コールセンターを外注する際のチェックすべきポイントは?メリット・デメリットをご紹介


近年、働き方改革の影響により、生産性向上を目指して自社の業務を代行会社に外注するケースが増えています。株式会社矢野経済研究所によると、2020年度の国内におけるコールセンターサービスの市場規模は前年度よりも4.6%増加しており、2021年度も引き続き好調に推移していることが伺えます。このような背景もあり、今まさにアウトバウンド・インバウンドといったコールセンター業務の外注を検討している企業も少なくないでしょう。

この記事では、コールセンターを外注する際に押さえておきたい具体的なポイントや外注によるメリット・デメリットについて解説します。コールセンターや電話代行の外注・アウトソーシングを検討している企業の担当者はぜひ参考にしてください。 

(参考:矢野経済研究所、国内のコールセンターサービス市場およびコンタクトセンターソリューション市場の調査結果を発表(日本経済新聞))


目次[非表示]

  1. 1.コールセンターの業務
  2. 2.料金相場は?
    1. 2.1.■月額固定型
    2. 2.2.■従量課金型
  3. 3.コールセンターを外注する際のメリット
    1. 3.1.①高い知見のプロに任せられる
    2. 3.2.②センター開設までの速さ
    3. 3.3.③設備投資が不要
  4. 4.コールセンターを外注する際のデメリット
    1. 4.1.①セキュリティ面
    2. 4.2.②社内にノウハウが溜まらない
    3. 4.3.③エスカレーションにタイムラグがおきる
  5. 5.コールセンターを外注する際にチェックするポイント
    1. 5.1.●セキュリティ面
    2. 5.2.●対応範囲
    3. 5.3.●料金
    4. 5.4.●応対品質
    5. 5.5.●情報共有
  6. 6.まとめ

コールセンターの業務

コールセンターは、電話を通じて顧客に商品やサービスを紹介したり、受注・成約に繋げる部門のことです。コールセンターの業務は、インバウンド業務(受電)とアウトバウンド業務(発信)に分かれており、目的によって業務内容が異なります。コールセンターの主な業務は次の通りです(参考:コールセンターが抱える課題と対応策をわかりやすく紹介!



料金相場は?


コールセンターを外注する場合、どのくらいの費用がかかるのか、料金相場を把握しておくことが大切です。外注先の料金体系にもよりますが、料金は「月額固定型」もしくは「従量課金型」のどちらかになるケースが一般的です。


■月額固定型

その名の通り毎月の利用料金が決まっており、定額で支払う料金体系です。コールの件数をあらかじめ決めておき、その件数に到達するまでは定額料金で対応し、それ以上になる場合は追加料金が発生することもあります。

月額固定はコール件数のボリュームが大きい場合の利用に適しています。具体的な金額は契約の条件によって異なりますが、受電対応中心であれば、2万円/月程度での利用もできるでしょう。


■従量課金型

コール件数によって料金が変動する料金体系です。基本的にコール単価が設定されており、コール件数×コール単価で料金が算出されます。コール件数分のみの支払いで済むため、件数がそれほど多くない場合の利用に適しています。費用相場は、コール1件に対して数百円〜1,000円程度ですが、専門的な知識が求められるコールとなると単価が高くなります。


コールセンターを外注する際のメリット

コールセンターを外注することで企業が得られるメリットはさまざまです。ここでは、外注メリットを3つご紹介しますので、外注するかどうか迷っている企業の担当者は、ぜひ判断材料としてください。


①高い知見のプロに任せられる

コールセンターの外注を受けている企業は、コールセンターの運営ノウハウを持ち、電話対応の高いスキルを持ったオペレーターが所属しているため、外注することでコールセンター業務をプロに一任することができます。

自社でコールセンターを運営しようとすると、教育や研修が必要となるほか、ノウハウも一から蓄積していかなければならず、時間もコストもかかります。自社の手間を軽減し、なおかつプロの高いスキルを活用できる点は外注の大きなメリットだといえます。


②センター開設までの速さ

コールセンターの委託先企業は、すでにオペレーターや業務に必要な機材を所有しているため、スムーズにコールセンターを開設することができます。

自社でコールセンターを開設する場合、人員の確保や設備の準備などが必要となるため時間がかかりますが、外注すればそのような労力をカットでき、別の業務に注力できるでしょう。できるだけすぐにコールセンターを開設したい場合は、外注や電話代行サービスがおすすめです。


③設備投資が不要

コールセンターを外注することで、自社で設備を用意する必要がなくなります。コールセンター開設にあたっては、各種サーバーや交換機、顧客管理を行うCRMツールなどさまざまな設備を用意しなければなりません。

自社で全てカバーしようとするとコストの負担も大きくなります。一方で外注すれば、委託先の企業が有する設備を使用するため、自社での投資が不要となり、コスト削減となります。コールセンターは開設したいものの、多くの固定資産を持つことは避けたいといった企業にとっては大きなメリットだといえるでしょう。



コールセンターを外注する際のデメリット

メリットの一方で、外注によるデメリットも存在します。ここでは、コールセンター外注によるデメリットを3つご紹介しますので、メリット・デメリットの双方を踏まえた上で外注を検討してください。


①セキュリティ面

コールセンター業務を外注するとなると、業務を進めるために委託先に自社の情報や顧客の情報などを共有しなければならないため、どうしてもセキュリティ面での不安が残ります。最悪のケースとしては、情報の悪用や漏洩などの可能性もあるでしょう。少しでもセキュリティ面での不安を軽減するためにも、外注先を選ぶ際はセキュリティ対策などをチェックし、安心して任せられるかどうかをチェックすることが大切です。


