設定手順|目標ごとのKPIを解説
企業に目標があるように、カスタマーサクセスにも目標となる指標があります。会社の状況によって異なりますが、よく目標にされる指標(KPI)があります。
自社ではどのようなKPIを設定したら良いのか悩んでいる方はこの記事が役に立ちます。本記事ではカスタマーサクセスにおける、KPIの設定手順や代表的なKPI、KGIごとのKPI設定を紹介します。カスタマーサクセスの方針を思案中の担当者は、ぜひご覧になってください。
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目次[非表示]
- 1.カスタマーサクセスとは
- 2.カスタマーサクセスの目標達成を可視化する指標とは
- 2.1.KPIとは
- 2.2.KGIとは
- 2.3.KPIとKGIの違い
- 3.カスタマーサクセスの代表的なKPI
- 3.1.LTV(顧客生涯価値)
- 3.2.解約率
- 3.3.アップセル/クロスセル率
- 4.カスタマーサクセスのKPI設定ステップ
- 5.カスタマーサクセスのKGIごとの設定すべきKPI
- 5.1.KGIに合わせたKPIを設定する
- 5.2.KPIだけで評価しない
- 5.3.達成可能なKPIを設定する
- 5.4.KPIを定期的に見直す
- 5.5.KPIに合わせて評価をおこなう
- 6.カスタマーサクセスのKPIはKGIから逆算して設定しよう
カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスは顧客が成功体験をするための取り組みや役割を言います。顧客が購入した製品そのもので達成できることや顧客のビジネスでの成功を支援しており、その結果、製品を利用し続けてもらうことに繋がります。
▼カスタマーサクセスの概要から具体的な業務内容については、こちらで解説しています!
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カスタマーサクセスの目標達成を可視化する指標とは
製品を利用し続けてもらうことや売上を増やすなどの目標があるようにカスタマーサクセスにも目標が設定されます。ここでは目標達成のための指標である、KPIとKGIについて解説します。
KPIとは
KPIはKey Performance Indicatorsというフレーズの略で、日本語では重要業績評価指標と言われています。業務を分けて考え、項目ごとに目標達成の度合いを考える指標です。達成度合いの低い指標に対してのアクションが取りやすい特徴があります。
KGIとは
KGIはKey Goal Indicatorというフレーズの略で、日本語では重要目標達成指標と言われています。ビジネスにおける、最終的なゴールを計測可能なもので評価する基準です。売上額や利益率などがよく用いられます。
KPIとKGIの違い
最終的なゴールとなるKGIは結果を見る指標であるのに対して、KPIはKGIが達成されるまでの過程を見る指標です。
過程であるいくつかのKPIを達成した先に、ゴールであるKGIがあります。
カスタマーサクセスの代表的なKPI
それでは、カスタマーサクセスの場合のKPIにはどのようなものがあるのでしょうか?
LTV(顧客生涯価値)
LTVは顧客がサービスの契約から解約するまでの期間にもたらす収益の総額を示す指標です。
ビジネスモデルによって計算方法が少しだけ変わります。以下の3つはどれもLTVの計算式です。
● 購入単価×購入回数×継続期間
● 顧客1人客あたりの年間取引額 × 収益率 × 顧客1人あたりの継続年数
● 顧客の平均単価×粗利÷解約率
単価を高めるか、継続期間を増やすことでLTVは高められます。
解約率
SaaS企業で売上や利益の額や割合をゴールに設定した場合、KPIになりやすいのは解約率(チャーンレート)です。契約顧客数よりも解約数が上回ってしまうと売上は下がってしまうためです。どのようにすれば解約されずに継続してもらえるか考えて実行していくことが、カスタマーサクセスの腕の見せ所です。
アップセル/クロスセル率
より高単価なプランを利用してもらうアップセル。他の製品も利用してもらうクロスセル。どちらも客単価向上のための方法です。これらを受け入れてもらえる割合がわかれば、長期的な売上の見込額が見えてきます。
カスタマーサクセスのKPI設定ステップ
それでは実際にKPIを設置する際のフローを解説します。
KGIを決める
最初に決めることはKGI、つまり経営上のゴールです。状況によって変わってくる部分ですので、自社に合ったKGIを設定しましょう。例えば、設備投資を回収するためには、年間の利益額が1億円必要だとすれば利益率がKGIになるでしょう。
現状の把握
企業によって状況が異なるため、現状の良い点、悪い点を整理して、数カ月後、1年後までにどのような状況にしておきたいかを整理します。
KPIの設定
次にKPIの設定です。先述の例のように、利益額を年間で1億円達成することをゴールとすると、利益率〇〇%で■■ヶ月継続されれば達成できるといった、具体的な数値が出てきます。この数字目標がKPIです。この場合は利益率と解約率がKPIになります。
カスタマーサクセスのKGIごとの設定すべきKPI
カスタマーサクセスでKPIを設定する際には次の5つの注意点があります。これらの注意点について解説します。
KGIに合わせたKPIを設定する
全体目標であるKGIに対して、KPIはKGIを達成するための数値目標にします。特に「SMART」に当てはまるように設定することが重要です。「SMART」とはSpecific:明確性、Measurable:計量性、Achievable:達成可能性、Relevant:関連性、Time-bound:適時性のイニシャルを取った言葉です。
KPIだけで評価しない
KPIを絶対的なものとせずに取り組むことが重要です。KGIを達成するためにはKPIも大切ですが、顧客の声を聞いて別角度から取り組むことがKGI達成になる場合もあります。また、KPIに固執してしまうことで、顧客満足度が下がってしまうようなパターンもあります。
達成可能なKPIを設定する
机上の空論にならない、現場の人間が達成できると感じられるKPIにすることが重要です。もし、実現が不可能だと感じられるようなKPIの場合、形骸化が進んでしまい、目標達成に取り組む人間が減ってしまいます。
KPIを定期的に見直す
数ヶ月や1年などの周期でKPIは見直すようにしましょう。ビジネスや顧客の変化によって、目指すべきKPIが変化することは不思議ではありません。あらかじめ、見直すスパンを設定して置くことで、変化に柔軟に対応できるようになります。
KPIに合わせて評価をおこなう
設定して進捗状況を確認するだけでは、十分なパフォーマンスは出せません。KPIに対して、達成しているか、達成していないか、達成していないのであれば、どのような原因が考えられるかなどを分析して、改善していく必要があります。
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カスタマーサクセスのKPIはKGIから逆算して設定しよう
カスタマーサクセスが目標とするべきKPIはビジネス全体のKGIから逆算して設定することで、カスタマーサクセスだけでなくビジネス全体の成功につながります。KPIの設定をする際は実現可能であるかなどの「SMART」に沿ったものになっているようにしましょう。
カスタマーサクセスでもKPIを設定しようと思った時、自社では何を設定したら良いのか迷ってしまうことがあるかもしれません。KPIがないと、現場の担当者の裁量に任せるだけで方針のない部署になってしまい、最大限のパフォーマンスは期待できません。
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