インサイドセールスとは?基礎知識やメリット、やり方をご紹介

働き方改革やテレワークが普及したことで新たな営業として「インサイドセールス」が注目されています。従来の訪問型営業とは大きく異なる営業手法のため、どのように進めていくのか、果たして成果が出るのか気になる方も多いでしょう。

本稿では、インサイドセールスの基礎知識からメリット、実際に導入して成功した企業事例までわかりやすく解説します。この記事をお読み頂くことで、インサイドセールスと従来型訪問営業との違いを理解できるようになりますので、ぜひご覧ください。

目次[非表示]

  1. 1.インサイドセールスとは?
    1. 1.1.テレマーケティングとの違いは?
    2. 1.2.インサイドセールスの効果とは?
  2. 2.インサイドセールスのメリット・デメリット
    1. 2.1.インサイドセールスのメリット
    2. 2.2.インサイドセールスのデメリット
  3. 3.インサイドセールスの導入までの準備
    1. 3.1.営業フローの設計
    2. 3.2.部門立ち上げと責任者の配置
    3. 3.3.顧客リストの準備
    4. 3.4.KGI・KPIの設定
  4. 4.インサイドセールスで成果を上げるポイント
    1. 4.1.フィールドセールス部門と連携する
    2. 4.2.定例会を開き検証・改善を繰り返す
    3. 4.3.CRMツールを導入する
  5. 5.まとめ

インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、見込み顧客(リード)に対して、電話や、メール・ビデオチャットなどのオンラインツールによって遠隔で営業活動をする手法です。従来営業活動の主流だった訪問型の外勤営業(フィールドセールス)と異なり、インサイドセールスは直接訪問や対面での商談は行わず、あくまでも内勤の営業スタイルであることが特徴です。


テレマーケティングとの違いは?

テレマーケティングとインサイドセールスは、どちらも内勤で営業活動を行うため混同されがちですが、性質は大きく異なります。

インサイドセールスではコミュニケーションを通じて見込み顧客と深い関係構築を図りながら、相手が気づいていない潜在的な課題を顕在化していくことが重要視されます。その他両者の違いを以下にまとめました。


インサイドセールスの効果とは?

インサイドセールスを導入することで大きく4つの効果が得られます。

 ・見込み顧客の購買意欲の醸成ができる

 ・顧客の深い情報まで詳細に把握できる

 ・顧客満足度、ロイヤリティが向上する

 ・検証を繰り返すことで精度が向上する

インサイドセールスは「売り込むこと」ではなく「信頼関係を構築すること」に重きを置きます。インサイドセールスに取り組むことで、顧客は自社のファンになり、代用が利かない存在となるのです。 


インサイドセールスのメリット・デメリット


インサイドセールスには、メリットとデメリットが存在します。インサイドセールスはあくまで手段ですので、目的に応じて使い分けるようにしましょう。


インサイドセールスのメリット

成約率が高い状態でフィールドセールスに引き渡しできる

インサイドセールスを行うことで見込み顧客の購買意欲が高まった状態で、フィールドセールス(外勤営業)に引き渡しができます。引き渡しされたフィールドセールスは、顕在化された課題に 対して、具体的な解決策の提案に専念できるため、クロスセルやアップセルも期待できます


顧客生涯価値(LTV)が向上する

インサイドセールスで顧客との深い信頼関係を構築することで、顧客生涯価値(LTV)向上に影響を与えます。顧客生涯価値=LTV(Life Time Value)とは、一社の顧客が、特定の企業・ブランドと取引を開始してから終わるまでにどれだけの利益をもたらしてくれるかを測る指標のことです。一般的に、企業やブランドに対して抱いているロイヤリティが高い顧客ほど、LTVが高いとされています。LTVは以下の計算式で算出されます。

  LTV=顧客の平均購入単価×平均購入回数

つまり1回の取引で売上額を最大化するよりも、少額でも長く・多く取引してもらうほうがLTVは高くなります。


インサイドセールスのデメリット

部門横断での密な情報共有が必要

インサイドセールスは、マーケティング部門が獲得したリードに対し、メールやWebミーティングにより信頼関係を構築します。そこでニーズが顕在化したタイミングでフィールドセールスに繋げるため、部門間の連携と顧客の細かな情報共有が必要となります。

そのため、一人のフィールドセールスが新規リードの獲得から関係構築、商談まで全てを行う場合と比べると、社内コミュニケーションが増えるでしょう。


顧客管理に労力が掛かる

顧客と会話した内容や、いつ・だれに・なにをしたかなど、すべてを履歴として記録していく必要があるため、顧客管理の労力が増します。今まで顧客リストをExcelなどで管理していた場合は、入力の手間が増えることは避けられません。

