ChatGPT APIとは?概要や始め方について、わかりやすく解説! 活用事例も紹介
OpenAIの開発したChatGPTが注目を集める中、「ChatGPT API」を利用することでさらに活用の幅が広がることをご存知でしょうか。ChatGPT APIは、生成AIの最新モデル「GPT-4」に対応しており、より高度なアウトプットがされる上、様々なWebアプリケーションにChatGPTの機能を実装できます。
本記事では、ChatGPT APIの基本からアカウントの作成方法まで、わかりやすく解説します。また、ChatGPT APIを活用したことで業務効率化や事業成長につながった企業事例も紹介しますので、サービスの拡充やChatGPTの業務利用を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
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目次[非表示]
- 1.ChatGPT APIとは
- 1.1.ChatGPT APIの安全性
- 2.ChatGPT APIにできること
- 3.ChatGPT APIの始め方
- 4.ChatGPT APIの料金体系
- 4.0.1.GPT-4の料金
- 4.0.2.GPT-3.5 Turboの料金
- 5.ChatGPT API利用時に注意したいトークン消費について
- 6.ChatGPT APIの活用事例
- 6.1.ChatGPT×Slack
- 6.2.ChatGPT×Googleスプレッドシート
- 6.3.ChatGPT×kintone
- 7.まとめ
ChatGPT APIとは
「ChatGPT API」は、OpenAIが開発した先進的な自然言語処理AIモデル「ChatGPT」を、開発者がさまざまなアプリケーションやサービスで利用できるようにするインターフェースです。APIとは、「Application Programming Interface」の略で、異なるソフトウェアやWebサービス間のコミュニケーションを実現し、統合的な開発をサポートします。
ChatGPTは、元々インターネットブラウザ経由でのみアクセス可能でしたが、ChatGPT APIの導入により、開発者は自身のプロジェクトに組込み、多様なタスクを効率的に実行できるようになりました。これにより、カスタマイズされたコミュニケーションツールの開発や、ビジネスプロセスの自動化が可能となります。
また、ChatGPT APIは最新モデルの「GPT-4」に対応しているため、より高度な自然言語処理機能や画像処理機能の利用が可能です。
さらに、ChatGPT APIはコミュニティやフォーラムでのサポートも充実しており、開発者同士の情報交換や、新たな利用方法の発見が期待されています。これにより、ChatGPT APIのポテンシャルは日々拡大しており、未来のテクノロジー開発において重要な役割を果たすことが見込まれています。
ChatGPT APIの安全性
OpenAIは、ChatGPT APIを利用するユーザーから送信されるデータの安全性とプライバシーを最優先に考えています。「OpenAIガイドライン」によれば、ユーザーからのデータは厳重に保護され、外部への漏洩が起きないように管理していると記載されています。
さらに、ChatGPT APIに使われたデータは、AIモデルの学習に使用しないという明確な方針を打ち出しているため、ユーザーのデータが許可なく利用されることはありません。このように、OpenAIは企業としての透明性を重視し、ユーザーに対して安全性やデータ保護に関する情報を適切に提供しています。
また、OpenAIはセキュリティアップデートや改善を継続的におこなっているため、技術の進展に伴う新たなセキュリティリスクからも常に守られます。
もちろん、ユーザーは万が一の事態に備え、定期的にOpenAIの公式ウェブサイトやガイドラインを欠かさずチェックすることも大切です。最新のセキュリティ情報やアップデート情報を確認しながら、安全にサービスを利用しましょう。
■ChatGPTの導入メリットや利用する際の注意点、活用事例 については、こちらで解説しています
→AI最前線ChatGPTの企業での活用方法と導入メリット。利用する際の注意点と活用事例を紹介
ChatGPT APIにできること
ChatGPT APIを使用することで、開発者はChatGPTを自分のアプリケーション、ウェブサイト、またはサービスに統合できます。これにより、ユーザーはさまざまなタスクを実行できます。
以下ではChatGPT APIでできることを一覧にしました。ここで挙げているのは、あくまで一部であり、APIの柔軟性と拡張性により、新しい用途への適応も期待されています。
応用分野 |
説明 |
文章の作成・要約・添削 |
Eメールやレポートなどの文書作成を助け、効率的なコミュニケーションをサポートします。 |
言語翻訳 |
多言語に対応し、国際的なコミュニケーションの障壁を低減します |
情報検索 |
質問に対する適切な回答を生成し、必要な情報を迅速に提供します。 |
プログラムコードの生成 |
Pythonなどの言語でのコード作成を支援し、開発作業を効率化します。 |
チャットボットの開発 |
対話型のシステムを構築し、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。 |
デバッグ検証・仕様書の確認 |
エンジニアリングの作業をサポートし、品質の向上に寄与します。 |
会議の文字起こし・議事録作成 |
会議の内容を正確に記録し、後々の参照に役立てます。 |
顧客向けマニュアルの作成 |
新商品の仕様書を基に、利用者向けのガイドを効率良く作成します。 |
教育・学習支援 |
学習者の質問に回答し、学習コンテンツの生成を支援します。個別のニーズに対応した教育が可能です。 |
コンテンツ作成 |
ブログ記事、ソーシャルメディア投稿、マーケティングコンテンツなどのテキスト作成を助けます。 |
顧客サポート |
カスタマーサポートチャットボットの構築や、FAQセクションの自動生成が可能です。 |
感情分析 |
ユーザーのフィードバックやレビューの感情分析をおこない、顧客満足度の向上やプロダクト改善のインサイトを提供します。 |
イベントの自動スケジューリング |
ユーザーの要望に基づいてイベントのスケジューリングを自動化し、時間のコーディネートを助けます。 |
■ChatGPTのプロンプトテンプレートは、こちらで紹介しています!
