
AI自動音声とは?導入するメリットやデメリット、システムの選び方
※この記事はディー・キュービック株式会社のコラムより移行したものです。 |
「AI自動音声」とは、AIを活用した自動音声応答技術のことです。AIによる「音声認識」「自然言語処理」「音声合成」の技術を組み合わせることで、顧客と対話して自動で回答する仕組みです。具体的には、以下の技術によって実現されています。
1. 音声認識技術:AIが相手の発言を聞き取りテキスト化する
2. 自然言語処理技術:AIがテキスト化された内容を解析し回答を考える
3. 音声合成技術:AIが回答を音声化する
AI自動音声を導入すると、業務効率化や顧客満足度の向上などを実現可能です。この記事では、AI自動音声の基礎知識から、導入のメリット・デメリット、システムの選び方までお伝えします。
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目次[非表示]
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- 1.AI自動音声とは?
- 1.1.従来のIVRとの違い
- 1.2.AI自動音声応答システムができること
- 1.2.1.【電話業務における活用シーンの例】
- 2.AI自動音声応答システムを導入するメリット
- 2.1.オペレーターの負担を軽減できる
- 2.2.人件費の削減につながる
- 2.3.あふれ呼や放棄呼の対策になる
- 2.3.1.あわせて読みたい
- 2.4.営業時間外の対応ができる
- 3.AI自動音声応答システムを導入するデメリット
- 3.1.初期費用や運用費用がIVRよりも高い
- 3.2.シナリオを設計する必要がある
- 4.AI自動音声応答システムを選ぶときのポイント
- 5.AI自動音声応答システムを比較
- 6.AI自動音声応答システムで業務効率化や顧客満足度向上を実現
- 6.0.1.あわせて読みたい
AI自動音声とは?
初めに、AI自動音声の基礎知識を解説します。従来の電話対応自動化で用いられてきたIVRとの違いや、業務での活用シーンなどを確認してみましょう。
従来のIVRとの違い
IVR(Interactive Voice Response)は「自動音声応答システム」と呼ばれ、あらかじめ録音された音声ガイダンスを再生するツールです。顧客が音声ガイダンスに従ってプッシュボタンで番号を入力することで、問い合わせ内容ごとに電話を振り分け、適切なオペレーターや部署に電話を転送します。銀行の24時間対応電話システムや、フライト情報を電話で提供する航空会社のシステム、さらにはカスタマーサポートの自動応答などで多く活用例があります。
それに対してAI自動音声は、AIの技術によって音声対話を行う仕組みです。あらかじめ録音された音声ではなく、自動的に合成した音声で対話型の電話対応を行う点で、IVRと大きく異なります。認識精度が高く、IVRよりも高度な応答ができることから、幅広い電話業務で活用場面が増えています。飛躍的に進化した技術により、スムーズなコミュニケーションを実現可能です。
AI自動音声応答システムができること
企業がビジネスにAI自動音声応答システムを導入すると、具体的に以下のような電話業務を自動化できます。電話業務のさまざまな課題の解消に効果的です。
【電話業務における活用シーンの例】
|
AI自動音声応答システムを導入するメリット
ここでは、AI自動音声応答システムの導入メリットをご紹介します。自社の電話業務の課題解決へシステムを活用しましょう。
オペレーターの負担を軽減できる
問い合わせ対応をAI自動音声応答システムで効率化すると、オペレーターの業務負担が軽減されます。コールセンター業界ではオペレーターの人手不足が大きな課題となっています。業務量の多さが原因で離職が発生している場合は、職場環境を改善できる可能性があります。
人件費の削減につながる
AI自動音声応答システムに電話の一次対応を任せることで、オペレーターの人員配置を最適化できます。人間が担う業務は専門性や難易度の高い内容に絞り、大部分の電話対応をAIで完結させることで、人件費を抑えることが可能です。
あふれ呼や放棄呼の対策になる
コールセンターの待ち時間は顧客満足度と直接的に関係する大切なポイントです。一般的にオペレーターとのやり取りが開始される前の待ち時間が3分間を超えると大幅に顧客満足度が低下するといわれています。
AI自動音声応答システムの導入によって「あふれ呼」や「放棄呼」を減らせると、電話がつながらないストレスを低減し、顧客満足度の向上につながります。
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営業時間外の対応ができる
営業時間外に顧客から受注や予約の入電があった場合、電話を取れないと機会損失が生じるおそれがあります。AI自動音声応答システムなら24時間365日受付が可能なため、コールセンターの営業時間外でも製品・サービスの売上につながる電話に対応できます。
AI自動音声応答システムを導入するデメリット
AI自動音声応答システムを活用する際は、導入や運用の負担を考慮することが大切です。システム導入で押さえておきたい注意点を解説します。
初期費用や運用費用がIVRよりも高い
AI自動音声応答システムは、AIの開発や運用に多くの費用がかかるため、一般的にIVRよりも導入コストが高い傾向にあります。初期費用や運用費用の負担を考慮して導入を検討しましょう。また、AIの回答精度を高める「チューニング」など、定期的なメンテナンスが必須です。
