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これだけは気を付けたい!カスタマーサクセス失敗事例3選から学ぶ成功の秘訣【2024年版】

顧客と長期的な関係を築くには、カスタマーサクセスの取り組みが有効です。多くの企業が試行錯誤を繰り返しながらカスタマーサクセスに取り組む中で、失敗してしまう企業には「共通点」があります。

カスタマーサクセスを成功させるには、いくつもの企業が失敗した共通事例を踏まえ、同じ過ちを繰り返さないことが大切です。失敗の元となる事象と解決策を知っておけば、事前に対策を講じることができるでしょう。

本記事では、カスタマーサクセスによくある3つの失敗事例をもとに、注意すべきポイントと成功の秘訣を紹介します。カスタマーサクセスを導入検討中の担当者さまは、ぜひご覧になってください。

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目次[非表示]

  1. 1.カスタマーサクセスの失敗事例3選
    1. 1.1.失敗事例①:「解約率」を最重要KPIとして活動してしまう
    2. 1.2.失敗事例②:オンボーディングの範囲を広げ過ぎてしまう
    3. 1.3.失敗事例③:カスタマーサクセスに関わる部門間で連携が取れていない
  2. 2.カスタマーサクセス失敗事例を踏まえた成功のポイント
    1. 2.1.①KPIを「正しく設定」し、活動の目的を理解する
    2. 2.2.②カスタマージャーニーマップを作成し、オンボーディングの「優先順位づけ」をおこなう
    3. 2.3.③部門間で定期的な情報共有の機会を設け、連携を強化する
  3. 3.カスタマーサクセスの導入はキューアンドエーにお任せください

カスタマーサクセスの失敗事例3選

カスタマーサクセスが失敗する原因は、大きく分けて「ノウハウの不足」「体制構築の問題」2つに分類されます。では、カスタマーサクセスの失敗事例を詳しく見ていきましょう。


失敗事例①:「解約率」を最重要KPIとして活動してしまう

1つ目の失敗事例が「解約率を最重要KPIとして活動してしまう」です。カスタマーサクセスを立ち上げる企業の多くは、「サービスの解約率を下げる」ことだけを目的に活動開始するケースがよくあります。そのため、サービス解約率をカスタマーサクセス活動の「最重要KPI」に設定しまいがちです。

組織活動において、解約率を改善し既存顧客から収益を上げることは必須です。ただし、解約率の低下のみを目指し、現場部門がカスタマーサクセスに取り組むと問題が生じます。解約率の低下を防ぐため、たとえば3カ月後に更新を控える顧客全員に連絡を取り、「契約更新の依頼」や「今からできる支援がないか模索する」といった場面がよくあります。

しかしサブスクリプションを始めとするサービスの解約意思決定は、付け焼き刃の活動で変化させられるものではありません。契約期間全体の成果や、もしくは契約以前からの顧客体験によって更新可否は決まります。このような解約阻止のみを目指した活動は、顧客体験を毀損してしまい逆効果になることが多いです。

カスタマーサクセスの意義や効果を正しく理解できていないことが原因で、解約率を最重要KPIとし、「とにかく解約を阻止する」という活動をしてしまうと、カスタマーサクセスが失敗に終わってしまう可能性が高いでしょう。


失敗事例②:オンボーディングの範囲を広げ過ぎてしまう

2つ目の失敗事例が「オンボーディングの範囲を広げ過ぎてしまう」です。カスタマーサクセスでもっとも重要となるのが「オンボーディング」です。オンボーディングとは、顧客がサービスを使い始めてから使用方法や機能を理解し、「サービスを使いこなせるまで支援するプロセス」を指します。このオンボーディングの範囲を広げ過ぎてしまうと、顧客をうまくリードできません。



顧客が解決したい課題は数多くあるため、すべてをカバーしようとすると「カスタマーサクセス」と「顧客」双方の負担が大きくなります。課題範囲を広げ過ぎてしまうと課題が解消されない状態が続き、顧客のモチベーションが徐々に下がっていきます

結果的に顧客が優先すべき課題に向き合えなくなり、サービスをうまく使いこなせずオンボーディングが失敗に終わってしまうのです。

■カスタマーサクセスにおけるオンボーディングの重要性や進め方のポイントについては、こちらで解説しています!
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失敗事例③:カスタマーサクセスに関わる部門間で連携が取れていない

3つ目の失敗事例が「カスタマーサクセスに関わる部門間の連携不足」です。営業担当者はサービス受注にいたるまでの過程で、顧客に「課題解決に向けた提案」をおこないます。契約成立後、顧客はサービス利用を開始したものの提案通りに課題が解決せず、サービスを解約してしまうことがよくあります。

この問題の背景には、営業担当者とカスタマーサクセスチーム間における「コミュニケーション不足」が潜んでいます。顧客の課題を解決するには、部門間の連携が欠かせません。部門間の関係が気薄なことで、「営業担当は顧客からどのような相談を受けていたか」「どのような解決策を示していたか」などの情報が、共有されていないのです。

顧客の抱える課題やニーズを部門間で共有できていないことで、顧客がそのしわ寄せを被ってしまい、結果的にサービス解約の事態を招いてしまいます。


カスタマーサクセス失敗事例を踏まえた成功のポイント

カスタマーサクセスの失敗事例を踏まえ、成功に必要な3つのポイントを紹介します。


①KPIを「正しく設定」し、活動の目的を理解する

カスタマーサクセスを成功させるには、「正しいKPIの設定」と「活動目的の理解」が必要です。

失敗事例で挙げたように、解約率を最重要KPIに設定し「なにがなんでも解約を阻止する」という目的で活動することは、カスタマーサクセスとして適切ではありません。カスタマーサクセス活動で顧客満足度が上がり、結果として「解約率が下がる」という仕組みを作ることが重要です。カスタマーサクセスチームとして解約率を追っていくことは重要ですが、解約阻止のみを目的に活動することは避けましょう。

