セールスイネーブルメントツールとは?目的別の選び方と比較方法について解説!【2024年版】
セールスイネーブルメントを組織に導入し、正しく推進するためにはデジタルツールの利活用が重要になります。fast-askが「営業の仕事をしていたことがある」20代~60代の男女を対象にした調査では、営業職に従事したことがある80.2%の人が「セールスイネーブルメントツールを使用したことがある」と回答していることから、セールスイネーブルメント推進時には、ツールを導入する企業も多いことが分かります。
セールスイネーブルメントツールはさまざまな機能が備わっており、複数種のツールが展開されていることから、ツール選びに悩む担当者の方も多いかもしれません。今回の記事ではセールスイネーブルメントツールの目的別の選び方と比較方法を解説します。セールスイネーブルメントツールの効果についても解説していますので、ツール導入にぜひ役立ててください。
目次[非表示]
- 1.セールスイネーブルメントツールとは ?
- 2.インサイドセールスのメリット
- 2.1.インサイドセールスのデメリット
- 2.2.セールスイネーブルメントツールで実現できること
- 2.3.CRM・SFAとの違い
- 2.3.1.【CRMでできること】
- 2.3.2.【SFAでできること】
- 3.目的別の選び方と選定ポイント
- 3.1.ツールタイプ①
- 3.2.ツールタイプ②
- 3.3.ツールタイプ③
- 3.4.ツールタイプ④
- 3.5.選定ポイント①:対応すべき業務の内容と範囲を決める
- 3.6.選定ポイント②併走支援の有無
- 3.7.選定ポイント③既存の営業支援システムとの連携性
- 4.営業活動における効果
- 4.1.分析に必要なデータの収集・活用
- 4.2.部署間の連携機能の活用
- 4.3.営業スキルの向上
- 4.3.1.【コーチングとトレーニング】
- 4.3.2.【教育とスキルマップ】
- 5.顧客対応の改善
- 5.1.顧客ニーズの把握とパーソナライズ
- 5.2.商談の効果的な進め方
- 5.3.コミュニケーションの質向上
- 6.セールスイネーブルメントの対応はキューアンドエーのコンサルティングサービスにお任せください
セールスイネーブルメントツールとは ?
セールスイネーブルメントツールとは、営業シーンにおける業務効率を上げ、組織全体の営業力を強化・最適化するためのツールです。セールスイネーブルメントツールは営業業務の中でもおもに、セールスイネーブルメントとインサイドセールスに用いられます。
ここでは、セールスイネーブルメントとインサイドセールスを導入して得られるメリットのご説明とともに、セールスイネーブルメントツールとその他のツールであるCRMやSFAとの違い、またツールを導入することで実現できることについて解説します。
セールスイネーブルメントの必要性とメリット
セールスイネーブルメントとは営業活動において中長期的かつ継続的に成果を挙げることを目的とした、営業組織の強化や改善ための総括的な取り組みのことを指します。
セールスイネーブルメントの必要性が高まっている理由は大きく分けて3つあります。
- 働き方改革推進を目的とした営業活動の効率化
- 取扱い商材が有形から無形へシフトしたことによるソリューション営業の実現
- リード(見込み顧客)の質と量の向上への対応
また、セールスイネーブルメントを取り入れることで、営業活動の効率化や売上増加などのメリットも得られます。セールスイネーブルメントを取り入れることで、営業組織の改革や強化も実現できるでしょう。
■セールスイネーブルメントの概要や必要性、メリットは以下の記事で詳しく解説しています。
→セールスイネーブルメントとは?概念やメリットについて解説!