→【2023年版】ChatGPTのプロンプトとは?欲しい回答を引き出すコツをテンプレート付きで解説
ChatGPT APIの始め方
ChatGPT APIを利用開始するには、いくつかの手続きが必要です。このセクションでは、Pythonを通じてChatGPT APIを利用するための基本的なステップを3つに分けてご紹介します。
- OpenAIでアカウントを開設する
- ChatGPT APIのAPIキーを取得する
- Pythonを利用してAPIを呼び出す
① OpenAIでアカウントを開設する
最初のステップとして、OpenAIのサイトにアクセスし、画面中央にある「Get started」ボタンをクリックしてアカウント作成ページに進みます。
メールアドレスを入力し、GoogleアカウントやMicrosoftアカウントを利用した認証も選択可能です。必要な個人情報を入力し、SMS認証が可能な電話番号を用意してください。電話認証を完了させることで、アカウントの開設が完了します。
■ChatGPTの始め方から導入効果、導入後の注意点については、こちらで解説しています!
→AI最前線ChatGPTの企業での活用方法と導入メリット。利用する際の注意点と活用事例を紹介
② ChatGPT APIのAPIキーを取得する
アカウント開設後、API keysのページにアクセスしてAPIキーを取得します。「+Create new secret Key」ボタンをクリックし、新しいAPIキーを生成します。
生成されたキーは一度しか表示されないため、忘れずに保存してください。万が一、コピーを忘れた場合は、古いキーを削除し、新しいキーを再発行します。また、 取得したAPIキーは絶対に外部に漏れないように、厳重に管理しましょう。
③ プログラミング言語(Python)を利用してAPIを呼び出す
APIキーを使ってAPIを呼び出す方法はいくつかありますが、ここではプログラミング言語のPythonを使った方法を解説します。
Pythonを利用してAPIを呼び出す際は、まずPythonのプロジェクトに対してOpenAI APIクライアントのインストールが必要です。次に、ターミナルまたはコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します。
pip install openai
続いて、環境変数にAPIキーをセットアップします。以下のコマンドにて、先ほど取得したAPIキーを設定します。
import os
os.environ['OPENAI_API_KEY'] = 'your_api_key_here'
APIキーの設定が完了したら、以下のサンプルコードを記述してAPIを呼び出します。
import openai
openai.api_key = os.environ["OPENAI_API_KEY"]
prompt = "こんにちは、私の名前は"
model = "text-davinci-002"
response = openai.Completion.create(
engine=model,
prompt=prompt,
max_tokens=5
)
print(response.choices[0].text)
このコードは、指定したモデルを利用して、入力テキストに対するレスポンスを生成し、結果を出力します。
ChatGPT APIの料金体系
ChatGPT APIは、利用にあたって一定の料金が発生します。具体的には、「Prompt:質問文」+「Completion:応答文」の合計で算出されます。2023年9月25日現在の料金は以下のとおりです。
GPT-4の料金
Model |
Input |
Output |
8K context |
$0.03 / 1K tokens |
$0.06 / 1K tokens |
32K context |
$0.06 / 1K tokens |
$0.12 / 1K tokens |
GPT-3.5 Turboの料金
Model |
Input |
Output |
4K context |
$0.0015 / 1K tokens |
$0.002 / 1K tokens |
16K context |
$0.003 / 1K tokens |
$0.004 / 1K tokens |
参考:OpenAI (URL: https://openai.com/pricing)
tokens(トークン)は、自然言語処理において用いられる「単語の単位」のことです。言語によってトークンの定義が異なることがありますが、英語では主に単語や句読点が1トークンとされます。一方、日本語の場合は、ひらがな1文字が1トークン、漢字1文字が2〜3トークンになります。
トークンの例(GPTー4 8K contextの場合)
● 質問(Prompt):こんにちは
● 応答(Completion):こんにちは
上記の場合、「Prompt:5トークン」+「Completion:5トークン」なので、合計$0.00045(約0.06円)となります。
