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BPOサービスとは?対応業務・メリット・デメリットを解説

ヒトやモノ、カネなどは企業にとってなくてはならない「経営資源」ですが、その資源の量には限界があります。その中で「経営資源を有効活用できると言われているBPOサービスについてもっと知りたい」「BPOサービスのメリットとデメリットを比較してから導入を検討したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、BPOサービスの特徴やメリット・デメリットを解説していきます。サービスを選ぶ際のポイントも紹介しますので、今後の取り組みの参考としてください。

目次[非表示]

  1. 1.BPOサービスとは
    1. 1.1.アウトソーシングとの違い
    2. 1.2.注目される背景
    3. 1.3.対象となる業務範囲
  2. 2.BPOサービスを活用するメリット
    1. 2.1.コア業務への資源集中
    2. 2.2.コスト削減
    3. 2.3.業務品質の向上
    4. 2.4.新しい視点やノウハウの社内蓄積
  3. 3.BPOサービスを活用するデメリット
    1. 3.1.ノウハウの社内蓄積ができない
    2. 3.2.コミュニケーション齟齬が生じる
    3. 3.3.一度利用するとインハウス化が困難になる
    4. 3.4.情報漏洩のリスクが伴う
  4. 4.BPOサービスを選ぶ際のポイント
    1. 4.1.過去の実績や得意な分野を確認する
    2. 4.2.費用は適切かを確認する
    3. 4.3.セキュリティ対策や情報の取り扱いは適切かを確認する
    4. 4.4.自社にノウハウが蓄積しやすい環境のサービスかを確認する
  5. 5.経営資源を活かしたい企業にBPOはおすすめのサービスです


BPOサービスとは

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとは、業務遂行のノウハウが自社にない場合や人材不足の場合などに、外部業者が業務の設計や実施、運用までを一括して請け負うサービスです。案件の一部だけではなく上流から下流までを一括して請け負うため、言葉としては「丸投げ」がイメージとして近いかもしれません。

すでに欧米では積極活用されているサービスであり、日本でも徐々に浸透し始めています。株式会社矢野経済研究所のデータによると「2020年度のIT系BPO市場規模は前年度比1.5%増の2兆6,136億円、非IT系BPO市場規模は同2.5%増の1兆8,172億円」であり、2020年時点で市場規模は約4.4兆円にも及んでいるとのことです。

引用:株式会社矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2021年)」


アウトソーシングとの違い

BPOとアウトソーシングは業務を外部に委託する点では類似していますが、その違いは委託範囲にあります。

アウトソーシングは業務の「一部」を外部に業務委託する取り組みですが、BPOは前後の業務も含め「関連するプロセスの全て」を継続的に外部委託する取り組みです。


注目される背景

BPOが注目される背景には、四大経営資源と呼ばれるヒト・モノ・カネ・情報の中でも特に「ヒト」の重要性向上があります。社内の人材をコア業務に集中させ、当該業務でより高い成果を出すためにBPOサービスの利用が増加しているのです。


対象となる業務範囲

BPOの対象業務範囲はかなり広く、経営と直接的な営業活動以外は対象となり得ます。特に経理や営業支援といった間接業務では、その傾向は顕著でしょう。以下、部門ごとにBPOでの業務遂行が可能な実務をまとめました。


●経理部門:データの入力や請求書作成、予算管理など

●総務部門:備品管理や書類の仕分け、受付業務、オフィス管理など

●人事部門:採用面接の実施や書類処理、採用活動の代行など

●労務部門:社会保険の手続き、交通費精算、入退社の手続きなど

●営業支援部門:市場調査、顧客調査、営業資料作成など

●情報システム部門:システム企画、社内インフラ・アプリの保守、ユーザーサポートなど


BPOサービスを活用するメリット

日本でも注目を集めつつあるBPOですが、活用することでコア業務に充分なリソースを割けるようになる、コストが削減できるなどのメリットが得られます。限られた人員や費用で業績を伸ばしたい場合に有用なサービスと言えるでしょう。

ここからは、BPOサービスを活用するメリットを4点解説します。


コア業務への資源集中

BPOを活用するメリットの一つは、対象となる部門のコア業務に「ヒト」を主とする経営資源を集中させることが可能となる点です。

「一人の従業員が他の業務を兼務する」といった事象が起こらないため、一つの業務に集中し、結果的に生産性向上が期待できます。


コスト削減

各種コストを削減できる点もBPOを活用するメリットです。企業の拡大に伴う人員補充も、売り上げに直結するコア業務の人員を優先し、間接部門は費用が定まっているBPOサービスを利用することで直接雇用における福利厚生費用を抑え、人件費削減が実現できるでしょう。

また、育成担当者がノウハウを一から学ぶ必要がなく、分野のエキスパートが新入社員や新担当者の教育を代わりに行ってくれるため、教育コストの削減にも繋がります。


業務品質の向上

BPOサービス業者は当該分野のプロ集団であるため、委託によって業務品質向上が期待できるでしょう。慣れない業務を社内人材で進めるよりも、高い業務品質を維持可能です。

サービスを積極的に活用し、同じ業務をより質の高いものに置き換え、効率化を図りましょう。


新しい視点やノウハウの社内蓄積

新しい視点やノウハウを社内で蓄積できる点も、BPOを活用するメリットとして挙げられます。専門的かつ外部の視点から業務が遂行されるため、その内容を参考とすることで自社だけでは思いつかなかった商品やサービス、自社の強み、効率的な業務方法などを発掘できる可能性が出てくるでしょう。