インサイドセールスのメリット
インサイドセールスとは、電話やEメール、ダイレクトメールなどを用いて顧客にアプローチする、社内(インサイド)でおこなう営業活動の手法や役割のことです。インサイドセールスによって、リードに優先順位をつけられる、リードの関係性を構築できる、営業担当者へリードを連携できること、の3つのメリットを得られます。
インサイドセールスの役割は、マーケティングが獲得したリードの育成や選定をおこない、営業担当者に引き渡すことです。インサイドセールス部隊が満足度の高いリードを最適なタイミングで営業担当者に引き渡すことで、営業活動の効率化や受注率の増加といった効果が期待できます。
■インサイドセールスが注目されている理由や種類、運用については以下の記事で詳しく解説しています。
→インサイドセールスの種類とは?運用や注目されている理由を解説
■また、インサイドセールスの戦略や構築する手法については、以下の記事で詳しく解説しています。
→インサイドセールスを成功させる戦略とは?適した組織にする方法を解説
インサイドセールスのデメリット
インサイドセールスにはデメリットもあります。インサイドセールスのノウハウ構築や、情報共有や連携の仕組みが必要なことです。インサイドセールスはマーケティングと営業部門の間に設置される部署のため、前提として部署間の連携が非常に大事になります。
ノウハウ構築や情報連携をおこなえる仕組みが必要であるという点においてはセールスイネーブルメントツールの活用をおこない、部門間の情報連携等をスムーズに進めることを推奨します。
セールスイネーブルメントツールで実現できること
セールスイネーブルメントツールは、営業活動全体を改善して最適化するためのツールです。ツールにはセールスイネーブルメントの取り組みを効率化させる、さまざまな機能が搭載されています。具体的な機能については、後ほど詳しく解説します。
セールスイネーブルメントツールを取り入れることで、CRMやSFAではできない営業活動全体への取り組みや、部門でバラバラだった活動の統一化につながります。目的に合うツールを導入することで、マーケティングと営業部門の連携、営業メンバーのスキル向上など、セールスイネーブルメントの取り組みで発生している課題の解決にもつながるでしょう。
CRM・SFAとの違い
セールスイネーブルメントツールとCRM、SFAはいずれも営業活動の効率化のために取り入れられるツールです。そのため、これら3つを混同してしまう方も少なくないでしょう。
セールスイネーブルメントツールにはCRMとSFAにはない機能があります。セールスイネーブルメントツールとの違いを踏まえた、CRMとSFAの特徴を解説します。
【CRMでできること】
CRMとは顧客との良好な関係を構築し維持するためのツールです。顧客の氏名、年齢、性別などの個人情報や購買履歴情報、商品別の顧客情報を管理でき、顧客アプローチの業務を効率化できる機能がそろっています。これらの機能を活用することで顧客管理を最適化でき、顧客ごとに最適なアプローチが可能になります。
【SFAでできること】
SFAとは営業担当者の行動や商談の進捗状況などの情報を蓄積、管理して営業活動を自動化するためのツールです。案件管理や商談管理、ターゲティング、スケジュール管理、日報管理など営業活動の自動化のための機能が搭載されています。SFAを導入すると、商談やプロジェクトなど案件化した顧客への営業活動を効率化できます。
CRMとSFAが顧客管理や案件化した顧客への営業活動を効率化させる目的で導入されるのに対して、セールスイネーブルメントツールは営業組織全体の営業力の強化や最適化を目的に導入されます。
目的別の選び方と選定ポイント
セールスイネーブルメントツールは各種ツールによって特徴や得意分野、搭載されている機能が異なります。ツールの選定時は自社の状況や業種、目的に応じたツール選びが重要です。ここでは、セールスイネーブルメントツールの目的別の選び方と、選定ポイントを解説します。
ツールタイプ①
1つめが、コンテンツ管理に強みのあるタイプのツールです。
ツール導入の目的 |
社内ナレッジの体系化 |
選択すべきツール |
コンテンツ管理機能が充実しているツール |
搭載されている機能とツールの特徴 |
学習コンテンツと提案資料をひとつのプラットフォームに集約できる機能 |
ポイント |
コンテンツや資料、情報の検索や管理に特化したツールです。導入することで、営業活動に必要な情報をすぐに取り出せる、学習コンテンツや営業資料の作成が効率化できる、情報の検索を効率よくおこなえるなどのメリットが得られます。 |
ツールタイプ②
2つめのタイプが、商談内容の書き起こしに強みのあるタイプのツールです。
ツール導入の目的 |
商談内容の改善 |
選択すべきツール |
商談内容の書き起こしに強みのあるタイプのツール |
搭載されている機能とツールの特徴 |
商談内容の議事録を自動作成・蓄積する機能 |
ポイント |
商談内容の議事録を自動作成・蓄積する機能により、商談の確認工数の削減、商談の振り返りやフィードバックの効率化、情報粒度の向上が実現します。商談内容を可視化し、蓄積することで商談の振り返りやフィードバックの効率化や質の向上が進みます。その結果、確認工程の削減や情報粒度の向上にもつながるでしょう。 |
ツールタイプ③