したがって、APIを呼び出す際に送信するテキストデータが多いほど、また、応答として受け取るテキストデータが多いほど、消費されるトークンの数は増えます。APIの利用コストを抑えるためには、トークンの消費量を意識し、効率的なテキストデータのやり取りが必要です。
このように、トークンはChatGPT APIの利用において重要な概念であり、トークン数の管理と最適化が、効果的かつコスト効率の良いAPI利用の鍵となります。
ChatGPT API利用時に注意したいトークン消費について
ChatGPT APIは、その手頃な価格設定が魅力的ですが、利用の際にはトークン消費の仕組みや特性を把握し、予期せぬ高額請求に注意する必要があります。ここでは、トークン消費における重要なポイントを詳細に解説します。
① 過去の履歴をmessagesパラメーターにセットすると費用が上昇する
日本語のトークン数は英語に比べて多く、過去のコミュニケーションをmessagesパラメーターに含めることで、コストが増加する可能性があります。ChatGPT APIを適切に利用するためには、過去のユーザーとの対話とChatGPTの返答をmessagesパラメータにセットすることが必要です。
初回のリクエストでは1つのメッセージが含まれますが、2回目以降は前回の投稿と返答も含める必要があり、これによりトークン数とコストが増加します。messagesパラメーターのサイズが上限に達すると、一回のリクエストでの料金も高くなるため、不必要な履歴の含め方は避けるべきです。
② 日本語は消費トークン数が多いので注意する
ChatGPT APIでのトークン数は、1つの英単語や句読点なども1トークンとしてカウントされます。また、トークン数は、テキストの長さだけでなく、言語の特性によっても大きく変動します。
例えば、英語と日本語では、同じ意味の文でもトークン数が異なることが一般的です。例えば、日本語ではひらがなが1文字で1トークン、漢字は1文字で2〜3トークンとしてカウントされることが多くなります。
そのため、日本語を使用する際は、英語に比べてトークンの消費が増えることを考慮しましょう。特に、過去の対話を繰り返し利用する場合は、コストが大幅に増加するリスクがあります。
③ 定期的にAPI利用料金をチェックする
ChatGPT APIでは、こちらのサイトからAPIの利用状況をチェックできます。定期的に確認することで、思わぬ利用料金の高騰を防ぐことが可能です。また、利用料金の上限設定も可能なので、使い過ぎを防ぐためにもあらかじめ設定しておくことをおすすめします。(上限の設定はこちら )
ChatGPT APIの活用事例
ChatGPT APIの登場により、多くのアプリケーションやツールとの連携が可能となりました。これにより、様々な業務やタスクが効率化され、新たな価値が生み出されています。
ここでは、ChatGPT APIがどのように実際のツールと組み合わされ、どのような利便性が提供されているのか、具体的な活用事例をいくつか紹介します。
ChatGPT×Slack
ビジネスコミュニケーションツールとして広く利用されているSlackも、ChatGPTとの連携が可能です。この連携により、Slack内でChatGPTをbotとして呼び出し、気軽に利用できます。
これにより、チーム全体での情報共有がスムーズになり、特に多言語環境においては、ChatGPTによる翻訳機能を活用することで、コミュニケーションの障壁が低減します。
ChatGPT×Googleスプレッドシート
GoogleスプレッドシートとChatGPTのAPI連携により、ChatGPTの回答をシート上に直接表示・保存が可能です。
これにより、データの収集や分析が一層効率的におこなえるようになり、リサーチ作業の品質向上が期待されます。
ChatGPT×kintone
ビジネスアプリケーションプラットフォームであるkintoneも、ChatGPTとのAPI連携が実現しています。この連携により、kintone上でChatGPTを活用し、対話の内容をデータベースとして共有が可能です。
会議の議事録の要約など、多岐にわたる業務プロセスの最適化が図れるため、業務生産性の向上により、より重要な業務に時間と労力を費やすことができます。
まとめ
ChatGPT APIは、多様性・拡張性、そしてリーズナブルな料金設定により、多くの可能性を秘めています。さまざまなアプリケーションと組み合わせることで、テキスト生成や自動応答など、自然言語処理を活かしたシステムを導入できます。
一方、ChatGPT APIはトークンの消費量による従量課金制のため、使い方によっては料金が高騰する可能性もあるため、利用料金の上限を設定するなどして、慎重に扱いましょう。
今回紹介した企業事例なども参考に、ぜひChatGPT APIを活用して業務効率化や新しいサービスの開発にチャレンジしてみてください。
活用方法でお悩みの方は、コールセンター運営、営業DXの専門家であるキューアンドエーに相談いただくことをおすすめします。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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