ChatGPTを使うリスクは?情報漏洩などのリスクと対策について解説


近年、多くの企業がビジネスの中で「ChatGPT」の活用を始めています。特に、最新モデルのGPT-4はテキストだけでなく画像データも扱えるようになり、その活用の幅がさらに広がっています。
しかし、ChatGPTの利用にはいくつかの懸念点が指摘されており、その安全性についての議論が高まっています。本記事では、ChatGPTの安全性に関するリスクやそれに対する具体的な対策について詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ChatGPTの情報漏洩リスクはあるのか
  2. 2.ChatGPTは安全? 指摘されているリスクを紹介
    1. 2.1.① 機密情報の漏洩
    2. 2.2.② 情報の正確性
    3. 2.3.③ 著作権の問題
    4. 2.4.④ サイバー攻撃への悪用
  3. 3.ChatGPTを安全に使うための対策
    1. 3.1.① 機密情報は入力しない
    2. 3.2.② 人間による正確性のチェック
    3. 3.3.③ ChatGPT利用ルール(ポリシー)を定める
  4. 4.まとめ


ChatGPTの情報漏洩リスクはあるのか

ChatGPTは、米国OpenAI社によって開発された先進的な言語モデルです。インターネット上の膨大なデータをもとに、質問に対して最適な回答を提供する特性から、その安全性については多くのユーザーや企業から関心が寄せられています。
OpenAI社のセキュリティポータルでは、以下のようなセキュリティ対策が施されていると伝えています。


保存時の暗号化   

すべての顧客データは保存時に暗号化される

転送中の暗号化  

すべての顧客データは転送中に暗号化される

データ侵害の通知   

顧客データに関連するデータ侵害が発生した場合、ユーザーに通知される

データ漏洩の監視

エンドポイント上のリムーバブルメディアの利用を制限し、データ漏洩や不審なアクティビティを監視するツールを導入している

侵入テスト

毎年、第三者による侵入テストを実施している


これらの対策に加えて、OpenAI社はさまざまなセキュリティポリシーやガイドラインを整備しています。これにより、基本的な利用シーンにおいては、ChatGPTの安全性は高いといえるでしょう。

しかしながら、過去には機密情報漏洩の事例も報告されているため、完全に安全とは言い切れません。
特にChatGPTを利用する際は、機密情報や個人情報を提供しない方が賢明です。またビジネスの現場や重要な情報を扱う場面では、常に最新のセキュリティ情報を確認し、適切な対策を講じることが求められます。


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ChatGPTは安全? 指摘されているリスクを紹介

ChatGPTは、OpenAIが開発した言語モデルとして近年注目を集めており、インターネット誕生以来の技術革新ともいわれています。ChatGPTは、ユーザーの命令文に対し、まるで人間のように自然な言語で回答する能力を持つため、多くのビジネスシーンでの活用が進められています。
しかし、その利用にはいくつかのリスクが伴うため注意が必要です。ここでは、ChatGPTの利用における主なリスクについて詳しく解説します。



① 機密情報の漏洩

ChatGPTの使用に関する最も大きな懸念として、機密情報の漏洩が挙げられます。ChatGPTは、ユーザーからの入力を学習データとして取り込む設計になっているため、機密情報や個人情報を入力してしまえば、第三者に情報が漏れる可能性があります
過去には、ある企業がChatGPTを業務利用したところ、機密情報の流出事故を起こした例もあるため細心の注意が必要です。このような事例を鑑みると、ChatGPTの使用に際しては、機密情報の入力を控える必要があるといえるでしょう。


② 情報の正確性

ChatGPTが提供する回答には、不正確な情報が混じることがあります。例えば、ある人物のことを調べようとChatGPTに質問をすると、年齢や経歴など事実と異なる情報を回答することも少なくありません。
この理由としては、ChatGPTはインターネット上で取得した膨大な情報や過去に学習した内容をもとに情報同士を関連付けて回答を生成する仕組みです。そのため、ChatGPTが誤った情報を学習している場合は、それに基づいて不正確な回答を提供する可能性があります
そのためユーザーは、ChatGPTの回答が必ずしも正確でないことを理解した上で、エビデンスを確認するなどして情報の正確性を担保しましょう


③ 著作権の問題

ChatGPTの使用における著作権の問題は、近年のAI技術の進展とともに浮上している大きな課題の一つです。ユーザーが著作権で保護されたコンテンツをChatGPTに入力すると、その情報が学習データとして蓄積される可能性があります。さらに、その蓄積されたデータが第三者への回答データとして再利用されるリスクも考えられるでしょう。
例えば、ある著作物の一部をChatGPTに入力した場合、その情報が他のユーザーの質問に対する回答として生成される可能性があります。このような状況は、著作権の侵害となる可能性が高く、ユーザー自身が法的なリスクを背負うことになるかもしれません