②社内にノウハウが溜まらない

コールセンター業務を外注することで、自社の負担は軽減されますが、その一方で業務に関するノウハウを溜めることができません。例えば、コールセンターを開設するために必要なインフラの整備や人材マネジメント、システムの構築方法などは外注すると全て任せることとなります。また、顧客がどのような点に不満を感じているのかといった点も自社でコールセンター運営しないとわかりにくくなるでしょう。

現在は外注しているものの、将来コールセンターを自社で運営することとなる可能性はゼロではありません。そのようなときにノウハウが全くないといった状態にならないように、外注先との連携、情報やノウハウの共有に務めることが大切です。


③エスカレーションにタイムラグがおきる

コールセンター業務を外注すると、どうしてもエスカレーションにタイムラグが発生してしまいます。エスカレーションとは、担当外の業務やわからないことが発生したときに担当部署へ引き継ぐことです。コールセンターの場合、オペレーターでは判断できない事態が発生したときに、上司や委託元の会社に引き継ぐケースが考えられます。

自社でコールセンターを運営している場合、トラブルが発生してもすぐに上司に相談できるため、対応もスムーズです。一方で外注していると、委託先から委託元の担当者に連絡が入り、そこから対応策を検討することとなるためどうしても時間がかかってしまいます。対応までに時間がかかると、顧客に不信感を与え、顧客満足度を低下させることにもなりかねません。



コールセンターを外注する際にチェックするポイント

ではコールセンターを外注するにあたっては、なにをチェックしておけばよいでしょうか?ここでは、具体的なチェックポイントを5つご紹介します。


●セキュリティ面

セキュリティ面に関しては、外注先のセキュリティポリシーをチェックするなどして、どのようにセキュリティ体制と整えているのか把握することが大切です。また、どのエリアにコールセンターが設置されていて、どのようなシステムを利用しているのか、過去に発生したトラブルやその時の具体的な対処法などもチェックしておきましょう。そのほかにも、プライバシーマークの取得の有無も参考になります。


●対応範囲

コールセンター業務と一言で言ってもその業務内容は多岐に渡り、業務委託契約によって対応範囲も異なります。そのため、自社の業務内容に応じた企業を選ぶことが大切です。アウトバウンドに対応しているのか、インバウンドに対応しているのか、それとも両方に対応しているのか、さらにはテクニカルサポートへの対応はできるのか、など具体的な対応範囲や得意としている業務内容について確認しておきましょう。


●料金

コールセンター業務を外注する場合、料金は必ずチェックしておきましょう。同じ業務内容でも外注先によって料金が異なるケースもあります。また、月額費用は安いものの、自社に必要なサービスを利用するとなるとオプション料金が必要で結果的に負担額が高くなる可能性もあるでしょう。料金を確認する際は、月額料金やコール単価はもちろん、初期費用や受電件数、研修教育費、オーバーコール料金などもチェックすることが大切です。なお、初期費用が高くても、中長期的に利用することで結果的にコストを抑えられるケースもあるため、中長期的な視点でコストを試算することが重要だといえます。


●応対品質

コールセンター業務の良し悪しは、オペレーターのスキルに左右されるため、応対品質は重要なチェックポイントです。

コールセンターの業務では、顧客との会話が中心となり、相手の話す内容に応じて話を展開しなければならず、臨機応変な対応力や判断力、コミュニケーションスキルは必要不可欠です。特に、クレーム対応が発生する可能性がある場合、オペレーターの対応次第でその後の顧客への対応方法も大きく変わってきます。

応対品質は一目で判断できるものではありませんが、高いスキルを有しているオペレーターは経験年数が長い人が多いため、外注先のオペレーターの経験年数をチェックするといいでしょう。


●情報共有

コールセンター業務を円滑なものにするためにも、万が一トラブルが発生した時でもスムーズに対応できるようにするためにも、外注先との情報共有は非常に重要です。

コールセンターを外注すると、どうしてもエスカレーションにタイムラグが発生する恐れがあるため、少しでもラグを短くするためにもどのようにして情報共有が行われるのか確認しておきましょう。例えば、情報共有にシステムを活用している企業であれば、リアルタイムでの情報共有が可能となります。

また、事前に情報共有について話し合いを行い、対応方法を決めておくことも大切です。話し合いの際、自社のニーズに応じて柔軟に対応してくれる企業であれば、その後のやりとりや情報共有もスムーズに進められるでしょう。


まとめ

今回は、コールセンターを外注する際の料金相場や外注によるメリット・デメリット、外注する際のチェックポイントなどについて解説しました。コールセンターの外注は、自社の負担軽減だけでなく、プロによる高品質のサービス提供を可能にするなど、企業にさまざまなメリットをもたらしてくれます。

一方で、コールセンター業務に関するノウハウの蓄積が難しくなること、エスカレーションにタイムラグが発生する恐れがあることなどには注意しなければなりません。メリット・デメリットを踏まえたうえで、料金体系やオペレーターの応対品質、セキュリティポリシー、対応業務などをチェックし、自社にあった外注先を選ぶようにしてください。



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キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
キューアンドエー株式会社   坂倉 秀太
複数のコンタクトセンター責任者を経て、キューアンドエーに2018年中途入社。 ICT(「情報通信技術」)に特化したコンタクトセンターとオンサイトサポートをメインに、大手クライアントのインサイドセールスプロジェクト責任者としてデジタル基盤から体制までを一から立ち上げる。 中期計画にて自社事業、提供サービスの展望を望み、 セールス領域で他企業と差別化できるデジタルマーケティング、 インサイドセールス確立を見据えプロジェクトを推進している。