3つめのタイプが、スキル管理に強みのあるタイプのツールです。
ツール導入の目的 |
マネジメントの効率化 |
選択すべきツール |
スキル管理に強みのあるタイプのツール |
搭載されている機能とツールの特徴 |
営業メンバーの強みや課題の計測、スキルマップ、トレーニング、コーチング管理など、営業スキルの習得状況を可視化できる機能 |
ポイント |
営業メンバーのスキルを可視化することでメンバーのスキル(提案力、現場力など)の強化、メンバーの成長意欲の向上、マネージャーの育成方法の適正化などが実現します。個々のメンバーのスキルアップや育成のほか、モチベーションの維持や育成方法の適正化など、マネ―ジャー領域での業務も効率化できます。 |
ツールタイプ④
4つめのタイプが、仕組み改善に強みのあるツールです。
ツール導入の目的 |
商談工程を削減し、商談数や成約率を上げること |
選択すべきツール |
仕組み改善に強みのあるツール |
搭載されている機能とツールの特徴 |
営業がおこなうタスクを提案する機能 |
ポイント |
営業がおこなうタスクを提案する機能により、営業担当者の手間の削減、営業担当者の時間の削減、受注の繰り返しによる「勝ちパターン」の確立、顧客ニーズを捉えた効率的な提案が実現できます。商談工程を削減することで営業担当者が商談にかける時間や手間も削減でき、営業活動の効率化につながります。また、商談時間が短くなることでより多くの商談をおこなうことができるため、受注の繰り返しをすることで効果的な提案や勝ちパターンの確立にもつながるでしょう。 |
選定ポイント①:対応すべき業務の内容と範囲を決める
ツールの選定時に見るべきポイントの一つは、ツールを活用して対応すべき業務の内容と範囲を決めることです。セールスイネーブルメントツールは多岐にわたり、ツールによって搭載されている機能や強みが異なります。まずは自社の課題や改善点を把握した上で、ツールでカバーする業務範囲を決め、それに合う機能や強みを持つツールを選びましょう。
たとえば「商談を通じた受注率が低い」といった課題なら、「商談内容の改善」に強みのあるツールが適しています。「営業ノウハウの共有ができない」といった課題なら、「コンテンツ管理の効率化」といった形で、課題解決につながるツールを選びましょう。
選定ポイント②併走支援の有無
2つめの選定ポイントは併走支援の有無です。ツールは導入するだけでなく活用できてこそ効果を発揮できます。当然ながらツールの操作方法や管理方法が分からないとツールは定着されず、ツールの効果も破棄できません。ツール導入後、定着までに必要に応じて伴走支援が受けられるかどうかをチェックすることが大事になります。
たとえば「組織全体にツールを定着させたい」など、ツールの業務や定着させる範囲が広い場合は、導入支援や伴走支援を提供しているツールを選ぶことで、スムーズな定着につなげられます。
選定ポイント③既存の営業支援システムとの連携性
3つめの選定ポイントは、既存の営業支援システムとの連携性です。普段使用している営業支援システムとツールを連携できれば、情報の共有やデータの反映がシステムとツール間で可能になるため、情報を再度入力したり、移動させたりといった手間が不要になります。
営業活動や業務の効率化や改善ができるほか、マーケティング部門と営業部門で情報を共有しやすくなり連携も取りやすくなるでしょう。SFA/CRM、MA、カレンダー、Web会議ツール、IP電話、メールなど既存の営業支援システムと連携できるものを選ぶのもおすすめです。
営業活動における効果
セールスイネーブルメントツールを導入することで、データ分析、営業スキルの向上、部門同士の連携など、営業活動における効果が複数得られます。それぞれの効果について詳しく解説します。
分析に必要なデータの収集・活用
セールスイネーブルメントは、データ分析にも活用ができます。セールスイネーブルメントツールの利活用により、以下のような分析データを収集できます。
商談の情報 |
営業担当者の成果に関する情報 |
・営業メールの内容 |
・営業メールの効果 |
・電話の内容 |
・ミーティング(商談)の効果 |
営業部門で活用したいデータは、個々の営業担当が個人的に対応する顧客や取引先が決まっていることから顧客への商談内容や課題などの情報が属人化され、収集しづらいという特徴があります。これらの属人化により情報を蓄積しづらいといった課題も、セールスイネーブルメントを導入することで、解決しやすくなります。
セールスイネーブルメントツールを活用し、必要な顧客データを収集する仕組みを構築、データ収集後はデータを元にコンテンツの作成や商談の改善、営業メンバーのスキル管理やマネジメントをおこなうといったこともできるようになります。情報収集をおこないデータ分析をおこなえる仕組みを整えることで営業組織の強化や営業活動の効率化につながるでしょう。
部署間の連携機能の活用
セールスイネーブルメントツールを導入すると、マーケティング部門、営業部門が営業活動において情報連携がしやすくなります。逆に、マーケティングと営業部門で情報を共有できていないと、マーケティングから営業へ顧客を引き渡す工程が円滑に進められません。