したがって、著作権で保護された情報の入力は控えるべきであり、ChatGPTの使用に際しては著作権に関する知識の習得も必要です。


④ サイバー攻撃への悪用

ChatGPTは複雑なプログラムや文章、音声、画像を自動的に生成する能力があるため、悪意がある者によってサイバー攻撃に利用されるリスクもあります。例えば、ChatGPTを使用してフィッシングサイトの誘導文を生成したり、悪意のあるコードを書くような指示を出すことが考えられます。
 
さらに、ChatGPTのユーザー自身もサイバー攻撃の対象となるリスクがあります。悪意のある者がChatGPTを使って攻撃用のスクリプトやコードを生成し、それをユーザーに対して実行させるような手法が考えられます。
ユーザーが知らないうちに不正な操作をおこなうことで、自身のデータが漏洩する危険性や、他のシステムへの攻撃の踏み台とされる可能性があります。
OpenAIは、このようなリスクを認識しており、不適切な質問やリクエストには回答しないようなセーフガード機能を導入しています。しかし、この機能も完璧ではなく、セーフガードを回避される可能性もゼロではありません。そのため、ChatGPTを使用する際はリスクも常に考慮する必要があります。


ChatGPTを安全に使うための対策

ChatGPTの利用には多くのメリットがありますが、同時にリスクも伴います。安全にChatGPTを活用する際はそのリスクを理解した上で、適切な対策を講じることが不可欠です。ここでは、ChatGPTを安全に使用するための主な対策を詳しく解説します。



① 機密情報は入力しない

ChatGPTは、ユーザーから与えられた命令文(プロンプト)を、モデルの学習材料として使用する設計です。つまり、ユーザーが入力した情報は、将来の回答生成に影響を与えています。それがどういったリスクをもたらすかといえば、機密情報や個人情報を入力すると、それが他のユーザーへの回答として出力されてしまうのです。
企業の内部情報や個人のプライバシーが外部に漏れてしまえば、信用の失墜や法的な問題を引き起こす可能性もあります。ChatGPTの利用時には、絶対に機密情報や個人情報を入力しないよう注意しましょう。その他にも、対話の履歴を保存しない設定にすることで、安全性を確保することもできます。


② 人間による正確性のチェック

ChatGPTは多岐にわたる情報をもとに回答を生成しますが、その全てが正確であるわけではありません。インターネット上の誤った情報や、偏った意見を元にした回答が生成されることもあるため、得られた情報の正確性を確認することが不可欠です。
特に、重要な判断を下す際や公的に情報を発信する場合は、第三者の目での確認や外部の情報源との照らし合わせ、情報が正しいか必ず確認しましょう。


③ ChatGPT利用ルール(ポリシー)を定める

業務上でChatGPTを活用する際は、その使用方法や範囲に関する明確なルールを設定することが重要です。利用ルール(ポリシー)を設けることで、誤った情報の発信や不適切な利用を防ぐことに繋がります
例えば、入力すべきでない情報のカテゴリーや、得られた回答の確認手順などを明文化することが考えられます。ルールの設定後は全従業員に周知徹底し、理解を深める教育も欠かせません。さらに、ChatGPTの利用規約を事前に確認し、適切な利用を心がけることも必要です。


まとめ

ChatGPTは高度な言語モデルにより、多くの企業や団体、個人に利用されています。正しく使いこなすことで、業務効率化や生産性向上をもたらすでしょう。一方、ChatGPTはあくまでツールの一つであり、それを活用する人の手によってリスクも伴います。
とりわけビジネスシーンで利用する際は、扱いに対する十分な知識と理解を持つことが大切です。今回紹介したとおり、ChatGPTを安全に利用するためには、機密情報の入力を避ける、回答結果のチェックをおこなう、利用ルールを明確にするなど適切な対策を講じましょう。

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キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
複数のコンタクトセンター責任者を経て、キューアンドエーに2018年中途入社。 ICT(「情報通信技術」)に特化したコンタクトセンターとオンサイトサポートをメインに、大手クライアントのインサイドセールスプロジェクト責任者としてデジタル基盤から体制までを一から立ち上げる。 中期計画にて自社事業、提供サービスの展望を望み、 セールス領域で他企業と差別化できるデジタルマーケティング、 インサイドセールス確立を見据えプロジェクトを推進している。