BPOサービスを活用するデメリット

リソース確保や各種コスト削減などのメリットを得られる一方で、BPOの活用にはコミュニケーションを取るのが難しい、業務を社内運用しにくくなるといったデメリットも伴います。

ここからは、BPOサービスを活用するデメリットを4点解説します。


ノウハウの社内蓄積ができない

BPOを活用することで、新しい視点やノウハウは確かに得られる一方、業務の全てを業者が対応してくれる便利さから社内にノウハウが蓄積しにくくなるため、新たな情報を得るための意識付けや具体的な取り組みを徹底必要があります。


コミュニケーション齟齬が生じる

BPOの委託業者はあくまでも外部の人間であるため、「第三者だから何でも言いやすくなる」という反面、日本人の国民性もあり逆に気を遣ってしまって委託業者に対して意見を言いにくいケースもあり、社内のスタッフと委託業者との間にコミュニケーション齟齬が生じ、円滑に業務を遂行する妨げとなる可能性があります。しかし、それらを踏まえて慎重にコミュニケーションを取ることによりメリットの活用が出来ます。


一度利用するとインハウス化が困難になる

一度BPOサービスを利用した後には、インハウス化(業務の自社運用)が難しくなる点もデメリットとして挙げられます。

しかし、「外部委託業者にすべてを任せきろう」といったマインドではなく、「専門家が行う業務なので、そのノウハウを自社に落とし込もう」という視点があれば、再度のインハウス化は充分に可能です。


情報漏洩のリスクが伴う

外部に業務を委託する以上、情報漏洩のリスクを常に抱えることは避けられません。委託業者は情報の取り扱いには当然注意を払うべきです。しかし、仮に教育が不完全な業者であったとしたら、情報漏洩のリスクは完全に払しょくできないでしょう。

情報漏洩のリスクを避けるためにも、評判が高く質の高いサービスを提供してくれる業者を選び取る取り組みが重要です。


BPOサービスを選ぶ際のポイント

自社業務を任せる以上、BPOサービスを選ぶ際は実力や信頼性、費用などを丁寧に検討しなければいけません。ここからは、BPOサービスを選ぶポイントを4点解説します。


過去の実績や得意な分野を確認する

BPOサービスを選ぶ際には、業者の過去実績や得意分野を綿密にリサーチしましょう。実績が充分であれば、より業者の信頼性や得られる効果が高まります。

実績がなく不得意な分野であっても、契約欲しさに事実とは異なる説明をする業者もいるため、この点には注意が必要です。選定ミスを避けるためにも、気になる点はホームページで確認したり、具体的に掘り下げて質問したりするなど、事実かどうかを細部まで確認しましょう。


費用は適切かを確認する

費用の確認も選定時の必須事項です。何よりもサービス内容が重要であるため、金額だけを見て「高い」「安い」を判断しないよう意識する必要があります。具体的には、業務量や対応範囲、実績に裏付けされたサービス品質などを把握した上で、費用感が適切か否かを決めるといいでしょう。

選定時には、相見積もりによる複数業者の料金システム比較もおすすめします。相見積もりを取れば、適正額かどうかが見えてくるでしょう。

基本的には、BPOサービスを依頼することで「業務の生産性が上がり原価が下がる」という視点を忘れてはいけません。


セキュリティ対策や情報の取り扱いは適切かを確認する

セキュリティ品質の基準や情報の取り扱いに関してどのようなルールを定めているかについても、契約前にチェックしましょう。万が一自社の情報が流出すれば、自社が損失を被るだけでなく、顧客からの信頼性も大きく損ないます。セキュリティ体制については必ず確認を取るようにしましょう。


自社にノウハウが蓄積しやすい環境のサービスかを確認する

自社にノウハウが蓄積しやすい環境のサービスかの確認も、BPOサービスを選ぶ上では重要なポイントです。BPOサービスを利用する際、業務ノウハウが蓄積しにくい点はリスクの一つです。

自社にノウハウを蓄えていくためにも、「具体的な業務内容を開示してくれる」などのサービスを選びましょう。自社内にノウハウが溜まるため、将来的なインハウス化を検討しやすくなります。


経営資源を活かしたい企業にBPOはおすすめのサービスです

近年になって日本でも注目を集めているBPOですが、徐々に諸企業によって導入が進みつつあります。人手不足や経営資源を有効に活用できていない企業にこそ、BPOはおすすめのサービスです。限られた「ヒト」や「カネ」を活かすためにも、メリットやデメリットを比較した上でBPOの導入を検討してみましょう。

キューアンドエーは、リソースが足りないお客様に対して各種BPOサービスを展開しています。お客様の状況や要望に応じた提案をいたしますので、お困りのことは何でもお聞かせください。



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キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
複数のコンタクトセンター責任者を経て、キューアンドエーに2018年中途入社。 ICT(「情報通信技術」)に特化したコンタクトセンターとオンサイトサポートをメインに、大手クライアントのインサイドセールスプロジェクト責任者としてデジタル基盤から体制までを一から立ち上げる。 中期計画にて自社事業、提供サービスの展望を望み、 セールス領域で他企業と差別化できるデジタルマーケティング、 インサイドセールス確立を見据えプロジェクトを推進している。