情報連携をおこなうことで、マーケティング部門が獲得したリードへアポイントを取り、営業部門で商談をおこなうといった一連の営業活動が円滑になり、成約率の向上につながります。マーケティング部門から営業部門へリードのリストのみを渡し、商談をおこなうだけでは成約にはつながりにくいものです。リードのリストのみを受け渡すのではなく、情報収集をおこない見込み度合いの高いリードを精査した状態のリードを渡す連携対応ができれば、商談でのアプローチの方向性が定まり、成約の可能性も高くなるでしょう。
営業スキルの向上
セールスイネーブルメントツールには、個々のメンバーのスキルの習得状況の管理、商談でのヒアリング内容などのコンテンツ管理など、営業メンバーのスキルやコンテンツ管理に強みのあるツールもそろっています。
セールスイネーブルメントツールのスキルやコンテンツ管理に関する機能を使うことで、コーチングとトレーニング、教育とスキルマップの営業スキル向上の面でも効果的です。
【コーチングとトレーニング】
セールスイネーブルメントでは、営業組織全体の最適化や営業活動の効率化のために、営業メンバー育成を目的に営業トレーニング、コーチングなどの取り組みもおこないます。セールスイネーブルメントツールを導入することで、コーチングとトレーニングで活用する営業ノウハウの蓄積や共有も可能です。
fast-askが「営業の仕事をしていたことがある」20代~60代の男女を対象にした調査では、セールスイネーブルメントツールを使って効率化ができたと実感した業務について質問しています。「資料や動画、ノウハウの共有が簡単になったこと」「商談の振り返りがしやすくなった」「マネジメントが楽になった」との回答が多く集まりました。
(出典:SALEENA「セールスイネーブルメントツールの実態調査」)
この結果から、セールスイネーブルメントツールを導入することで、営業ノウハウの共有や商談の振り返り、マネジメントなどの育成面でも多くのメリットが得られることが分かります。
【教育とスキルマップ】
セールスイネーブルメントでは、営業メンバーのスキルアップの取り組みや成果を測るために、教育やスキルマップによる評価をおこないます。スキルマップとは、営業メンバーの持つ個人のスキルを見える化したものです。スキルマップは通常、業務を個別にリスト化した業務に対し、数値基準を設けて作成します。そのため、スキルの数値化やメンバーの評価などのスキルマップ作成のための作業に大きな負担がかかることも珍しくありません。
セールスイネーブルメントツールでは、営業メンバーのスキルの管理に強みを持つものもあります。ツールを活用することで、教育とスキルマップ作成の負担を減らし業務の効率化につながります。
顧客対応の改善
セールスイネーブルメントツールを活用すれば、以下の顧客対応の改善も実現できます。
- 顧客ニーズの把握とパーソナライズ
- 商談の効果的な進め方
- コミュニケーションの質向上
それぞれの内容について解説します。
顧客ニーズの把握とパーソナライズ
セールスイネーブルメントツールを活用すれば、リードそれぞれの状態を可視化し、個別で管理ができるようになります。リードを個別化することで、それぞれの顧客ニーズを把握し商談でのヒアリングやアプローチを顧客ごとに最適化できます。商談時のリードに応じた適切な提案やアプローチができるようになり、成約率の向上にもつながるでしょう。
商談の効果的な進め方
商談を効果的に進めるためには、商談の成功例などのコンテンツを参照する方法が有効です。セールスイネーブルメントツールでは、事例やケーススタディなど商談を効果的に進めるためのコンテンツも必要に応じて参照できます。ツールを活用すれば必要なときに必要なコンテンツをすぐに検索して参照できるため、コンテンツを探し出す手間もかかりません。また、商談の自動書きを活用することで、商談の内容を文章化できます。商談後のフィードバックや振り返りも効率化でき、次の商談へ結果を活かすことも可能です。
コミュニケーションの質向上
商談で顧客の課題やニーズを把握し、成約につなげるためには営業メンバーのコミュニケーションの質を向上させることも重要です。セールスイネーブルメントツールには、営業メンバーのコミュニケーションの質を上げるためのトークスクリプト、商談の記録音声、人材研修のメニューなどのコンテンツも充実しています。営業メンバー一人ひとりのコミュニケーションスキルを向上させることで、より顧客と円滑な商談を進めることも可能です。
セールスイネーブルメントの対応はキューアンドエーのコンサルティングサービスにお任せください
セールスイネーブルメントの重要性とともに、セールスイネーブルメントツールの目的別の選び方や比較ポイント、ツールを活用して改善できるポイントを解説しました。セールスイネーブルメントツールを導入することで、営業メンバーのスキルアップ、顧客の状態や可視化が可能です。効果的な提案による営業活動時間の短縮や成約率アップにつながるため、営業活動の効率化や組織の今日かも実現できるでしょう。
「どのセールスイネーブルメントツールを選べばいいか分からない」「ツールを導入したが組織に定着しない」など、セールスイネーブルメントツールの選定や導入でお悩みの際には、キューアンドエーにご相談ください。クライアントに合わせたツールの選定や他システムを含めた運用フローの構築、導入後のサポートなど、ニーズに合わせたサポートをご提供しています。ご相談は、こちらへ。
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