保存したデータにいつでも・だれでもアクセスするためには、CRM(顧客関係管理)ツールの利用がおすすめです。


インサイドセールスの導入までの準備


インサイドセールスを導入して成果を生み出すには、一つひとつのプロセスを正しく運用することが重要です。ここではインサイドセールスの導入手順を解説します。


営業フローの設計

まずはインサイドセールスをどのように進めていくか営業フローの設計を行います。既存の営業フローを整理した上で、インサイドセールスがどこまでの役割を担い、他部署とどのように関わっていくかを決めていきます。


部門立ち上げと責任者の配置

インサイドセールスを導入する場合、新たに担当部署を設ける必要があります。また、必ず部門責任者を配置し、どこまでの権限をもたせるかまで決めておくようにしましょう。


顧客リストの準備

インサイドセールスで用いる顧客リストは一般的なテレアポと異なり、連絡先や担当者名だけでは不十分です。過去の営業履歴、購買実績、満足度、顧客が抱えている課題など、より詳細な情報をデータとして記録していく必要があります。

顧客情報のデータ化・一元管理には、主にCRMやSFAなどのクラウドツールが用いられます


KGI・KPIの設定

インサイドセールスの目的は顧客関係性の構築ですが、その実現に向けて具体的なKGIとKPIの設定が必要です。インサイドセールスにおいて何をKPIに設定するかは、組織の状況によって異なります。

一般的には、有効アポイント取得数、ニーズ獲得数などがあります。ただし、電話件数やメール送付件数など、行動量をKPIに設定することは控えた方がいいでしょう。行動量を重視するようになると、顧客とのコミュニケーションの質が下がり、本来のインサイドセールスの目的からずれてしまう可能性があるためです。

(参考記事:インサイドセールスのKPI|正しい目標設定と改善ポイントとは?


インサイドセールスで成果を上げるポイント

ここでは、インサイドセールスで成果を上げるためのポイントを3つ解説します。


フィールドセールス部門と連携する

インサイドセールスはフィールドセールスと連携を密接に行う必要があります。インサイドセールスの主な目的は、顧客の購買意欲向上と信頼関係の構築であり、見込み度合いが高まった顧客はホットな状態でフィールドセールスにつなげていくことがミッションです。

そのため、顧客に関する詳しい情報は正確に顧客データベースに残す必要があります。また、フィールドセールスから顧客に対して質問を受けたときにも速やかに答えられるように、日頃から情報に関して敏感である必要があります。


定例会を開き検証・改善を繰り返す

週1回など定例会を開催し、KPI進捗や課題の共有を行い、改善を繰り返すことでより高い成果に導くことが可能になります。とはいえ事業は当初の計画どおりにいかない場合が多いもの。大切なことは、都度検証し状況に応じて微調整を行いながら軌道に乗せていくことです。


CRMツールを導入する

CRMツールとは、顧客関係管理を行うシステムのことです。顧客情報をシステム上で一元管理し、過去の履歴を見える化することで、顧客との良好な関係構築や顧客満足度の向上に役立ちます。今までExcelなどで属人的に管理していた顧客情報をデータベースに保管することで、自社の顧客資産として蓄積が可能です。営業担当者が退職をしても顧客情報は記録されているため、引き継ぎにも役立ちます。

(参考記事:インサイドセールスの事例5選から学ぶ成功の秘訣とは?​​​​​​​


まとめ

本稿ではインサイドセールスについて、基本概要、メリット・デメリット、導入手順にいたるまで解説をしました。

インサイドセールスはあくまでも営業手法のひとつですので、成果が出るかどうかは、事業内容や現状の課題によって異なります。特にインサイドセールスは数値による分析・検証や、各部門の連携が肝になるため、従来の営業担当者一人に属人的に任せていた場合は、考え方から大きく変える必要があるでしょう。

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キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
複数のコンタクトセンター責任者を経て、キューアンドエーに2018年中途入社。 ICT(「情報通信技術」)に特化したコンタクトセンターとオンサイトサポートをメインに、大手クライアントのインサイドセールスプロジェクト責任者としてデジタル基盤から体制までを一から立ち上げる。 中期計画にて自社事業、提供サービスの展望を望み、 セールス領域で他企業と差別化できるデジタルマーケティング、 インサイドセールス確立を見据えプロジェクトを推進している。

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