シナリオを設計する必要がある
AI自動音声応答システムの導入効果を高めるには、顧客ニーズに適切なシナリオ設計のスキルが求められます。顧客ニーズを十分に理解し、AIの能力を最大限に活用するシナリオを設計することが重要です。なお、近年は生成AIを活用してシナリオ不要で会話を進めるソリューションも登場しています。
AI自動音声応答システムを選ぶときのポイント
今後、ビジネスにAI自動音声応答システムを導入する際は、以下の点でサービスを比較検討すると良いでしょう。続いて、システムの選び方のポイントをお伝えします。
初期費用・月額費用
多くのAI自動音声応答システムでは、基本的に初期費用+月額費用の料金形態が採用されています。自社の予算や活用方法に合わせて、適切なグレードのシステムを選ぶことが大切です。
API連携
社内システムとAI自動音声応答システムをAPI連携させることで、より高度な運用を実現できる可能性があります。例えば顧客管理システム(CRM)と接続すると、顧客から得た新しい情報をリアルタイムでCRMに反映したり、逆にCRMから取得した顧客情報に基づいてパーソナライズされた提案を提供することが可能になります。
文字起こし機能
「文字起こし機能」は、顧客との通話内容を自動で変換しテキスト化する機能です。機能が搭載されていると、通話内容を社内で共有する手間を減らし、報告・引き継ぎ・対応品質の分析が簡単にできるようになります。
カスタマイズ性
業界や業種によっては、一般的な電話対応とは異なる特殊な運用が求められるケースがあります。その際は、自社の業務フローに合わせてAI自動音声応答システムを柔軟にカスタマイズできると理想的です。
転送機能
AI自動音声応答システムの転送機能では、AIが顧客の発した言葉を認識するので、発信者のプッシュボタンによる操作は不要です。担当者へスムーズに電話を取り次ぐ上で必須の機能のため、詳細を確認しておきましょう。
導入事例
サービス提供会社によっては、AI自動音声応答システムの導入実績や活用事例などのデータをサイトで公開している場合があります。導入企業の業種や規模を確認し、自社と近い事例があるかチェックしてみましょう。
サポート体制
AI自動音声応答システムを初めて導入する際は、サポート体制が手厚いサービス提供会社を選ぶと安心です。導入から運用まで、システムに詳しい担当者が伴走することで、導入の効果を最大化できます。
AI自動音声応答システムを比較
こちらの一覧表では、ベンダー各社が提供するAI自動音声応答システムの情報をまとめました。費用面はもちろん、機能やカスタマイズ性といった多数の項目でサービスを比較検討していただけます。システム導入の際は、ぜひお役立てください。
サービス名 |
初期費用 |
月額費用 |
API連携 |
通話音声自動テキスト化 |
転送機能 |
サポート体制 |
運営会社 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
AI電話自動応答サービス |
25万円~ |
5万円~ |
○ |
◎ |
○ |
◎ |
ディー・キュービック株式会社 |
AI Messenger Voicebot |
50万円~ |
30万円~ |
○ |
○ |
○ |
○ |
株式会社AI Shift |
AIコンシェルジュ |
要問合せ |
要問合せ |
要問合せ |
○ |
○ |
要問合せ |
株式会社TACT |
MOBI VOICE |
30万円~ |
15万円~ |
○ |
○ |
○ |
○ |
モビルス株式会社 |
AI電話サービス |
要問合せ |
要問合せ |
○ |
要問合せ |
要問合せ |
○ |
株式会社NTTドコモ |
PKSHA Voicebot |
要問合せ |
要問合せ |
○ |
要問合せ |
○ |
○ |
株式会社PKSHA Communication |
※キューアンドエー調べ。上記のデータは2024年5月のものです。
参考:
- AI電話自動応答サービス(キューアンドエー株式会社)https://www.qac.jp/service_corporatecusromers/dx/aiautocall.html
- AI Messenger Voicebot(株式会社AI Shift)
https://www.aimessenger.jp/voicebot/ - AIコンシェルジュ(株式会社TACT)
https://www.tactinc.jp/service/ai - MOBI VOICE(モビルス株式会社)
https://mobilus.co.jp/solution/voice - AI電話サービス(株式会社NTTドコモ)
https://aitelinfo.jp/ - PKSHA Voicebot(株式会社PKSHA Communication)
https://aisaas.pkshatech.com/voicebot/
AI自動音声応答システムで業務効率化や顧客満足度向上を実現
ここまでAI自動音声応答システムの導入メリットやデメリット、選定のポイントなどを解説しました。AI自動音声応答システムでは、従来の電話業務で活用されてきたツールよりもさらに高度な対応が期待できます。幅広い電話業務を自動化することで、業務効率化や顧客満足度向上を実現できるのがメリットです。AIを活用してお客様対応を自動化するなら、ぜひDX関連サービスにお任せください。電話自動応答からFAQ構築まで、豊富なサービスと手厚いサポートで伴走いたします。
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