解約率のほかにも、カスタマーサクセス活動の成果を判断しやすいKPIを設定しましょう。一例として、下記のような指標があげられます。


  • オンボーディング完了率
  • 利用継続率
  • アップセル/クロスセル率


特に「オンボーディング完了率」は、中間指標として非常に重要です。なぜなら、サービスに対する顧客の導入意欲が高いうちに運用を開始できる状態まで誘導することが、利用の継続や解約阻止につながるからです。「申し込みから1か月間で初期設定が完了し、1週間のログイン率が〇%以上である」など、自社のサービスに合わせて「オンボーディング完了」を定義し、計測する仕組みを作りましょう。

このように、カスタマーサクセス活動の目的や各KPIを計測する目的を、関わるメンバー全員が理解することが重要です。KPIをもとにPDCAを廻し、カスタマーサクセス活動をブラッシュアップさせましょう。


②カスタマージャーニーマップを作成し、オンボーディングの「優先順位づけ」をおこなう

カスタマーサクセスの取り組みには、顧客がサービスを使いこなすための「オンボーディング」の支援が欠かせません。オンボーディングを成功させるには、事前に優先順位を整理し、オンボーディング期間に案内する内容を厳選することが重要です。

たとえば「初期設定方法と基本的な3機能のみご案内する」など、線引きをして情報を詰め込みすぎず、一定の期間で顧客が無理なく利用開始できるように設計することがポイントです。

応用機能などを詰め込みすぎると、期間内でオンボーディングが終わらなかったり、結局使いこなせず解約に至ってしまうことがあるので注意しましょう。

顧客が解決したい課題を整理し、カスタマーサクセス担当者が「適切なタイミング」で「適切な支援」をおこなうことで、顧客の課題解決をリードできます。

顧客課題の洗い出しと支援方法を明確化するには「カスタマージャーニーマップ(1)」が有効です。カスタマージャーニーマップを作成し、フェーズごとに「顧客の心理」や「行動」を整理することで、顧客が「どのようなとき」に「どのようなサポートを受けたいのか」を可視化できます。それにより、顧客に必要な情報やアプローチが見えてくでしょう。カスタマージャーニーマップを関係者で共有することで、オンボーディングだけでなく、その後の活動の優先順位づけにも役立ちます。

また、売り上げへの貢献度から顧客にも優先順位をつけて対応することが重要です。人的リソース以外にデジタルツールを活用することで、より適切かつ効率的な顧客フォローが可能となり、オンボーディングの成功につながるでしょう。

(1)顧客が商品を認知して購入するまでの行動プロセスを、行動パターンや思考、感情などの項目で分析するためのフレームワーク


③部門間で定期的な情報共有の機会を設け、連携を強化する

カスタマーサクセスを成功させるには、部門間の連携強化が必須です。たとえば 営業担当者が持つ「顧客がサービス購入に至った経緯」や「顧客が解決したい課題」などの情報は、カスタマーサクセスチームが理解しておくべき情報です。

反対にカスタマーサクセスチームが持つ、多くの顧客からの共通質問やツールの改善要望、便利な活用方法は、営業担当者や開発部門にとって有益な情報です。カスタマーサクセスが顧客から受けた要望を開発部門に即座に連携し、プロダクトに反映させることで顧客満足度が高まるでしょう。

これら有益な情報を部門間でスピーディーに共有できる体制を整えることで、各部門の「対応品質」と「サービスの質」が向上します。連携を強化するため、部門間で定期的にミーティングを開催し、チャットツール等で気軽に情報交換できる良い関係を築きましょう。

良い関係を築くことで、顧客側でアクシデントが起きた際や担当者が変わった場合でも、部門間で連携して素早く対応できます。


カスタマーサクセスの導入はキューアンドエーにお任せください

カスタマーサクセスは、企業が持続的な成長を遂げるために必要な取り組みです。日本では立ち上げノウハウや運用ノウハウを持つ人材がまだまだ少なく、各企業ともにトライ&エラーを繰り返しながら試行錯誤しています。カスタマーサクセス導入時は、立ち上げノウハウを持つ外部コンサルを活用する方が、成功確率を高められるでしょう

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また、お客さまに成り代わって、キューアンドエーの人材がカスタマーサクセス運用代行を担うことも可能です。カスタマーサクセス実現に向けて「顧客フォローの体制」と「仕組み」を構築し、内製化の支援から外注化による運用代行まで、幅広くお客さまを支援いたします。

カスタマーサクセス導入や運用に悩む企業のご担当者さま、ぜひキューアンドエーに相談ください。取引企業の契約継続、アップセル・クロスセル、収益拡大をキューアンドエーが支援し、お客さまの事業成長に貢献します。

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キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
複数のコンタクトセンター責任者を経て、キューアンドエーに2018年中途入社。 ICT(「情報通信技術」)に特化したコンタクトセンターとオンサイトサポートをメインに、大手クライアントのインサイドセールスプロジェクト責任者としてデジタル基盤から体制までを一から立ち上げる。 中期計画にて自社事業、提供サービスの展望を望み、 セールス領域で他企業と差別化できるデジタルマーケティング、 インサイドセールス確立を見据えプロジェクトを推進している。

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